モレの不安を解消する“吸水ショーツ”が誕生! 老舗下着メーカーが開発の苦労を語る

2023.1.20
ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは「広がる吸水ショーツの選択肢」。近年、多くのメーカーから発売されている吸水ショーツ。老舗下着メーカー発の、新たな選択肢をご紹介します。

【ワコール】AMPHI 吸水サニタリーショーツ

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マチ部分は防水層、吸水層、メッシュ素材の安心感のある3層構造で、約20mlの水分を吸水できるサニタリーショーツ。表マチ中央にゴムを縫い付け、吸収体の密着感を高めることにより、快適なはき心地とモレへの不安を解消。アウターに響きにくいレースをあしらったデザインがおしゃれで、ブルーな日も楽しく過ごせそう。つけ置きは不要で、予洗いのみで洗濯機で洗えるので、忙しい人にはお手入れに手間がかからないのもポイント。

シンプルさと可愛らしさを両立させたデザインの吸水サニタリーショーツ。サニタリー用品と併用して。ブラックとネイビー×ブラウンの全2色 各¥2,990(ワコール TEL:0120・307・056)

開発期間1年! 優れた吸水機能でモレの不安を解消してくれるショーツが誕生。

下着メーカーの老舗・ワコールのAMPHIから、去年、待望の吸水サニタリーショーツが発売。商品企画課の白浜久美子さんに、開発エピソードを伺った。

「2020年くらいから国内でもフェムケア市場が拡大してきて、ワコールでも安心して使っていただける商品を開発したいと思っていました。社内の調査でも、生理用品から経血がモレる心配を抱えているという声が多く寄せられたので、多い日やナプキンをなかなか替えられない時でも、モレの不安を解消できるショーツを作ろうと開発がスタートしました」

しかし、その最重要課題である“モレ対策”が、想像以上に困難な作業だったという。

「モレないようにするための吸水構造を作るのが本当に大変で…。縫製の際に、どうしても針で布に穴を開けてしまうので、そこからモレる心配があるんです。なので、いかに針穴を出さずにカバーするか、マチの部分には手間をかけ、縫製はかなり試行錯誤しました。そこをクリアしたら今度は、モレにくさとはきやすさの兼ね合いにも苦労しました。吸水性を高くするために吸水体を厚くすると快適な着用感が損なわれたり、かといって吸水体を薄くするとモレの不安が出てくるので、何度も何度もパタンナーに細かく指示して調整してもらいました。その上でどのくらいの着用時間なら大丈夫なのか、動いたり座ったりして圧力がかかっても問題ないのか、あらゆるシーンで安心して使ってもらえるかどうかの検証にもすごく苦労しました。何枚も何枚も数え切れないほどのサンプルを作って、水分量を変えて実験するという日々の繰り返しでしたね」

細部にまで施されたオリジナルのステッチにも、モレにくさへのこだわりが詰まっている。

「クロッチの中央に縦にステッチを入れることで、水分が横に広がらず縦に流れるので、横モレの心配も軽減されました。ステッチの数も何本にするのがベストか、検証を繰り返して結局1本に」

厳しい社内チェックをクリアして、ようやく発売に。

「社内モニターに試してもらった意見を基に、さらに改良を重ねて、納得のいく商品ができるまで1年近くかかりました。安心してお使いいただくためにたくさんのテストをしているので、発売としては後発でしたが、そのぶん高品質な商品をお届けできたと自負しています。実際、お客様からは、安心感があってはきやすい、ワコールのパターンのこだわりを感じた、など好評です。私自身、デリケートゾーンのかぶれが気にならなくなって、ファッションの選択肢も広がりましたね。生理の時は黒のパンツばかりだったのですが、吸水サニタリーショーツをはくようになってスカートも安心してはけるように。これからも女性の悩みに寄り添うアイテムを開発していきたいですね」

※『anan』2023年1月25日号より。取材、文・岡井美絹子

(by anan編集部)