iriさん

昨年は初の日本武道館公演に、ドラマ『わかっていても the shapes of love』の主題歌「Faster than me」のリリースなど精力的な活動が話題となったiriさん。約2年ぶりのパッケージとなるEP『Seek』は3月に配信された「Butterfly」をはじめ、“新たな旅立ち”をテーマに制作された。

自分のなかで新しい風が吹いている感じです。

「このEPを作り始めた昨年末ごろから、いろんな出会いやレーベルの移籍などもあり、自分のなかで新しい風が吹いている感じでした。その新たな発見やときめきを音楽にできたらと思い、『Butterfly』では東京の街を散歩しながら、春が近づいてくる感じを歌詞にしました。ローファイなサウンドをリラックスして聴いてもらえたらいいな」

「river」は新進気鋭のプロデューサー、Kota Matsukawa氏がトラックを手掛け、iriさんの温かな歌声に子供たちのコーラスワークが加わって神聖な清々しさを放っている。

「自分の曲に子供の声を入れるのも、今やりたいことのひとつでした。スタジオに10人くらいのお子さんたちに来ていただいたんですが、みんな一生懸命に曲のニュアンスを感じ取ってくれて、すごくエネルギーをもらったし、感動しました」

新しい出会いと手法で生まれた今作。制作中にはNYにも訪れた。

「NYには2週間ほど行っていたんですけど、コロナ禍以降、久しぶりに外の世界に出たような興奮がありました。昨年ハナレグミの永積(崇)さんとご一緒させていただいたことも大きかったです。同じミュージシャンの先輩として、いろんなヒントをもらったことで、少しずつ自分のなかで何かが動き始めて、外に出る気力が湧いてきました」

iriさんにとっての新しい季節の始まりを告げる今作。ハイセンスでありながら、温かさや柔らかさを感じさせるものに仕上がっている。

「作った曲は全て地元の逗子で聴いてみることにしているんです。私が作る音楽は誰かにとって『帰ってこられる場所』でありたいなと思うから。もっと派手なことや自分を主張する曲を作ったらかっこいいだろうけど、それをやるとみんなに音楽を聴いてもらう目的が変わっちゃう。iriの音楽は誰かにとってのお薬みたいに、聴くとちょっと楽になれるものでありたいんですよね」

Profile

iriさん

イリ 2016年にメジャーデビューしたシンガーソングライター。’24年、ドラマ『スカイキャッスル』の主題歌に「Swamp」が抜擢され、話題を集めた。6月から全国ホールツアーが開催される。

EP『Seek』

Information

3月に配信リリースされた「Butterfly」をはじめ国内外で活躍するクリエイターたちと紡いだ全4曲。春の穏やかさと切なさをiriらしいビート感で表現。¥2,200(ソニーミュージック)

ニットトップス¥59,400(ディーベック/グローブライド TEL:0120・506・204) パンツ¥19,800(ロドリリオン/ネペンテス ウーマン トウキョウ TEL:03・5962・7721)

写真・小林真梨子 スタイリスト・服部昌孝 取材、文・上野三樹

anan2447号(2025年5月21日発売)より
Check!

No.2447掲載

人間関係の距離感。

2025年05月21日発売

私たちにとって永遠のテーマである人間関係、そして距離感。その最適解を探る特集です。みんなが日頃心掛けていることや起こりがちなトラブルをピックアップし、近づく、遠ざける、職場でスムーズな関係をキープする、といった方策を距離感ごとに探ります。解散コンサートを控えたユニット・Chi☆Qの時代を駆け抜ける煌びやかな特写のほか、BE:FIRSTのSHUNTOさん、timeleszの猪俣周杜さんのCLOSE UPを掲載。

Share

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line

Today's Koyomi

今日の暦
2025.5.
26
MON
  • 六曜

    友引

チームや家族などの中で意見が分かれたり、行動がバラバラになったりするのを防ぐ意味の日です。服でも糸のほつれを見逃していると、いつの間にか傷みが広がってしまいますよね。そういうことが人間関係や仕事などで起きないように用心し、たとえ何か問題が起きても早めに対処する。それで大事に至らずに済むはずです。

Movie

ムービー

Regulars

連載