「すみません」はNG? いますぐやめるべき10の損する習慣

ライフスタイル
2020.06.07
自己肯定感を低下させる原因にもなる、損な習慣を断ち切ろう! ダメな自分から抜け出す10の技術とは?
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ずっとやめたいと思っているのにやめられない、手ごわい習慣。弱気な思考や否定的な言動など、案外と人は、そんなクセを抱えているもの。

「人間の一生はとてつもなく長いような気がしますが、仕事もあるし、睡眠時間もあるし…と考えていくと、実は自分が好きなことをやるための時間は、限られています。そんな中で、無駄なことやイヤだなと思っていることに時間を費やすのは、もったいない」

と話すのは、サラリーマン時代に培ったスキルをまとめたビジネス書が人気の作家・美崎栄一郎さん。美崎さんによると、“やめたいけれどやめられない”の裏側には、変化に対して、恐れや不安といった気持ちがあるからだとか。

「人は“変わること”を恐れます。変化が起きたら、それに対応しなければ生きていけなくなるので、生存本能的にはなるべく変化なく暮らしていきたい。例えばテレビをダラダラ見続けることを“時間が無駄だし良くないな、やめたいな”とマイナスに感じていても、極端に言えばテレビを見続けたところで命に関わる危機が訪れる可能性は限りなく低いですから、このままのほうが楽だし、無理にやめなくてもいいやと思ってしまうわけです。ただ、“やめたい”と思うことをやり続けるのは、このままでは良くないというネガティブな気持ちを抱えたままで生きることになりますし、そのネガティブな気持ちは、結果的に自己肯定感を下げる要因になります」

断ち切りたいと思っている習慣とおさらばするのは、じつは難しくない、と美崎さん。

「イヤだと思っている習慣を続けることは、人生にとって無駄で、損です。その習慣を断ち切ることは、無駄が減るわけですから、結果的に日々の暮らしが楽になります。今より楽になれるのがわかれば人は絶対変われるはず。やめたいことをやめられたら、それは立派な成功体験。小さな“やめる”でも、積み重ねていけば自己肯定感は確実に高まりますよ」

それではさっそく、自己肯定感を高めるために“やめるコト”10個をご紹介します!

やめるコト1:いつでも、「すみません」

便利だからと使っていると、思考停止に陥りますよ。

声をかけるときも、謝るときも、ちょっとした謝意を伝えるときにも使える、“すみません”という言葉。確かに便利ではありますが、いつでもその言葉を使っていると、相手に本当の気持ちが伝わらない、と美崎さん。

「感謝の意味で使うなら“ありがとう”、失礼なことをしたときには“失礼しました”、狭い通路を通るときには“後ろを通ります、お気をつけください”など、“すみません”を使いそうな場面では、安易にそれをチョイスせず、別の言葉で言い換えられないかを考えてみましょう。それにより気持ちの表現が豊かになり、気持ちがきちんと伝わります。相手とのコミュニケーションもより良いものになること請け合いです」

やめるコト2:「あの人は苦手」と決めつける

もう一人巻き込んで、“苦手”を緩和せよ。

社会に出ると、苦手だな、合わないな、と思う人とも付き合っていかなければいけません。特に仕事関係などにそういう相手がいる場合、“苦手だ、苦手だ”と思ったところで、避けられないわけですから、思うだけ損。

「とはいえ仲良くしよう、というのも難しい話。そんなときにおすすめなのが、あなたが苦手だと思っている相手との間に“苦手と思っていない第三者”を巻き込み、3人でコミュニケーションをとる方法。1対1では合わない相手も、間に別の誰かが入ることで、空気が変わります。言いづらいことがあるなら、その人を介して伝えてもらうこともできます。触媒になる人を見つけることが、苦手意識を手放すコツです」

やめるコト3:お礼を言いそびれる

言いそびれないよう、“お礼を言う日”を作る。

誰かから「ありがとうございます」と言われると、嬉しいもの。それはわかっているはずなのに、つい言いそびれてしまうことは意外と多い。

「しかも言いそびれてしまうと、“もう1か月経っちゃったし、今さら言っても…”なんて思いも生まれたりして、ますます伝えづらい。最終的には“お礼が言えなかった…”というネガティブな気持ちだけが残ってしまい、いいことがありません。でもお礼は、いつ言われても嬉しいもの。なので、お礼を伝えたかを振り返り、言いそびれがあったら伝えるという“感謝デー”を定期的に設けましょう。1週間に1回でもいいですし、なんだったら毎晩でもいい。お礼を伝えることは、円滑な人間関係のきっかけにもなります」

やめるコト4:話を素直に聞けない

どんな話にも必ず学ぶべきことがあります。

人の話を素直に聞けない原因は、たった1つ。自分のプライドが邪魔をしているから。

「どんな人でも、“あの人より自分のほうができる、すごいはず”と思っている相手からの話は、素直に聞くことができないものです。そのためには、“この人の話は素直に聞けないな”と思う相手を観察し、毎日学べることを10個見つけてみる。人の話を素直に聞くためには、自分とは違う人が話すことには絶対何か学ぶことがあるはず、という姿勢を持つことが大事。これが習慣化していくと、相手がどんな人であれ、その人のポジティブな面が見えてきて、自然に“耳を傾けよう”という気持ちになれます。時間を決めて、ゲーム感覚で探してみるといいですね」

やめるコト5:見返りを期待する

本当に自分がやりたくてやることか、心に聞いてみて。

仕事は、自分の働きに対して賃金という見返りがつきもの。仕事でリターンを期待するのは当然ですし、問題はありません。でも仕事以外の人間関係でそれを期待するのは危険。

「商売でないならば、見返りは一切期待してはいけません。お返しがなかったり、あるいは期待したリターンと違った場合、ストレスが溜まることも。揚げ句、相手にネガティブな気持ちを抱き、人間関係が壊れることも。誰かのために何かをするときは、それが自分が本当にやりたいことなのか、または見返りを求めてやっているのか、心の声に耳を傾けるべき。見返りを求めるくらいなら、最初からしないほうがいいと思いますよ」

やめるコト6:人と比べてしまう

比べるなら、過去の自分と比較しよう。

私たちはつい人と自分を比べがち。“自分のほうが上”と思って安心するために比べてしまう人もいれば、人と自分を比較することが何かを頑張る原動力になる人も。でも、そもそもそんな比較に意味はないと美崎さん。

「“あの人のほうが優秀”“あの人のほうがかわいい”などと他人と自分を比べたがる人は、自分を評価する基準が“他者”になっており、他人に振り回されているのと同じ。それでは気持ちが不安定なままです。どうせ比べるならば、他人ではなく、過去の自分と今の自分を比べましょう。過去の仕事に比べより良く、過去の自分より工夫をしよう、など。自分の成長が実感でき、自己肯定感が高まります」

やめるコト7:先のことを考えて不安になる

その不安が現実になる確率を考えよう。

実は美崎さんも、もともとは心配性で、何か起こるたびにその事象をネガティブに捉えていたそう。

「例えば、授業中に鉛筆を落としただけで、“何か悪いことが起きるに違いない”と心配をしていました(笑)。でも冷静に考えればそれは単なる出来事で、トラブルの前兆でも何でもない。しかも先のことを考えて不安になったところで、それは“現実になっていない未来”。起きるかどうかすらわかりません。未来の不安に苛まれたら、“心配事”を書き出し、友達や周囲の人に“どのくらいの確率で起きると思う?”と聞いてみましょう。“そんなこと、なかなか起きないよ”と冷静な意見を言ってくれるはずです」

やめるコト8:人のせいにする

原因は自分にあると考え、自分の行動を変えましょう。

すべてのことを“人のせい”にして生きるのは、楽な生き方だ、と美崎さん。

「自分の責任だと考えるのは、自分と向き合い、非を認めることですから、結構キツいんですよね。だから人はつい他の人のせいにしてしまう。とはいえ、問題解決のために、原因になっている“他人”に変わってもらおうとしても、なかなかそうはいきません。確実に問題を解決するためには、すべての原因は自分にあると考え、自分の行動を変えるのが、一番の近道。“あの人が変わってくれない!!”とやきもきするのはストレスを生むだけ。他人と自分、どちらがコントロールしやすいか、それは当然“自分”。他人を変えようとするより、自分が変わるほうがずっと楽です」

やめるコト9:悪口を言ってしまう

悪口が言いたくなったら、歩く、歩く。それでスッキリ!

悪口を言いたい…。それは、ストレスが溜まっているサインです。でも、悪口を言ったところでストレス解消にはなりません。

「とはいえ、言いたくなるのが人間。悪口を言いたくなる原因のストレスを解消するのが一番の解決法です。イライラしたときにおすすめなのが、歩くなど、体を動かすこと。じつは有酸素運動には、セロトニンを分泌する効果があるそうです。仕事中、上司に小言を言われてイラッとしたら、とりあえず席を立ち、ちょっと歩いてみましょう。歩きまわるうちに、さっきまでの“悪口モード”は収まり、いつの間にかスッキリしているもの」

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やめるコト10:「いい人」でいようとする

本当の“いい人”は、迎合ではなく心配します。

いい人と思われたいがために自分の気持ちを押し殺し、相手に合わせてしまう。それって疲弊しか招きません。

「迎合する人は、“都合のいい人”にすぎません。本当に“いい人”と思われたいのなら、自分の主張をはっきり伝えること。本質的にはそのほうが相手にとってプラスになります。しかし意見をぶつけると摩擦が起きる可能性も。そんなときは言いたいことの前に、“大丈夫だと思うけど…”と、“心配している”というニュアンスの言葉を付け加えましょう。そこで一呼吸し、リアクションを見る。相手が興味を示したら、自分の意見を口にする。キーワードは“迎合”ではなく“心配”です」

みさき・えいいちろう ビジネス書作家、講演家、商品開発コンサルタント。花王で働く傍ら、社会人向け勉強会や交流会を主催。独立後は全国で講演活動を行っている。

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『脱ムダ、損、残念! 今度こそ、やめる技術』 1300円 あさ出版 “楽をしたがりや”な作者が、やめたいのにやめられない習慣を、スパッとやめるための方法を紹介。無駄をなくして軽やかに生きるための必読本。

※『anan』2020年6月10日号より。イラスト・石山さやか

(by anan編集部)

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