和田琢磨×七海ひろき、舞台『刀剣乱舞』は「推しを見つけるのに適している」

2022.4.3
夢と現実とが融合し魅せる、2.5次元舞台をもっと知りたい! 刀剣男士と歴史上の人物とが邂逅。舞台『刀剣乱舞』が魅せる忠義と愛と。
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――お二人は2年前、科白劇ですでに同じ舞台に立っています。当時と今とで印象が変わったところはありますか?

和田琢磨さん(以下、和田):七海さんとは、初めましてな感じはあんまりなかったな。

七海ひろきさん(以下、七海):私は2年前が刀ステ初参加で、宝塚を退団して初めての女性役で、刀ステに女性が出るのも初めてだったから、いろいろプレッシャーを感じてました。稽古場での居方も、これでいいんだろうかと悩んだり…。科白劇は稽古の日数も少なかったからとにかく必死でした。今回のほうがみんなと話せてます。

和田:僕は単純にすごく楽しみでしたよ。これまで多くの舞台を経験してる方だし、稽古場で実際に拝見して、これは人気出るぞって。

七海:あはは(笑)。“二度目まして”の和田さんは、意外に天然なところを感じる瞬間がちょこちょこあります(笑)。みんなのことをまとめたり、引っ張ってくれてるんですけど、たまに着眼点がユニークというか(笑)。

和田:AB型だから、よく言われるんですよ。でも七海さんにも似てる部分があるんじゃないかと勝手に思ってるんですよね。稽古場での居方を見ていると、俯瞰的にモノを見ているのを感じるので。僕から見た七海さんの印象は変わらないですね。最初から居心地のいい人でした。

七海:舞台の稽古って、取り繕ってもどうせ後々ボロが出るんで(笑)。だから毎回、ありのままですね。できないものはできませんので、後で追いつくんでっていう。気張らず、自然体でいます。

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――舞台上でソーシャルディスタンスを保つために科白劇として演じた作品が、今回は「綺伝 いくさ世の徒花」として上演されますが、見どころは?

和田:最初から人となりがわかっている状態なのもあって、より深いところまで突き詰めようという気持ちはみんなにありますね。僕らは他の隊より一、二歩進んだ状況から始まるわけだから、普段では到達できないところまで掘り下げようと、稽古場でも末満さんが発破をかけてくださってました。

七海:今回は突き詰めるだけの時間もあったしね。科白劇で一度やってるから、前回と同じ部分は自分の中にまだ残っていて。でも、それを思い出しながらやっていると、今度は前回とはまた違う感情が生まれたり…。そういう部分も末満さんはきっと大事にしてほしいと思ってるんじゃないかな。単純に同じ作品ではなく、題材は同じだけど世界観は違うというか。あとは単純に、前にやっているからこそ、前よりパワーアップしたとは言われたいです!

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――刀ステの魅力、そして刀剣乱舞の魅力は何だと思いますか?

和田:刀剣乱舞の魅力はそれこそたくさんあると思うんですけれど、舞台では歴史上の“もしこうだったら”というifの物語が描かれるので、非常にロマンがありますよね。「もし織田信長が本能寺の変で生きていたら」とか、「細川忠興が妻を殺していたらどうなっていたか」とか。だから、原案のゲームを知らなくても単純に楽しめますし、われわれも演じていて歴史の勉強になっています。それに、登場人物一人ひとりが粒立っているので、推しを見つけるのに適していると思いますよ。

七海:私はもともと『刀剣乱舞』好きだったので、出演が決まった時はすごく嬉しかった! 科白劇から2年が経って、私もそうだし、みなさんもこの間にいろんなことを経験してきているので、だからこそ出てくるものがあるんじゃないかなと思いますし、前回とは全然違うなと感じるところがたくさんあります。それに今回は時間遡行軍との戦いも直接あるので、まず舞台上にいる人数が多い(笑)。

和田:刀ステは殺陣のクオリティは非常に高いと自負しています。迫力もありますし、常に臨場感を追い求めているので、単純に見ていてすごいなと思っていただけるようなものになってるんじゃないかと思いますね。

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――お互いが演じてらっしゃる役の見どころを紹介してください。

和田:細川ガラシャって悲運な女性として儚げに描かれることが多いんですけど、同じ物語の中で生きていると、今の女性が憧れる要素をたくさん持っているなと感じるんですよね。戦国時代に生きて、殿様の言うことは絶対という時代に、自分の意思をはっきり示したり、それでも(細川)忠興様のために身を引くところもあったり…。歌仙兼定が二人の半生を物語るシーンがあるんですけど、そばで見ていて人としてすごく魅力的な女性だなと感じますし、七海さんにぴったりの役ですよね。

七海:歌仙兼定は風流な部分もあるけど、戦い方は風流というか…。

和田:力任せ(笑)。

七海:気持ちのままに行く部分があったりするところが、歌仙兼定の素敵なところですね。

和田:僕自身、ロールキャベツ男子なんで(笑)。見た目は草食系だけど中身は肉食系っていう。

七海:自分で言っちゃった(笑)。そういう部分が本人の魅力とあいまって、最高なんですよ! 最初にキャスティングされた方はブラボーだと思います。

和田:そんな時から知ってくれていたんだ、嬉しいな。

七海:『刀剣乱舞』好きとしては気になるじゃないですか、次は誰がどの役をやるんだというのは。歌仙兼定が和田琢磨さんとはいいところをつきましたねって、当時はめちゃめちゃ上から目線で思ったり(笑)。それに今まで何作もやられて蓄積があるから、より幅を広げられるのかなって、見ていて思いますね。そういうところで他の刀剣男士を引っ張っていけるのもまた素敵なところだと思います。

――七海さんは刀ステに出演される前から『刀剣乱舞』ファンだったということは、ご自身の本丸があるんですよね。始まりの五振りは誰を選びましたか?

七海:……。

和田:いいんだよ、正直に言っても(にっこり)。

七海:山姥切国広です(苦笑)。あ、でも今は綺伝メンバーを第三部隊にして回ってます!

舞台『刀剣乱舞』綺伝(きでん) いくさ世(ゆ)の徒花(あだばな)

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上演中~4月3日(日)東京・明治座 4月22日(金)~4月24日(日)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール 4月30日(土)~5月15日(日)大阪・新歌舞伎座 原案/「刀剣乱舞‐ONLINE-」より(DMM GAMES/Nitroplus) 脚本・演出/末満健一 出演/和田琢磨、梅津瑞樹、佐野真白、松井勇歩、伊崎龍次郎、大見拓土、塚本凌生、星元裕月、三浦浩一、早乙女じょうじ、山浦徹、黒川恭佑、堀田勝、石原正一、船木政秀、松村龍之介、佐藤永典、深澤大河、湯本健一、七海ひろき Mitt TEL:03・6265・3201(平日12:00~17:00)©舞台『刀剣乱舞』製作委員会 © 2015 EXNOA LLC/Nitroplus

わだ・たくま 1986年1月4日生まれ、山形県出身。2009年、舞台『流れる雲よ ~DJから特攻隊へ愛を込めて~』でデビュー。ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンの手塚国光役など2.5次元舞台の他、舞台『首切り王子と愚かな女』に出演するなど幅広く活躍中。

ロングジャケット¥72,600 シャツ¥23,100 パンツ¥29,700(以上ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿 TEL:03・3470・6760) シューズはスタイリスト私物

ななみ・ひろき 茨城県出身。宝塚歌劇団で男役スターとして活躍。2019年の退団後は俳優、声優、歌手として活動中。最近の出演作に、舞台『フランケンシュタイン ‐cry for the moon-』。4月スタートの自然教育アニメ『インセクトランド』(NHK Eテレ)ではテオの声を担当。

ジャケット¥64,900 シャツ¥25,300 パンツ¥29,700 シューズ¥64,900(以上ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿) ネックレス¥4,400(エルエイチエムイー/シアン PR TEL:03・6662・5525) リング¥38,500(ライオンハート/シアン PR)

※『anan』2022年4月6日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・藤長祥平 ヘア&メイク・野澤文愛(和田さん) 塩田勝樹(Sui/七海さん) 取材、文・尹 秀姫

(by anan編集部)