「寝付くまで10分以内」は睡眠不足の可能性大!? “睡眠不足”レベルを診断

ライフスタイル
2021.09.02
自分の睡眠を知るために、睡眠時間が足りているかチェック。普段の行動や体の状態から、適切な睡眠量がとれているか判明! 作業療法士の菅原洋平さんが解説してくれます。
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TRY

CHECK1:忙しいと入浴時間が遅くなる

入浴が遅くなると自然と就寝も遅くなるため無自覚のうちに寝不足に。
日常生活の中で、入浴後の時間を短縮して早寝するのは至難の業。お風呂が遅い時間になったために頑張ってすぐ寝ようとしても、髪を乾かすのに時間がかかったり、寝るための準備があったりと、省略できる行動が少なく、思ったより眠るのが大幅に遅くなってしまった…という実感がある人も多いのでは。眠りを再優先にしたいなら、いっそお風呂は翌日の朝に回して、早寝する決断を。

CHECK2:眠くなっていても動画を見ていて、気づいたら1時間以上過ぎている

寝不足になると、自分に必要な情報を選別する“高次視覚野”の働きがダウン!
明かりを消し、ベッドに横になりながらスマホやタブレットで動画を見続けてしまい、ついつい寝不足になってしまう…という人も多いのでは? こんな状態が続くと、脳内で情報を選別する役割を持つ高次視覚野の働きが低下。見たものをなんでも自分に関係する情報だと思い込み、動画を見続けてしまうという恐ろしいスパイラルに。寝る前に動画を見るときは、事前に見る内容を決めよう。

CHECK3:週末に寝だめをすると満たされる

睡眠量を増やして頭や体がスッキリする場合は、量が足りないしるし。
いつもよりも早寝をしたり、休日にたっぷり寝た後、頭や体がスッキリして元気になったという場合や、仕事中の眠気が減ったという場合は、単純にこれまでの睡眠時間が不足していた証拠。毎日10分でもいいので早寝して累計睡眠量を増やそう。たくさん寝たのにもかかわらず、眠気やだるさなどが残っている場合は、睡眠の質が悪い可能性が。

CHECK4:就寝すると、あっという間に寝ている

寝付くのに10分もかからない人は睡眠時間不足の可能性。
ベッドに横になったとたんに寝ていた、という経験は誰にでもあるもので、“寝付きがいい”と思いがちだが、実はそうではない。人間は、大脳が大きいため、寝付くのに10分程度かかるのが正常な睡眠リズム。つまり、眠りにつくときにまどろまず、あっという間に寝ていたという場合は、睡眠量が足りていないといえる。少しでも早寝できる日を増やすように心がけて。

CHECK5:目覚ましをかけないと、いつまでも寝ていられる

たっぷり寝たつもりでも目覚ましなしでは起きられないなら、日頃の睡眠時間不足。
いつも目覚めが悪い人が、目覚ましをかけずに寝たいだけ寝た日に、体や頭がスッキリしたのであれば、その長時間の睡眠によって量的に満たされた=日常的に睡眠時間が不足している、と考えて。自分が起きたい時間に目覚ましなしでスッキリ起きられるようになるためには、毎日、わずかでもいいので早寝できる日を増やそう。小さな早寝の積み重ねこそが、睡眠不足改善の近道に。

CHECK6:二度寝をする時間が一番幸せ

二度寝タイムにまどろむ心地よさは、睡眠不足によって引き起こされるもの。
二度寝してしまおう…と感じているときの、なんともいえないまどろみ。本来しっかり睡眠がとれているならば、まどろむ感覚は、入眠前の睡眠と覚醒の間に発生するもの。目覚めた後もぼんやりとした状態が続いてしまうのは、体が“もっと早寝できますよ”というサインを発している証拠。さらに、二度寝した後もだるい感覚が続くのであればなおさら。その夜は早寝する意識でいよう。

診断

CHECK1・2に当てはまる人は…睡眠不足レベル1

睡眠不足の初期ステージ。一日のタイムスケジュールや過ごし方を見直すことで、日々の睡眠時間を補うことが可能です。

CHECK3・4に当てはまる人は…睡眠不足レベル2

睡眠時間が足りない状態が続いています。毎日数分でよいので早寝する日を増やし、1か月の累積睡眠量を稼ぎましょう。

CHECK5・6に当てはまる人は…睡眠不足レベル3

睡眠不足が慢性化している状態です。平日と休日の起床時間の差を縮めることで、睡眠のリズムを立て直してみよう。

睡眠のリズムを整えるためには、起床時間を揃えよう。

毎日を元気に過ごすためには、まとまった睡眠時間が必要不可欠。しかし、急に睡眠量を増やしたいからといって、例えば毎日5時間の睡眠を、いきなり6時間に増やすのは現実的に難しいはず。

「重要なのは、日々の累積で睡眠量をとらえること。1日15分の早寝を1か月間続ければ、7.5時間分多く眠れます。このように、1か月のトータルの睡眠時間を増やしていくことを意識して、少しずつ睡眠不足を解消しましょう」(菅原さん)

また、規則正しい睡眠を必ずとらねばという思い込みこそが、かえって逆効果になっていることも。

「揃えるべきは、就寝時間ではなく、起床時間なんです。起きる時間が一定になれば、自然と眠気が起こる時間も揃うので、睡眠リズムも整っていきます」

菅原洋平さん 作業療法士、ユークロニア株式会社代表。ベスリクリニックでは薬に頼らない睡眠外来を担当。整体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行っている。著書に『あなたの人生を変える睡眠の法則』など。

※『anan』2021年9月8日号より。イラスト・加納徳博 取材、文・若山あや

(by anan編集部)

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