高校生・葵ハルの元気のもとは、人気モデルの月夜(つきや)ノア。母の再婚によって、ふたりは兄妹となり、推しと一つ屋根の下で暮らすことに…。そんな夢のようなシチュエーションで描かれるホットなラブコメが『推しが兄になりました』。その著者が、隈浪さえさん。
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「最初はクラスメイトのイケメン男子が兄になるストーリーを考えていたのですが、『カッコいい男の子の最たるものは“推し”では?』と思い、いまの設定になりました」

世界でいちばんステキだと思っている異性にだらしないと思われたくないし、塩対応で有名なノアにウザがられたらどうしようと、ハルの不安は尽きない。ところが、当のノアはそんなハルの気持ちには鈍感で、むしろ兄らしくしようと、実の兄以上のナイト魂を発揮してしまう。

こうしたボタンの掛け違い感が、笑いと共感のツボだ。

「少しドジっ子のハルですが、母親やノアなど誰かのために行動できるキャラなので、彼女も読者に愛されてほしいなと思っています。推しのノアに対して、大袈裟な反応をするハルを描くときが一番楽しいですね。推しがいる読者に共感してもらえるように意識しています。ノアについては、兄妹になってもなかなか本心が見えないミステリアスさを大事にしたい半面、人間らしさを失ってもいけないので、表情の変化を繊細に描きたいと思っています」

2巻に入り、ハルの推し活がノア本人にバレたり、ノアを狙うライバルでモデルの桐島アカトが、ハルやノアにじわじわ接近。アカトは、隈浪さん自身の個人的趣味でもある捻くれた“ツンデレ”を体現するキャラだという。3人がからむことで不穏な出来事が起きそうな場面もあるのだが、ハルの持ち前の優しさに、アカトは調子を狂わせられっぱなし。キャラそれぞれに萌えギャップがあるのがいい。

もちろん、全編を通して、美形を愛でる楽しさがふんだんに。

「金髪長髪、長い睫毛、高身長等々、個人的に思う“イケメンの王道的要素”を詰め込んでできあがったのがノアです。美形を描く上でこだわって描いているところは睫毛。ノアやアカトのポージングに関しては、いわゆる乙女ゲームのスチルが萌えだなと思うことが何度もあったので、マンガというよりも“一枚絵”でいかに萌えてもらうかを大事にしています。ページをめくったところに、バン! と良い絵が来るようにネームを切ろうと心がけていますね」

今秋発売予定の3巻ではノアのイメチェン計画が勃発!? 続きが待ち遠しい。

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『推しが兄になりました』2 ファン心を懸命に押し殺して妹になろうとするハルだが、ノアの無防備な優しさに鼻血を出すことしきり。ピュアすぎるハルを応援したくなる。スクウェア・エニックス 790円 ©Sae Kumanami/SQUARE ENIX

くまなみ・さえ SNSを中心に活動。Twitterやpixivに作品を発表していく中で、出版社からのスカウトでデビュー。『殺し屋だって見守りたい』ほか。

※『anan』2022年8月10日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・三浦天紗子

(by anan編集部)

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