ホラーゲーム実況者、オダケン「とにかく楽しんでもらいたいという気持ちで8年前から動画を上げ続けています」

エンタメ
2024.10.21
ホラーを愛し愛される。爽やかスクリーマー。人気実況者のオダケンさんに注目します。

みんなと怖さを共有することで生まれる楽しさを。

オダケン

ホラーゲーム実況者、オダケンさん。国内外問わず、まだ誰も手をつけていないインディーゲームを中心に取り上げているYouTubeのチャンネル登録者数は105万人超。軽快なトークに加え、時に怖すぎて絶叫するオダケンさんの実況動画の魅力は一緒の部屋にいるようなフレンドリーな一体感だ。

「ゲームにハマり始めたのは小学校1年生頃。同級生にあまり馴染めず、友達と対戦ゲームができなくて。でも家族とは仲が良くて、姉がゲームをやっているのを横で見てて魅力に気付きました。YouTubeのチャンネルを開設したのは、自分と同じような孤独感を味わっている人に、一人でもゲームを楽しんでほしかったから。だから初期は毎回冒頭で『今回も楽しいゲームを一緒にやっていこうぜ』と挨拶をしていました。僕が始めた当時は、国内でインディーホラーゲームをメインで活動してる方があまりいなかったので、それなら国内外のホラーゲームをメインに本気で怖がるっていう方向性でやろうと思いました。家族でホラーゲームをやっていた時の一体感が忘れられなかったのも大きいです。一人で食事をするよりみんなと食べる方が美味しさを共有できて楽しいのと一緒で、ホラーゲームも怖いところを共有できる方が楽しい。ちなみに海外の研究では、勇気を出してホラーを体験すると、ひとつ壁を乗り越えられたことで幸福度が上がったり、メンタルが安定するらしいんですよね。絶叫マシンにもそういう面があるのかなと。だからホラーゲームで絶叫することはストレス発散に繋がるんだなと思いました」

チャンネル開設から約2年後、一気に登録者数が増えたのは当時世界で誰も実況をしていなかった『Death Trips』をプレイしたことがきっかけ。

「ホラーゲームにハードルの高さを感じる人もいると思うんですが、『Death Trips』は幽霊が襲ってきたら植木とかにつまずいて転ぶので笑えるんです。ギャップが斬新でした。ホラーゲームってそうやって進化していて。他にも『GOHOME』というゲームはお化けが襲ってくる時、徒競走のBGMによく使われている『クシコスポスト』が流れる。これも笑えるギャップのうちのひとつですよね。あと、最近ハッピーエンドのホラーゲームが増えてきました。泣けたり、笑えたり、幸せを感じられたり、昔からホラー映画でもあるストーリー展開などが取り入れられてきていて、どんどん多様化していますね。SNSを題材にしたホラーゲームも多く出ています」

これまで数えきれないほどのゲームをプレイしてきたオダケンさん。特に印象に残っている作品とは。

「難しい質問ですね(笑)。配信の中だと数えきれないですが、あえて選ぶとすればホラーゲームの『写るんです』です。ホラーゲーム業界で一世を風靡した作品『恐怖の森』作者のKazzさんの新作なのですが、呪われた山に足を踏み入れてしまった女子学生の主人公を“生きたまま”脱出させるのが目標の無料ゲームで、とある条件の下でゲームクリアをすると見られるトゥルーエンディングを目指した時のあの恐怖体験は死ぬまで忘れないです(笑)。あと『GOHOME』『ぴえん』『夜勤事件』なども新たなホラーゲームの可能性があると個人的に印象に残っています。ちなみに一番怖かったゲームも『写るんです』です。作者のKazzさんは人間が恐怖を感じるポイントを本当にわかっているなと。ホラーゲームって独特の中毒性があるんですよね。廊下の明かりが徐々に消えていく中で、遠くに見えていた幽霊が近づいてくるような怖さとかって、1人で体験してもみんなと体験しても忘れられない思い出になる。例えば子供の頃に見た『ほん怖』や、『クレヨンしんちゃん』の怖い回とかも、ある種良い思い出として残っていると思うんですよね。だから、僕の動画を見た子供が大人になった時に『あの動画が怖かった』って話題にして、『私もあれ見た』っていうふうに会話が広がっていったら素敵だなって。そのためにとにかく楽しんでもらいたいという気持ちで8年前から動画を上げ続けています。今は開設して9年目なので、初期の頃に見てくれていた子供が大人になります。僕の動画が忘れられない思い出として残ってくれていたら嬉しいですね」

オダケン

オダケン ホラーゲーム実況を中心に、ピアノ演奏までマルチにこなす動画クリエイター。軽快なトークが持ち味で、楽しく実況中。2016年に開設したYouTubeチャンネルの登録者数は105万人超。愛犬メイちゃんとの実写動画もマイペースに更新している。

※『anan』2024年10月23日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・潮 良子(The VOICE) 取材、文・小松香里

(by anan編集部)

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