自分を知るためには、カラダの声も聞いて。
「自分を知る」とき、自分の心を知るだけでは、じつは不十分です。自分のカラダの声も聞く必要があります。カラダの悲鳴に気づかなかったら、過労やストレス病になりかねません。また、カラダは心にも大きく関わっています。感情はカラダを通して生まれるのです。たとえば、森で凶暴なクマに出会ったとします。目などを通じて脳が知覚し、自律神経に伝わり、心臓の鼓動が速くなったり血圧が上がったりします。そのカラダの変化をまた脳が感じて「怖い」という感情が生まれるのです。恋愛マンガで、誰かを前にしたときに胸がドキドキしてきて、「あれ? もしかして、私はこの人を好きなの?」と恋愛感情に気づくシーンがよくあります。これも本当で、カラダの変化のほうが先なのです。
つまり、カラダの声にちゃんと気づけないと、自分の感情にも気づけないのです。自分の感情にうまく気づけない人は、他人の感情にも気づきにくくなります。「なんでわかってくれないの!」と怒らせることにも。というわけで、カラダの声を聞くことは、自分のカラダのためにも、心のためにも、コミュニケーションのためにも大切なのです。ただ、逆に、カラダの声に過敏になりすぎても問題が起きます。かえって体調不良になったり、情緒不安定になったり、人の気持ちを気にしすぎたり。適度なバランスが肝心です。
あなたは鈍感さん? 過敏さん? カラダからのサインへの感度をチェック!
HOW TO TEST
Q1~10の設問内容に、0~100%の中で自分が「これくらいだな」と思うところにチェックしてください。その後、3つの%の範囲(0~40%、41~60%、61~100%)に当てはまるQの数を数えてください。一番多くなった%の範囲があなたのタイプです。
※(同数の場合は、0~40%→61~100%→41~60%の順に優先。たとえば「0~40%」「61~100%」が同数の場合、結果は「0~40%」ということです)
Q1. 洋服のタグや生地のチクチクが気になる。
Q2. 感情を表さないクールな人は苦手だ。
Q3. 季節の変わり目に「暑い」とか「寒い」とかみんなより先に言い出すほうだ。
Q4. 人が目の前で恥をかくと、自分まではずかしくなる。
Q5. すぐにお腹が減ったり、疲れたり、眠くなったりする。
Q6. ドラマや映画の主人公に感情移入しやすい。
Q7. 体をしめつける服が苦手だ。
Q8. 知識や技術を身につけるための本より、ワクワク、ドキドキする物語のほうが好き。
Q9. 相手によって自分のキャラをかなり変えている。
Q10. 背中など、見えないところに吹き出物ができてもすぐに気づく。
診断
0~40%が一番多かったあなたは…カラダのサインに“鈍感”さん
カラダの声を無視して無理をしがち。感情も停滞気味。
あなたはカラダの声にちゃんと耳を傾けられていないようです。風邪をひいてから、カラダが冷えていたことに気づいたりしませんか? 忙しくても無理がきいたり、疲れを感じにくかったり、それはカラダが丈夫なためではなく、カラダの悲鳴を無視してしまっているせいかもしれません。また、誰かを好きになっても、そのことに自分で気づかないというようなことも起きてきます。さらには、相手の気持ちにも気づきにくくなります。カラダの声に耳を傾けることが、自分のカラダや感情を大切にすることになり、人間関係も改善させることに。
【バランスキープのためのアドバイス】
カラダの声への感度を上げるためには、まずはいろんな場面を想像して、そのときのカラダの温度変化を感じてみましょう。恐怖に直面した場面でカラダが冷えるような感じがあるか、怒りの場面でカラダが熱くなるのを感じるか、好きな人と会った場面で鼓動が速くなるのを感じるかどうか。想像だけでなく、実際の場面でも、自分のカラダの変化に注意を向けてみてください。最初はあまり変化を感じなくても、意識を向けていれば、少しずつわかるようになってきます。それがカラダの声を聞けるようになってきたということです。
41~60%が一番多かったあなたは…カラダのサインに“適度”さん
健康で、感情豊かで、自分とも他人ともつきあい上手。
あなたはカラダの声に鈍感でも過敏でもなく、ちょうどよく聞き取ることができています。ストレスや疲れが溜まれば、すぐに自覚できますし、回復すれば、それもすぐ感じ取れます。そのため、不調が少なく、健康を保てます。感情も豊かで、愛情も豊かで、物事に深く感動できます。他人の気持ちも察することができ、「何も言わなくてもわかってくれて嬉しい」と感激されることも多いでしょう。共感力も高く、周囲の人があなたには心を開いてくれます。適度な対応ができるので、相手も心地よく感じますし、あなたも人間関係の疲れが少ないでしょう。
【バランスキープのためのアドバイス】
今はバランスの良い状態で、何事もなければそれを維持できます。でも、環境に大きな変化があると、バランスも乱れてしまうことがあります。たとえば病気にかかると、どうしてもカラダのサインに過敏になります。また、人間関係の大きなトラブルが発生すれば、感情が乱れ、カラダの声もうまく聞き取れなくなるでしょう。そんなときは、あせらず、日常生活を整えましょう。睡眠、食事、運動という、生きる基本のリズムを大切にしましょう。また、自分を理解してくれる人とのコミュニケーションは、バランスを回復させてくれます。
61~100%が一番多かったあなたは…カラダのサインに“過敏”さん
カラダの声が聞こえすぎて、体調が乱れてしまいがち。
あなたはカラダの声に耳を傾けすぎて、過敏な状態になってしまっています。すぐに胃が痛くなったり、お腹をこわしたり、体調不良になることが多いのは、あなたのカラダが弱いからでなく、カラダの変化に対して過敏になりすぎているせいかもしれません。体調不良になると、ますますカラダの声に耳をすましてしまうので、悪循環です。情緒不安定になったり、おどおどしやすかったり、他人からどう思われているかが気になりすぎるのも、じつは同じ原因です。もう少しだけカラダの声に鈍感になったほうが、かえってカラダにも良く、心も安定します。
【バランスキープのためのアドバイス】
過敏になっているのを和らげるには、少し荒療治が必要です。たとえば冷たい飲み物を飲むと必ずお腹が痛くなるとしたら、冷たい飲み物は避けるようにしているでしょう。でも、あえてそれを一口だけ飲んでみるのです。そして、お腹をこわさないことを確認します。そうしたら、次の日には、今度は二口飲んでみます。というふうに、だんだんカラダを慣らして、大きな非常ベルが鳴らないようにするのです。勇気がいりますし、お腹をこわすこともあるかもしれませんし、時間もかかりますが、段階的に少しずつ克服していきましょう。
津田秀樹さん 心理テスト研究家。『傷つかない&傷つけない会話術』(マガジンハウス、共著)、『迷いがなくなる心理学 人生のサンタク』(PHP研究所)、『会話の9割は「言いかえ力」でうまくいく』(アスコム、共著)など著書多数。
※『anan』2023年2月8日号より。テスト作成・津田秀樹 イラスト・伊藤ハムスター
(by anan編集部)