
注目のお笑いコンビに迫る不定期連載「ふたりコレクション」。第2回は、高校の同級生同士でコンビを結成し、大阪で実力を磨いてきたフースーヤ。独自のギャグ漫才の形を追求し続けるおふたりの、15年続く関係性について伺いました。
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結成10年目の同級生コンビ、フースーヤ。昨年『NHK上方漫才コンテスト』で優勝し、今年は『ytv漫才新人賞決定戦』で悲願の優勝。賞レースの実績もさることながら、お笑いライブでの盛り上げ力も第一線の、いま注目のコンビです。
不定期連載「ふたりコレクション」バックナンバー
Profile

フースーヤ
ふーすーや 1993年7月10日生まれ、兵庫県出身の田中ショータイム(たなか・しょーたいむ・写真左)と、1993年5月1日生まれ、兵庫県出身の谷口理(たにぐち・おさむ)によるお笑いコンビ。カベポスター、天才ピアニストとMCを務める『ワチャラチャ忍忍』(サンテレビ)、OBCラジオ大阪×ライブ配信アプリ「ミクチャ」のコラボラジオ番組『サクラバシ919』が好評放送中。今年9月には初エッセイ、『同☆究☆生~ブレないふたりのプチモアイ~』(KADOKAWA)を発売した。
トイレでコンビ結成を約束した高校時代と、毎日一緒の大学時代
── おふたりの出会いは高校時代。最初のお互いの印象を教えてください。
谷口 僕らの高校は、サッカー部が権力を持ってる高校で、部員数もすごい多くて。カーストがめちゃくちゃ強いんですよ。ショータイムはその中でも目立ってて、面白いって聞いてたんで、サッカー部の中でそう言われるってすごいなと思いつつも、なんかまあまあ、うーん。うるせえやつだなという(笑)同族嫌悪はありました。
田中 ふふ。うるせえやつだと。
谷口 うる星やつらの単品バージョン。“うるせえやつだ” (笑)。
田中 僕は逆に、谷口が「俺芸人なりたい! 芸人なりたいねーん!」って騒いでたんで、さらに! “うるせえやつだ” と。谷口の2倍思ってました。 僕は “同族嫌嫌悪” でした。
谷口 2年生から選択授業で一緒になって仲良くなるんですけど、最初からクラスが一緒やったら、めっちゃスタートダッシュして仲良かったと思います。
田中 間違いないな。
谷口 だけど、サッカー部は入学前から練習してたりで、仲が出来上がってるんですよ。廊下で溜まってたり、サッカー部以外からしたら最初の印象めっちゃよくないんです。
田中 めちゃくちゃ嫌われてました(笑)。
── 選択授業で出会えて良かったです(笑)。仲良くなってから、高校在学中に早くもコンビ結成の約束をされたそうですが、場所がトイレだったとか。
田中 僕が谷口をトイレにぶち込んで。
谷口 「芸人なりたいって言ってるらしいな? 俺もなりたいから組んでくれへん?」って言われました。
── それはふたつ返事だったんでしょうか?
谷口 そうっすね。
田中 そうっすよ。ほんまに、びっくりしました。逆に「えっ。えっ、えっ? いいん? いいんや!」みたいな。
谷口 ぬはは。お前もそれなりの覚悟で言ってきてくれてるわけやもんな。ゆうたら告白ぐらいの感じやもんな。
田中 そうそうそうそう。なんかその時に、俺もよくわからんかったんですけど、落ち着いてふたりきりで喋れるところって考えた時にトイレしか思い浮かばんくて。
谷口 中庭とかいっぱいあったんですけどね。トイレの一番奥に連れ込まれて。
田中 ふふ。僕らの始まりはトイレからです。
── 結成した瞬間の会話を聞けた、ラッキーな方がいたかもしれないですね。
谷口 確かにトイレの一番奥に連れ込まれた時、他にも人いた気がするんで。
田中 トイレしてたら「えっ! コンビ組むって言い出した。何この展開!」って聞いてたやつがいるかもしれない。
谷口 出るに出られへんやつがおったかもしれないですね。
── 組もう! となったあと、どうやって(トイレから)戻られたんですか? 若干気まずさだったり恥ずかしさも?
谷口 ぐわーはっはっは(手を叩いて笑う)! でも、「組もう」って言って手組んで、「よろしくな」の次のセリフが、「ミュージシャンとかタレントも目指してるからよろしくね」だったんで、なんて不安定なやつなんやと。
田中 その時の谷口の反応もなんとなく覚えてて、「おぉぉ、おぉ?」って。
谷口 そりゃ不安やろ。めちゃくちゃ不安やもん。でもふたりで大学生活は楽しもなって言いながら戻りました。
田中 大学は普通に楽しみたいし、バイトとか遊んだりしながらいろんな見聞広げられるし、いいんちゃう? っていうことで。高卒でこのままいくぞー! とかじゃなくて、なんか冷静でした。
谷口 確かに、いきなり冷静(笑)。

── そして、そのまま同じ大学に進学と。今のおふたりの雰囲気を見ていて、大学生活を楽しんだことが、良い影響を与えている気もしました。
谷口 ほんまにこれは大正解やったと思います。ふたりの仲を深めるのにも。お正月以外はずっと一緒にいたんで。
田中 行きの道から帰りの道まで一緒やったもんな。懐かしいな。
谷口 バイク乗って、わざわざ道路で待ってましたからね。お互い。夜中も海行って恋バナとかもしましたし。
田中 バイク乗ってね。須磨海岸まで行って。
谷口 そんなんの積み重ねで築き上げたものはあります。でも、こいつが一回裏切りというか。
田中 裏切り?
谷口 バイクでふたりであっちこっち行ってたんですけど。
田中 ふはっ! もうええわそれ(笑)。
谷口 その日もバイクで移動してたら、後ろからヤンキーが来て僕らを煽るわけですよ。クラクション鳴らされたり、ペットボトル投げられたり。ショータイムが前を、僕が後ろを走ってたんですけど、ショータイムは信号を渡り切れて左折したんですよ。僕は信号が赤に変わってしまって渡り切れず、止まったらヤンキーが降りてきて、こっちに来て「なんやねんこらぁ!」みたいな。で、ちょっと押されたり、やられてたんですよ。その間ショータイムはずっとバイクを降りずに止まってて。ヤンキーが帰ったら、「大丈夫?」って来て(笑)。こいつ、いざという時助けてくれへんねやって、そのとき思いました。これから大事な時は頼らんとこう、と(笑)
田中 (困り顔で) 怖かったんですよ。めっちゃ怖くて。
谷口 (机を叩きながら)はっはっは。
田中 ミラー越しに見ながら、やばいやばいやばい。怖い怖い怖いってなって。
谷口 あっはっはっはっはっは。
田中 もしも僕が行こうもんなら、ふたりともボコボコにされて全滅というパターンが一番やばいと思って。さすがに逃げたら終わりやけど、見てることしかできへん。
谷口 確かに。俺がボコボコなった後に助ける人がいるから。その時は「もうちょいはよ来いよ」って言いましたね。
田中 「ごめん、怖くて体動かんかってん」って言いました(笑)。
谷口 で、その後普通にふたりで海に行きました(笑)。

高校2年生で友達になって、15年目のおふたり。改めて、お互いを他己紹介するなら?

田中 15年も経ってんねや! 怖いわ! 恐ろしいよ。
谷口 まじで、家族の次ですもんね。
田中 そうっすね、やっぱり、僕はお寿司で食べるんが一番好きですね。
谷口 タコ紹介せんでええ。ほんまのタコちゃうねん。
田中 あそうか。でも、精神的支柱と言いますか。なんかしんどいなと思うことがあったりとか、気分落ちてたり、嫌なことがあっても、仕事は毎日やってくるんで。強制的に谷口と会うことになるんですけど、会って漫才しようもんなら、それでリセットされるというか。谷口と漫才やってたら気持ちが安定するというか。僕らの漫才の内容的に、どっちかがちょっとでも病んでたら、絶対おもんなくなると思うんで(笑)。
谷口 確かに。
田中 絶対楽しい空気を見せないといけないし。自分らが楽しいと思える漫才をやってるんで。今日しんどいなと思っても、「おはよう」って谷口の顔見た時に、ちゃんとせなとも思うし。いつもバイタルが安定しているというか。
谷口 はっはっはっは。確かに。
田中 当たり前やからそんなに深くは考えてなかったですけど、精神的支えにはなってる感じがしますね。頭もすごい切れる方なんで、彼は。

ボケ担当の谷口さん(写真右)。穏やかでフラットな性格ながら、持ち前のパワフルな明るさで周囲を照らす。
── 谷口さんはどうですか?
谷口 そうっすね。もう、なんとかかんとか、早くひとりで売れたいなっていう感じですね。あの手この手で、ひとりで売れられたら。
田中 えっ! え! えっえっえ? すんません、なんかテキーラみたいなんありますか?
谷口 (笑)ショータイムは “天性の愛され“だなと思いますね。先輩後輩社員さん、わからんけど、例えば最寄りのキオスクの店員さんとかでさえ、もちろんファンの方も。全ての人間から愛される人間やと思いますんで。明るさとか可愛げがある。横で見てて、僕も可愛らしいやつやなと思うことあるし、すごいなと思います。誰とでも仲良くなれる。でも、スタートダッシュは、実はこいつ人見知りなんで。例えば喋ったことない人との会話一発目は、なんかいつも出ない(笑)。初めて共演する人とかも、僕が「こないだのあれ見てめっちゃおもろかったんすよ」とか言って、そっからこいつがスーっと入ってきたりするんですよ。
田中 うはは!

ノリ担当の田中さん(写真左)。天性の明るさで盛り上げ力を発揮しつつ、情深く、涙もろい一面も。
── おふたりが仲良くされているコミュニティに違いはあったりしますか?
谷口 僕ら、根が明るくても、僕の方がちょっとだけ陰入ってるんですよ。休みの日にずっとゲームしたかったり。そういうちょっと違う部分もあって、コミュニティも違ったりするかもしれないですね。
── 谷口さんは狭く深くタイプですか?
谷口 僕はどちらかと言えばそうですね。暗いとかではないんですけど。
田中 いやでもそれで言ったら、僕も暗い部分もあると思ってて。陰も結構ね。だから、先輩とかからたまに見抜かれたりするんですよね。「お前実は陰もあるだろ」って。
谷口 確かにちょっと、年取って陰増えてきたな? ハッハッハ。
田中 考えることが多くなるというか。大学の時はなんも考えず、アホみたいに遊んでましたけど、大人になって考えさせられることも多い。自分にはこれができへん、これができるっていうのがどんどんわかってくるというか。で、昔は無理して明るくしてた部分もあったけど、そこは別にいらんなあって。僕はこういう人間。陰もある。でも、明るい。それを受け入れ出して、大人になるにつれてどんどんありのままの自分になってきてる気がします。
谷口 確かに。楽屋とか最近、どっちかというとショータイムはひとりで動画見てたりとか。もちろん喋ってもいますけど。僕とかはずーっと喋りに行ったりしてるんで。なんか別に、無理せず好きにしてるんやなとは思いますね。
田中 あんま気つかってないというか。喋る時は俺もめっちゃ喋りますし。でもゲームしたい時はゲームしたい。動画見たい時は動画見たい。
谷口 うん、そうやな。
田中 逆に谷口の方は、夜みんなと飲みにいくとかがないんで。そこで(楽屋)コミュニケーションとってるみたいな。
谷口 それはあるな。僕本当に24時過ぎたら全てのスイッチが切れるんすよ。百貨店の完全閉店時間みたいな。僕、百貨店なんですよ。
田中 体内に、『蛍の光』が流れてな。
谷口 そうそう。退店時間みたいなんがあって。昔もふたりでネタ合わせしようとしても、24時過ぎたらブゥーン…って何にも思いつかんくなるんです。これは効率悪いなって言って、やめたんですけど。
田中 23時58分、59分までギャグ考えてても、ほんまに急に切れるんです。
谷口 ショータイムは夜強いってのがあるからな。僕も1年目2年目くらいまでは頑張って飲み会に行ってたんですけど、 “1軒だけで絶対終わらへんやん” とか、 “みんな酔っ払って同じ話しかせえへんやん” とか、飲み会の真実を知ってしまって行かなくなりましたね。お酒が弱いというのもあって。カシスオレンジと白ごはんをずっと食べてたり。
田中 めちゃくちゃ気持ち悪い組み合わせですよ。
谷口 ビールのアルコールが5%やとして、カシスオレンジが2%やとしたら、みんなが1杯目の時3杯飲んだら6%なんですよ。だから俺は、ビールのやつに負けてないよという(笑)。ただ、みんなが2杯飲んだら僕は6杯飲まなあかんくなる。
田中 そんな単純な足し算ちゃうねん。プレッシャーなるて。その計算、自分の首絞める(笑)



結成10年目。いま感じる、フースーヤの魅力は?
── (笑)そういう違う面も持ち合わせている中で、コンビとしてフースーヤのおふたりが揃った時に、どういった魅力があると思われますか?
谷口 ふたりともネアカの部分はあるんで、そこは、足し算どころか掛け算で、とんでもないところまで行きつつ、お互いの陰と陽の部分でちょっとニュアンスが変わったり。ネタはもちろん、ライブのコーナーとか人間性がわかる時に、面白い部分が見えるんかなと思います。
── まさにおふたりの平場力もお伺いしたかったです。ライブのコーナでも大活躍されていますが、コーナーをコンビで盛り上げよう! みたいな共通認識はありますか?
田中 このコーナーをなんとかしたろ! みたいなのはなくて、シンプルな感情で、ウケたいだけです。どんな状況でも果敢に前出て、笑いとって、かっこいい姿を見せて、ファン増やしたんねん! っていう、純粋な野望だけで動いてます。ただウケたい! 目立ちたい! 正直昔と何も変わってません。
谷口 うはははは。そうやなあ。
── 盛り上げてくれるので、お客さんも純粋に楽しいし、嬉しいですよね。
谷口 ラッキー!ぐらいの。きゅうりのキューちゃんがついてる感じですよ(笑)
田中 ちょっとでも食べたいしな。
谷口 そう。もし、他の白ごはんさんのファンで、白ごはんさんを見にきたけど、フースーヤ的なキューちゃんがついてたら、ラッキーやな、みたいな。

── 芸歴1年目にギャグでブレイクし、東京の色々な番組に出演。東京進出が浮かんだこともありながら、大阪で活動し続けてこられましたよね。大阪での経験の中で、一番自信になっていることはなんでしょうか。
谷口・田中 (おふたりとも悩んで)うわあええぇ、なえぇ…。
谷口 でも、僕は確かにそれでいうと平場になってくるのかなあ。おもろい人が多いから、ここで揉まれたら絶対おもろなるやろな、みたいなのがあったかなぁ。で、結局ロングコートダディさん、見取り図さん、アインシュタインさん、ニッポンの社長さん、みんないたんで。そういう人らに放り込まれたからこそ、培われたのかなとは思いますね。
田中 大喜利とかモノボケとかの技術を盗ませていただいた気はしますね。あと個人的には、大阪で僕しか今やってないと思うんですけど、ノリツッコミ。
谷口 確かに。正直、今の時代に、まっすぐノリツッコミする人っていないんですよね。
田中 ヘンダーソンの中村フーさんが大阪にいらっしゃる時は、フーさんとやってたんですけど、今はもう東京行っちゃったんで。ノリツッコミってめっちゃおもろいじゃないですか。ノリツッコミするの、頭おかしいじゃないですか。一回乗る意味ないのに、一個無駄な手順を踏んでやってるっていう。無駄こそ、美しいというか(笑)。
谷口 確かにな。フースーヤのネタも結局そこなんで(笑)。
── ネタをどのように作っているかは企業秘密でしょうか。メモは使われますか?
谷口 メモは使います。忘れちゃいけないんで、爪で皮膚とかに血肉でメモして。だから、まだこの辺とかに(脇腹を指しながら)1年目の時のネタとか、書いてあると思います。
── やはり企業秘密ですね(笑)。おふたりは、ネタの伝わりやすさを調整する作業をされてきたタイプでしょうか?
谷口 意外と、お客さんがついてきてくれてるんかな、という気もしますね。M-1とかSNSとかで、皆さんに改めてネタを見てもらえる機会が増えて、見方がわかってきたのかなと。もちろん、進化はしてると思いますけど、実はそんなに変えたりはしていなくて。
田中 ギャグの中に歌ネタとかもありますけど、単純に歌は上手なってきてると思います。
谷口 ここで、ミュージシャン、ショータイムが生きてくるわけですね。
田中 歌が上手なってるから、より笑えるようになってるという。あとは、大人になってきて、顔とか動きの表現の幅とかが増えてたり、細かいテクニックが少しずつ向上してるのではないかと思います。やってることは変わらないので。
谷口 吉本の「万博盆踊り」(編注:大阪万博の吉本パビリオンで行われていた、一般のお客さんのカラオケに合わせて芸人が3時間盆踊りを踊るという催し)のおかげの可能性もあります。あれで喉が鍛えられて、だいぶ歌唱力が上がった。
田中 リズム感もな? 盆踊り様様というか。
谷口 あれはほんまに死人が出なかったのが不思議ですよ(笑)。
── お疲れ様でした(笑)。では、ネタの直後に変更点を加えたりなどの調整はするタイプでしょうか?
谷口 すぐに調整する時もありますけど、次に同じネタをするときに、「こないだのあそこ〇〇やったな」と話したりもします。でも、ある程度、どっかで「なんで伝わらへんのかな?」みたいな。「笑ってよ」と(笑)。
田中 「あそこウケんかったなあ」
谷口 「いやあれ伝わってないだけや」みたいな。ウハハハハ!
田中 「せやんな。だってあれ、おもろいもんなあ。場所変えてもっかいやってみようや」って。
谷口 意外とあんまり折れなかったりします。僕らは。
田中 いや、だってね? 絶対おもろいのに。
谷口 ふたりで大爆笑して「おもろーい!」ってなったやつが、ウケないわけないんで。ふっふっふ。
田中 だって、おかしいもん! そんなん。
谷口 そんなわけないんですよ。だから、調整したりもしますけど、意外とふたりとしては、まだいけるやろって感じです。

── 去年は『NHK上方漫才コンテスト』、今年は『ytv漫才新人賞決定戦』で優勝。おふたりのスタイルを貫いて、着実に賞レースのタイトルが増えていますが、それも自信になっていますか?
谷口 そうですね。あとは、漫才劇場で行われた、劇場を4分間真っ暗にして、その状態でネタをする『暗転-1グランプリ』準優勝というのもあります。それも書いておいてください。
田中 準優勝かい! 誇らしないわ全然。 “足音だけが面白い” と言われたやつ。
谷口 “足音が面白かった” って審査員に言われて。ネタとかどうでもいい(笑)。 あとは、大阪のおばちゃん50人が審査員を務める、『すっきゃねん大阪ネタバトル』。トップバッターで、9組勝ち抜いて優勝してます。
田中 トップバッターで優勝、これ、事実上中川家さん以来です。
谷口 令和ロマンの優勝より、多分先。
── 面白そうすぎるライブですね(笑)。 12月には、M-1グランプリが控えています。SNS上の決勝進出者予想で名前を拝見することもありますが、率直に、どういった気持ちになりますか?
谷口 ショータイムはあんま見いへんやろ?それ。
田中 見いへん。
谷口 Xをあんまり見ないんで。僕はそれ見てヨダレ垂らしながらお酒飲んでます。
田中 カシスオレンジ?
谷口 カシスオレンジ。嬉しいですね。そうやって言ってくれてんのは。プレッシャーとかはあんまないです。そうやって言ってくれたら、「よっしゃじゃあ頑張るでー!」って感じですね。気負いとかはないです。
田中 自分たちがおもろいと思ってる漫才をやるだけですね。
谷口 緊張はめっちゃあります。本番とか何回ションベン行くか。行ったのに、すぐまた行って。ネタ終わっても、進出者発表までの2.3日、めっちゃ気持ち悪いですもん。
田中 ずーっと、心臓を誰かに握られてる感じです。深く息ができない。何をやってても気が散ります。
谷口 でも予想してくれるんは嬉しいです。
田中 名前、挙がってんねや。ありがたいですね。
── 将来的に相方にやってみてほしいお仕事はありますか?
田中 ニッポンの社長の辻さんが、谷口がギャガーの中で一番トークうまいって言ってくれてたことがあるんですよ。僕もライブとかラジオの時に横で見てて、トークうまいなって思ってるんで、いっぱい芸能人とか芸人がおってトークする番組とか似合うなって。
谷口 喋るのは好きですね。『アメトーーク』の立ちトーークとか、行ってみたいです。喋ってみたい。
田中 めっちゃ似合うと思います。こないだも、モグライダーの芝さんに「いい声してるね! “芸人” って声だよ」って言われてました。笑っちゃう声というか。
谷口 ショータイムは、MステかカウントダウンTV、FNS歌謡祭ですね。
田中 そうやなあ。最近で言うとせいやさんが歌手デビューしたんで。
── ショータイムさんはファッションセンスも注目されていますが、将来的にはご自身のブランドなども?
谷口 そうやなあ。ゆくゆくは、絶対向いてると思いますね。
田中 今はお笑いの実力を伸ばして、お笑いで成果を出したいんですけど、例えばM-1とか優勝して、好きなことができるターンに入ったらやってみたいです。今は漫才が一番やらなあかんことなんで。他のことをやってる場合じゃないと思っちゃうんです。
── 高校時代に親しくなってから15年。芸人になって関係値も少しずつ変化してきた中で、今のおふたりの関係性を表すなら、ズバリなんでしょうか。
谷口 そうやなあ。… 割り箸?
田中 …タンパク質。僕のお笑いの筋肉を作ってくれる存在。僕を強くしてくれる存在。
谷口 ああいいね。僕は割り箸で、ずっとふたりで、2人3脚でくっついてね。頑張っていって頑張っていって、早くパキッと割れてひとりで売れたいです。
田中 あっかん。怪しいなと思ってん。あれ?割れるぞって。2本でひとつって意味やな、でもあれ? 割れてまうぞって。ほんまに割れちゃった。
谷口 あっはっはっはっっは!


インタビュー中も、息ぴったりの掛け合いでその場を明るくしてくださるフースーヤのおふたり。ありがとうございました!
Information

サクラバシ919
おふたりが金曜パーソナリティを務めるラジオ番組(OBCラジオ大阪)。 毎週金曜23時〜25時までの放送を担当中。おふたりの相性バッチリなトークと、突如始まるノリは必聴! ライブ配信・動画コミュニティアプリ、ミクチャでは、動画版も視聴可能。radikoでも聴くことができる。






























