フジファブリックが11thフルアルバムを完成させた。その名も『I Love You』! いつになく直球なタイトルとなっているのだ。

すべての“You”に届きますように! 音楽の愛が降り注ぐ珠玉のニューアルバム。

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「一昨年はデビュー15周年で、大阪城ホールでライブをして。その一年を通しても、様々なイベントをやらせていただいたんです。フジファブリックは、ボーカルが亡くなったり、存続の危機もあって。だから、ファンの方は、好きで聴いてくれているだけではなく、応援してくれているっていうニュアンスも強いと思うんです。そういうみなさんに感謝を伝えたくて、このタイトルになりました。“You”っていうことで、相手ありきの愛、限定した強い想いを表現したかったんです」(山内)

だからこそ、フィーチャリング・アーティストも、たくさん迎えられている。まずは「赤い果実 feat.JUJU」。JUJUさんがフジファブリックの「手紙」をカバーしたことで繋がった縁が、この楽曲に結び付いた。彼女の“大人可愛い”面を引き出した仕上がりが新鮮だ。

「僕の声が青いのか、JUJUさんもこっち側に来るというか。こんな歌い方もできるんですね! っていう懐の深さを感じましたね」(山内)

また、YOASOBIのボーカル・ikuraとしても活躍する幾田りらさんが参加した「たりないすくない feat.幾田りら」も収録。

「この楽曲がイメージする、女性と少女が混在する歌詞にもすごく合うなっていう」(加藤)

とどめは「あなたの知らない僕がいる feat.秦 基博」。男性デュエットの名バラードの誕生である。

「井上陽水さんと安全地帯(がコラボした『夏の終りのハーモニー』)とか、いろんなデュエットソングがあると思うんですけれど、そういうのとは違った曲を作りたいと思って。秦くんは、普段から仲いい友達なんです。ほんとにいい声なので、しっとりと、男の心情を歌う曲がいいと思って作りました」(山内)

女性とも男性ともコラボし、さらにはファンに向けた「SHINYDAYS」や、両親に宛てた「手」など、愛が様々な人へ向いた、山内さん曰く「Youがいっぱい」な一枚。そんな中、コロナ禍でいっそう力強さを感じる楽曲が、金澤さん作詞・作曲の「楽園」だ。

「曲自体は一昨年の大阪城ホール公演が終わってから作りはじめていたんです。だから、期せずしてそういう部分もリンクしているのは、興味深いと思います」(金澤)

明るく突き抜けたインスト「LOVE YOU」ではじまるところも、この時代ならではの意思を感じる。

「音楽って、衣食住の次の話だとは思いますが、やっぱり心に届いた時に、楽しいものであってほしい。見えない力を信じているので」(山内)

ここに収録されている楽曲を、ライブで受け取れる日も待ち遠しい!

「『SHINY DAYS』は、またライブで一緒に騒ごうぜっていう曲で、(金澤)ダイちゃんも加藤さんも、メインボーカルをワンパートずつとっているんですよ。両手を広げて待っていることを、3人の声で表現したかったんです」(山内)

「ツアーやりたい!」(加藤)

「バンドワゴンでね」(山内)

「ツアーがないから、サービスエリアも行っていないもんね」(金澤)

「状況次第ですけどね。面と向かって感謝を伝えたいです!」(山内)

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豪華コラボ曲や小林武史さんがプロデュースを手掛けた楽曲「光あれ」など全9曲収録。11thフルアルバム『I Love You』【初回盤(CD+BD)】¥4,000 【通常盤(CD)】¥3,000(ソニー・ミュージック)

フジファブリック 左から、金澤ダイスケ(Key)、山内総一郎(Vo&G)、加藤慎一(B)。2000年に結成。2009年に志村正彦が急逝し、現体制で始動。「若者のすべて」に代表される抒情性と、ダンサブルな両面で支持を集めている。

※『anan』2021年3月17日号より。写真・黒川ひろみ スタイリスト・伊藤省吾(sitor) ヘア&メイク・田中佑哉 取材、文・高橋美穂

(by anan編集部)

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