原作でいたいけな少女として描かれていたドロシーはクールな看護師に。

100年以上前にアメリカの作家、ライマン・フランク・ボームによって書かれた童話『オズの魔法使い』。いまだに全世界の子供たちに読み継がれ、ジュディ・ガーランドやダイアナ・ロス主演で映画化。前日譚のミュージカル『ウィキッド』は日本でも多数上演されています。この古典的名作を、『ザ・セル』や『白雪姫と鏡の女王』などで知られるターセム・シン監督がTVドラマ化。現在、Huluで独占配信中です。

『美女と野獣』や『リトル・マーメイド』など童話の映画化が相次ぐ、今日この頃。こういった作品の実写化にはつきものですが、どこの国のファンも原作の再現率をやはり気にするもの。しかし、この『エメラルドシティ』は、逆に原作にかなり大胆な変更を加えていることで本国では大きな話題になっています。

実際、内容はかなり大人向け。というか、まず原作では少女として描かれていたドロシーが、本作では成人して看護師として病院で働いています。しかも厄介な恋愛トラブルも抱えている模様。ストーリーの大筋は原作通りで、ドロシーは竜巻に飛ばされてオズ王国へとたどり着き、なんとかして故郷のカンザス州へ戻ろうと仲間と一緒に旅をするのですが、主人公が大人なだけに、おとぎ話のご都合主義な展開にはならなくて…。あの『オズ』が、大胆な解釈でダークでエロティックで血なまぐさい、これまでにない形に生まれ変わっています。

原作を子供の頃に読んだことがある筆者としては、逆にそのアレンジこそが物語にスパイスを利かせているような印象を受けました。関連書籍やこれまでの映画と見比べながら、ぜひ、どっぷりと『オズ』の世界にハマっちゃってください！

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