皿に浮かぶ真っ白な雲。「軽い口あたりが好きで、軽さのイメージから雲になりました」。そうはにかむのは『マンダリン オリエンタル 東京』新エグゼクティブペストリーシェフ、ステファン・トランシェさん。なんて大胆で愛おしいイマジネーション!
ステファンさんが就任すると、彼らしい繊細なタッチで、軽やかかつ斬新に再構築されたサントノーレはじめ、ショップのお菓子はガラリと変わった。ショーケースでとりわけ目を引く「KUMO」は彼の新たなシグネチャー。
もくもくした見た目からは、硬いか柔らかいかさえ想像つかないけれど、フォークを当てるとパリッと繊細に砕ける。ホワイトチョコの極薄殻の中は期待を裏切らないフワッフワのムースで、幼い頃の雲を食べたい願望が叶った気分。
「このムースを作るにはクリームを温めて、専用の機械で高速撹拌するんです」。ムースを超えたエアリーな雲ムース、その儚い口どけと裏腹に味わいはくっきり。和栗とフランス栗のムースに栗の生地、和栗のマロンクリーム、さらにイタリアの焼き栗もちりばめてクリグリしく。一口の中に世界の栗の個性が重なり、豊穣の香りがホックリと押し寄せる。夢のようなフォルムと口どけ、そして味わい、天にも昇る気持ちとはこのこと!
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