フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『LA PITA DE MAISON CINQUANTECINQ(ラ・ピタ・ドゥ・メゾン・サンカントサンク)』のピタサンドです。
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ふかふかでムッチムチ。粉の香り広がる味わい深いピタサンドは、無限の可能性を詰め込めるポケットだ。「ファストフードをいつかやってみたいと思っていました。でも、単なるジャンクではなくこれまで培ってきた技術を活かせる店にしたい。信頼する農家さんの野菜もたっぷり使いたい。そう思った時に辿り着いたのがピタショップでした」と語るのは、オーナーの丸山智博さん。彼はビストロ『メゾンサンカントサンク』など、人気店を数多く手掛けては東京のフードカルチャーシーンを彩り続ける一人だ。

どうりでメニューには、ピタサンドといえば……のファラフェルサンドだけでなく、ニース風サラダをイメージした「エッグニソワーズ」や、クラシックな仔羊のスパイス煮込みをイメージした「ラムロワイヤル」など、単なる食材のサンドでなく料理を分解再構築したようなものも並ぶ。ラムの肩肉の煮込みに、大根と冬瓜の煮込み、ラムのキョフテ(ミートボール)、グリルした茄子、フムスとひよこ豆にアリッサソース。それらがまるっとサンドされた「ラムロワイヤル」は、どこをかじっても美味しく多様な表情を見せてくれるから、おみくじを何回引いても大吉みたいな気分。店内での食事はもちろん、テイクアウトもOK。素敵なオーダーシートを挟んだ紙袋を抱えて、近所の公園でピクニックなんて最高だ。

左から、ファラフェルサンド(¥1,400)に、ラムロワイヤルサンド 仔羊のモロッコ風(¥1,600)。吉野ハーブファームのハーブモヒート(¥990)とともに。ピタパンは、『コンビニエンスストア髙橋』か『PITA THE GREAT』から選べる(ラムロワイヤルサンドは『PITA THE GREAT』のみ)。

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LA PITA DE MAISON CINQUANTECINQ 東京都渋谷区西原3‐5‐1 11:30~20:00 日曜、月曜不定休 TEL:03・5454・5631 詳細はインスタグラム(@lapita_de_maisoncinquantecinq)で。

ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)など。

※『anan』2022年12月14日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子

(by anan編集部)

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