山﨑福也「北海道に降り立つと、『ああ、帰ってきたな』と安心するんです」
北海道日本ハムファイターズに移籍して2年目のシーズンを迎えようとしている山﨑福也投手。オリックス・バファローズで活躍した実績を携えて移籍し大きな期待がかかるなか、昨シーズンはそのプレッシャーをはねのけるような安定した活躍で2桁勝利を達成した。すでにチームメイトたちからの信頼も厚く、新天地にすっかり馴染んでいるようだ。
「やっぱり、移籍は勇気のいることでした。個人としてもう一段レベルアップするために決断してよかったと思っています。ファイターズにはもともと顔見知りの選手も多かったし、すぐにチームに溶け込めましたね。移籍する前も1年プレーした今も、明るくて自由なチームという印象は変わりません。プロ野球という厳しい世界ですけど、純粋に野球を楽しめる環境です」
どのチームにもいいところがあるし、自分がやるべきことは同じと言いつつも、北海道という土地への特別な思いをのぞかせる。
「子どもの頃に北海道の病院で手術を受けたので、自分にとって縁のあるところです。出身は関東なのに、どうしてか新千歳空港に降り立つたびに『ああ、帰ってきたな』という気持ちになるんです。自分でも不思議なんですけど。もちろん、本拠地のエスコンフィールドも素晴らしいですよ。選手用のロッカールームなんかも広くて圧迫感がないし、すごく使いやすい。コンコースの飲食店も充実していますよね。自分はまだ味わったことがないのですが、どの店も美味しいってよく聞きます。ファンにとっても快適で、楽しみがたくさん詰まった球場なので、ぜひ試合を観に足を運んでほしいです」
野球のことばかり考える日々で、オフシーズンにも遊びに行くことはほとんどないというけれど、もしも今回一緒に登場したチームメイト(※)のなかで誰かと旅行するなら?
「え、一緒に旅行? そうですね、誰とでもいいですけど、1人だけ選ぶなら裕涼(田宮選手)かな。なんか可愛らしくないですか? 普段から弟のように接しているので、旅先でもごはんに連れていって、美味しいものをたくさん食べさせてあげたいです」
ここに登場する5人の中で最年長ながら(※)、プロ野球界きっての美肌の持ち主で、美容への意識が高いことで知られる。屋外での練習や試合も多いなか、日頃はどんなケアをして美肌を保っているのだろうか。
「いえいえ、あんまり自信ないですよ。美容を意識したきっかけは、オリックス時代の先輩だった金子千尋さん。プロ入りして、清潔感のある先輩がたくさんいることにまず驚いたんですけど、なかでも千尋さんは格別でした。思わず見つめちゃうくらい肌がきれいで、自分もこうなりたいなと思いました。最近のルーティンは、塗るだけじゃなくて内服タイプの日焼け止めを飲むこと。寝る前のスキンケアは3種類くらい使っています。年齢も30歳を越えたので、いろいろ頑張らないといけないですね」
あらためて今シーズンに向けた目標を。
「チームの優勝と個人でのキャリアハイを目指しつつ、心から野球を楽しみたいです。新庄(剛志)監督も『楽しめ』と言っていますよね。プロの厳しさはもちろんありますが、小さな頃、野球を好きでやっていた気持ちは自分の原点。それをもう一度思い出したいです」
※山﨑福也投手、松本 剛選手、伊藤大海投手、水谷 瞬選手、田宮裕涼選手
PROFILE プロフィール

山﨑福也
やまさき・さちや 1992年9月9日生まれ、埼玉県出身。背番号18。2023年に国内FA権を取得しオリックス・バファローズから移籍。先発ローテーションの一角を担い、2桁勝利の10勝を挙げた。
写真・森山将人(TRIVAL) スタイリスト・藤長祥平 ヘア&メイク・北 一騎(Permanent) 山川 芽(yayan) 首藤多佳子(eclat) 取材、文・黒澤 彩
anan2440号(2025年3月26日発売)より