――モデルと俳優業では、どんな違いがありますか?
成田:モデルの仕事は、たくさん写真を撮った上での、ベストな一枚が雑誌に載ります。でも、映像の場合は一瞬だけでなく、動きの流れを撮られるので、ずっとカッコつけていなくていいわけです。だからこそ、生っぽさや人間らしさを伝えることができる。両者のあいだには距離感があるし、僕にとっては、まったくの別ものですね。でも、自分の表情や動きで表現をするという点は共通しているし、それは、すごく楽しいです。
――これからやってみたいことはありますか?
成田:主役です。主役を演じる人間でありたいです。今はまだ、作品の中の1ピースだと思っているので。
――というのは?
成田:今は若いからだったり、これから注目されるかもしれないと期待していただき、選んでくださっているところが大きいと思っています。それに対して、満足してもらえる数値は出せる自信はありますが、そうではなく、もっとちゃんと責任や苦労を背負って演じたい。でないと、いつかダメになる気がするんです。だからこそ、本当の意味で自分を選んでもらえたと思える人との出会いや仕事は嬉しいし、ありがたいと思うんです。
――いい意味でユルい空気感をまとっている方だと思っていたので、意外なハングリーさに驚きました。
成田:いやいや。先輩の結婚式で、目を閉じて30秒ちょうどでストップウォッチを止めるというゲームをやったんですが、僕、46秒でしたから。ものすごくユルいですよ。ぴったりで止めて「持ってる~!」って言われたかったんですけどね(笑)。
――主役になるためには、どうするのでしょう。
成田:いい作品、いい人間と出会えるように努力をして、ちょっとずつでも頑張っていくしかないです。それにしても、僕は、なかなか芽が出ない…。
――俳優としてもモデルとしてもキャリアを積み重ね、活躍している成田さんは、私たちからすると十分、芽が出ていると思いますが。
成田:だって、同世代でもっと注目されている役者はまだまだたくさんいるじゃないですか。でも、僕はなかなか芽が出ない。さっきも外で撮影をしたけど、誰も反応してくれなかったですから。おかしいな、きっと僕には何かが足りないんですね。ああ、本当に売れたい! 「もっと売れたい」と書いておいてください。注目の人に話を聞くという企画に出ていながら、言うことじゃないですけどね(笑)。
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