鷲尾真知子「舵を切るタイミングに早い遅いはない」 40歳からの第二の俳優人生

エンタメ
2021.09.25
人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは俳優の鷲尾真知子さん。鷲尾さんが長く所属した劇団を辞めたのは、40歳のとき!! 第3回は新しい人生に踏み出したときのお話と、仕事のやりがいについてお聞きしました。
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新しい出会いは、いくつになっても可能です。

私が40歳で劇団を退団したのは、新しいことがしたい、新しいものと出合いたいという好奇心に従ってのことでした。幸運なことに、すぐに野田秀樹さんの『から騒ぎ』という舞台からお声がけいただき、初めて、自分が所属していた劇団以外のカンパニーに足を踏み入れましたが、そこは、私が積み重ねてきたものとは違うことだらけの世界でした! 稽古場で感じる厳しさ、楽しさのすべてが初体験で、長く忘れていた芝居の楽しさを思い出すことができた。そこから、私の第二の俳優人生が始まりました。

今20代の方からすると、40歳で新しいことを始めるなんて無謀…って思いますよね? でも、歳を重ねた私からすると、舵を切るタイミングに早い遅いはない。人間は好奇心があり、それは年齢を重ねても、本質的には変わらないと思っています。求め続けている限り、いくつになっても新しい出会いはやってきます。だからこそ人生は楽しいんです。

舞台とドラマ、それぞれにやりがいが。

役者のやりがいの中には、自分の芝居で素敵なモーメントを作れたときや、それを共演者と共有できる喜びもありますが、舞台であれ映像作品であれ、一つのチームで何かを作り上げる達成感があるところが好きです。

舞台というのは、一つのカンパニーで2か月とか3か月とかある程度の長い時間をかけて、稽古をし、本番をやり、そして解散する。濃密な時間を一緒に過ごし、それこそ生きて、「またどこかで」と言って別れていきます。一方映像作品は、ドラマ『大奥』のようなレギュラー出演だと役者同士気心も知れますが、単発出演の場合、例えば親子を演じる間柄なのに今日初めて会い、演じて、カットが掛かったらハイ終わり、ということも。同じ芝居でも、継続性によって作り上げる舞台と、1シーンをたった30分で集中して撮るドラマの身軽さ。私は舞台出身ですが、意外とドラマの持つ潔さも好き。この先も、両方をバランスよくやっていきたいですね。

わしお・まちこ 俳優。1949年生まれ、神奈川県出身。テレビドラマ『大奥』などでもおなじみ。9/26まで新国立劇場 小劇場にて舞台『友達』に出演中。共演は有村架純、林遣都ほか。

※『anan』2021年9月29日号より。写真・中島慶子

(by anan編集部)

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