年上の素敵なお姉様を迎え、お話を伺う「乙女談義」。今週から4回連続で登場するのは、ファッションデザイナーのコシノジュンコさん!! 出で立ちからもう、素敵すぎます…。第1回目をお届けします。
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母や姉と同じデザイナーにはなりたくなかったのに…。

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、私の母・小篠綾子は洋服のデザイナーで、3歳年上の姉もデザイナーを目指すべく、高校卒業後に文化服装学院に進学しました。一方、私は絵が好きだったので画家になりたく、美大進学を目標にデッサンをする毎日。反抗期は、「母や姉と同じ道には絶対進まない!!」と頑なでした。そんなとき、私の油絵を見たある人が、「なぜお母さんと同じ道に進まないの?」と言ったんです。最初は全く聞く耳を持たなかったものの、徐々に心が軟化。最終的には私も、姉と同じ文化服装学院に入りデザイナーへの道を歩き始めました。でも実は高校時代は油絵のおかげで制服も絵具まみれ。今思うと、家が洋裁店だったせいか、逆に“おしゃれしたくない”という気持ちが強かったような…(笑)。東京に来て、母や姉の価値観から解き放たれ、そこからやっと、自分の世界が始まった。“コシノジュンコ”のスタートだったのだと思います。

どんな髪型にしても、結局おかっぱに戻る。

特に今は世界中の情報が簡単に手に入る時代ですから、流行やブームに乗るのが簡単です。でも波は終わるし流行は廃れます。なぜならば、流行は“情報”で作っていたものにすぎず、そこにはオリジナリティがない。人の心を打つ、そして残るのは、オリジナリティがありなおかつマイペースな人が作るもの。自分らしくありたい、と思うなら、情報に惑わされないことがとても大事だと思います。

ちなみに私のおかっぱヘア、最初にこの髪型にしたのは中学生のときでした。その後は三つ編みにしたりパーマをかけたり、東京に出てからはヘアデザイナーの友達が多く、彼らが私の髪を「ああしたい、こうしたい」といろいろやってくれました。でも正直なところ、何をやっても、何をやってもらっても、似合わなくて結局この髪型に戻るんです(笑)。

自分を持つと、まっすぐ進むことができる。みなさんも“自分らしさ”を見つけ、情報に惑わされずに進むことを意識してください。

コシノジュンコ デザイナー。大阪府出身。19歳でデザイナーの登竜門といわれる「装苑賞」を受賞し、1978年パリコレクション初参加。以降、世界的に活躍をする。近著にエッセイ集『コシノジュンコ 56の大丈夫』(世界文化社)が。

※『anan』2023年6月14日号より。写真・内山めぐみ ヘア&メイク・上田美江子

(by anan編集部)

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