注目のお笑いコンビの関係性に迫る不定期連載「ふたりコレクション」がスタート。記念すべき第1回は、ネタの面白さだけでなく、プライベート事件や賞レースでの立ち回りなど、話題に事欠かない金魚番長。エリート街道をひた走りつつ、なぜかナメられ続ける愛されキャラクターに迫ります。

Index

    NSCを主席で卒業し、芸歴5年目以下の芸人NO.1を決める賞レース『UNDER5AWARD2023』で優勝。昨年の『M-1グランプリ』敗者復活戦では、ちょんまげラーメン(旧・インディアンス)、マユリカとともにファイナル出場候補3組にも選ばれ、あと1歩のところまで迫った。6月には2年連続の『ABCお笑いグランプリ』決勝出場を果たすなど、今ノリに乗っているコンビです。

    Profile

    金魚番長

    きんぎょばんちょう 1994年09月12日生まれ、東京都出身の箕輪智征(みのわともゆき・写真左)と、1994年4月15日生まれ、東京都出身の古市勇介(ふるいち・ゆうすけ)によるお笑いコンビ。2018年のNSC在学時代にコンビを結成。名古屋公演からスタートした、自身初の東名阪単独ライブ『ぐちゃぐちゃ』のチケットは応募者多数で即完。TBSラジオの若手お笑い芸人発掘番組『マイナビLaughter Night(ラフターナイト)』で優勝を果たしてスタートした番組、TBS Podcast『金魚番長のデメキング』が好評配信中。

    結成して7年。お互いの一番面白いと思うところは?

    ── NSCでコンビを結成されてから各所で結果を残されているおふたり。結成された時から、今のように活躍できそうな感覚はありましたか?

    古市 生徒みんなが割と参加するNSCの夏合宿が8月にあったんですけど、昼間にネタ見せをして選ばれた12組くらいが夜、みんなの前でネタをするという機会があって、それに選ばれたんです。

    ── 何組中ですか?

    古市 100組くらいいたのかな?

    箕輪 多分そのくらいいました。

    古市 その中で選抜みたいなのに選ばれて、そこからNSCの授業とかも選抜授業に入れたり。5つの授業ぐらいの選抜に入ってて。選抜に結構入れたあたりから「あ、いけるのかな」と思い始めて、首席卒業も狙ってました。

    ── 芸人さんのエピソードで、NSCの授業をサボっていたというお話がよくありますが、おふたりはいかがですか?

    古市 めっちゃ行ってました。

    箕輪 恥ずかしいぐらい行ってましたね。

    古市 まじで唯一じゃないですかね。皆勤まではいかないけど、ダンスとか発声とかみんながサボるようなやつも、ほぼほぼ全部、真面目に行ってました。

    ── 「真面目さ」という共通点がたまたまあって、良かったですね。

    古市 あー、確かに。でも別に相方が休んでも何も思わなかったと思います。休んでなかったですけど。休みたいって言われても「あー、OK」って感じで、僕はそのまま出てたと思います。

    箕輪 まあ一緒っすね。ネタはふたりとも休むことがほぼなかったんで。行けなかった時は、わざわざ別のクラスに振り替えて行ったりもしてました。NSCって結構同じクラスのやつだけが笑ってるみたいな内輪ノリになっちゃったりして、他のクラスに行ったらアウェイになるんですよ。だから今思えば色んなクラスに出てたのはめっちゃ良かったなと思います。

    ── ちなみに金魚番長さんと同じように出席されていた同期はいらっしゃいますか?

    古市 イチゴのイクトは、いたイメージです。経験者や大学お笑いをやってた人は合宿に来ないことも多いんですよ。めっちゃお金かかるんで。でもイクトは結構来てましたね。真面目なやつなんで。木原はあんまりいなかったですけど。

    箕輪 引きこもり体質なんで(笑)狛犬の坂口トラックとかも同じクラスで、いましたね。

    ── 同期の4組(金魚番長・ゼロカラン・イチゴ・狛犬)による人気ライブ『24人の侍』も毎月やられていて、金魚番長さんが2年連続ABCお笑いグランプリ決勝進出、ゼロカランさんがダブルインパクト準決勝進出と、勢いが。さらにこのメンバーが盛り上がったらやってみたいことはありますか?

    箕輪 地方とか行きたいかもしれないですね。他の場所でツアーとか何かしらやってみたいです。24期って元々はそんなにまとまってない感じだったんですけど。

    古市 それはありましたね。各々で頑張ってる、みたいな(笑)

    箕輪 それが今、この4組の同期ライブはかなりいい感じになっていて、すごい良い期になってる感じがしてます。

    ── おふたりとも、早くから数々の結果を残して実力を認められながらも、プライベートでみんなを仕切るぞ!というタイプではない印象を受けています。

    古市 それはないですね。

    箕輪 全然ないですね。

    ── それは元々のおふたりの性格ですか? 幼少期からそうだったのでしょうか?

    古市 小さい時からですね(笑)明らかに仕切るタイプじゃないんで。めっちゃいじられちゃうんで、ふたりとも。どんなに結果だそうがナメられ続けてます。後輩からも。

    箕輪 ふへへへへへ! そうっすね。

    古市 気を遣われている感じはまるでないですね。

    箕輪 全くないですね。

    古市 ずっと僕だけだと思ってたんですけど。別に箕輪もでしたね、蓋開けたら。

    箕輪 ふふふふふふ。

    ── 本当に、たまたまぴったりなおふたりで組まれたんですね。

    古市 こんなつもりで組んだわけじゃないですけどね (笑)

    ── (笑)昔からゲラだという古市さんですが、中学の時は途中まで友達がひとりもいなかったというエピソードを拝見しました。よく笑ってもらえると、周りも楽しくなって友達が多そうな印象ですが。

    古市 中学受験して、ひとりも知り合いがいない中学に行っちゃって。人見知りでまじで2年間喋れなかったです。ずっとTSUTAYAで映画を借りて家で見てました。でも教室の端っこで誰かが楽しそうなことをやっているのを見て笑ってたら「あいつ、笑い声変じゃね?」ってなって、2年経ってから急にいじられ出して友達が増えました。喋らずに仲良くなった感じです。「なんかあいつ、めっちゃ笑ってんな」みたいな。

    ── すごいですね。ネアカでしょうか?

    古市 どっちもあります。根暗でもあるしネアカでもある、みたいな。みんなといるのは楽しいです。

    ── 箕輪さんはどうですか?

    箕輪 僕もネアカなんだと思います、どっちかというと。

    古市 確かに箕輪も明るいですね。

    箕輪 暗い憧れみたいなのはありましたけど。逆に笑わないみたいな(笑)でもネアカでしたね。みんなで楽しもうっていう。

    ── お互いのこの時が一番面白い!と思う場面を教えてください。

    古市 ふたりともすべりが似合うタイプなんで、他の芸人は追い込まれてすべってる時を面白がってくれます。でも僕的には箕輪の言葉遊びがすごいと思ってます。ダジャレとか。

    箕輪 親父じゃん。

    古市 いや何ていうんだろう、例え、とかですかね。一昨日も、かが屋の加賀(翔)さんのラジオに呼んでいただいて。加賀さんって、アイドルの方をはじめ、芸人に限らず色んな職業の人の写真を撮っているじゃないですか。だからSNSの写真を見にくる別の界隈の方々がそれぞれの意見で揉めて、戦場を提供しちゃってるっていう話になった時に、「じゃあ戦場カメラマンですね」って、すぐに言うんです。

    箕輪 いやいや、笑点じゃん(笑)

    古市 これがめっちゃ早いんすよ!(大きな声)

    箕輪 笑点観てきたんで。

    古市 でもタイミングが変なんですよ、箕輪って。平場とか劇場のコーナーとか、なんか面白いこと言ってんですよ。でも聞いてないんです、誰も。ボリュームもちょっと小さいんで。でもすごいこと言ってんですよ! 聞こえてないなーと思いながら。あと、結構面白いこと言っても難しすぎて理解するのに時間がかかります。

    箕輪 よくあるパターンとしては、ライブ後半で、だいぶ序盤にあったくだりにかけたことをやっちゃって、みんな覚えてなくて「は?」ってなるんですよ。

    箕輪 それで、説明したら

    古市・箕輪 「あぁー」って。

    古市 で、納得しちゃって誰も笑ってないんですよ。早すぎる! とにかく早いです。

    ── 頭が良いからこそ、ですよね。

    古市 良いと思います。僕はもう7年一緒にやってるんで気づくんですけど、他の誰も気づいてない。僕があとから言ったところで解説みたいになっちゃうんで。でもこれは横で見てて、一番すごいなって思うところかもしれないです。

    ネタ作りとボケ担当の箕輪さん(写真左)。強い正義感と、仲間への熱さと奇行が違和感なく同居。

    ── 箕輪さんはいかがでしょうか?

    箕輪 声質じゃないですか、やっぱり。面白くないことも面白くして出す、みたいな感じの。出力がめちゃくちゃいい。もう正直何を言ってもいい、みたいな。

    ── 出会った最初の頃からそうでしたか?

    箕輪 最初からそうでしたね。最初はもっと声がめっちゃ高かったんですけど、その時から鼻にかかる声でした。で、芸人やり続けていったらどんどん滑舌が悪くなってきて。

    古市 はっはっはっは。確かに。

    箕輪 もう、喋れてないぐらいの感じになってます。口も開かなくなって。

    古市 なんかね、はい。あのね、店員さんとも上手くいかないんですよ。

    箕輪 まあねー。

    古市 喋れないんですよ、あんまちゃんと。「これとこれひとつずつ」とかが言えなくて。

    箕輪 まあでもそれも込みで、別に何も言ってなくても面白いぐらいの感じだと思ってます。

    誰もが親しみやすいキャラクター性でありながら、天性のツッコミ担当の古市さん(写真右)。

    謎に満ちたふたりのパワーバランスに注目

    ── 古市さんは箕輪さん作のボケを、無断でネタに使用して『R-1グランプリ』に出たりもしていますが、他にもそういったエピソードがありますよね(編注:TBS Podcast『 金魚番長のデメキング』より)。いつも独特な関係だなと思っていますが、箕輪さんにとても愛されている自信があってあのようなエピソードが生まれるのでしょうか?

    箕輪 ほんとにね? 確かにね?

    古市 フハハ!  違いますよ(笑)

    箕輪 違うんですよ、それは。

    古市 なんかこの感じで箕輪にも隙があるというか。本来だったら普通にカリスマ的存在になれると思うんです。でも箕輪も箕輪で奇行があるんで、こっちも攻める隙があるというか。別に愛されてる自信があって、なんかしてるわけじゃないです(笑)

    箕輪 1回も与えたことないですよ。愛を与えてないとおかしいですよね? みんな思ってます。“何でだろう、与えてないのに”って。

    古市 幼少期のお母さんからの愛じゃないですか? 世間をナメたまま育っちゃって。

    箕輪 ふふふ(笑)

    ── 愛されてきた素直さ、みたいなものは、先ほど箕輪さんを褒められている時にも感じました。おふたりは金魚番長のことをどういう関係性だと思われますか? 

    古市 僕らの関係、どうなんですかね。でもラジオでふたりで喋ったりするのは楽しいですね。

    箕輪 ほんとに何も考えずに喋れるっていうのはありますね。

    古市 お互い全く気を遣ってないです。

    箕輪 気を遣わなすぎて怒ったりすることはあります。遊んだりはしないですね。

    古市 ふたりで飯、なんてもう7年ぐらい行ってないですね。でも確かに、ここに誰か、もうひとりいたら全然行けます。それも嫌だっていう人たちもいると思うんで。

    箕輪 ひとり入ってくれた方が絡みやすいですね。

    古市 フハハ! ふたりだと話すこともないですし。ラジオで喋るので。

    箕輪 ふたりの時ね、古市が絡みづらい顔をしてるんですよ。

    古市 確かにふたりの時は暗いかもしれないです。

    箕輪 なんかほんとのいじめっ子みたいな顔をしてくるんですよ、顎もめっちゃ出して。ブルドックとか飼ってるアメリカのいじめっ子みたいな顔してきて。

    古市 なんだよ(笑)俺何も怒ったことないよ、お前に。

    ── パワーバランスが同じくらいですよね。

    古市 それが変なんですよね。絶対僕が下だと思って組んだんです、そっちの方が僕も良さが出るかなと思って。あんま上に立ったことないんで。でもなんかね、箕輪もいじられキャラでしたね。

    ── (笑) おふたりの、こんな芸人さんみたいになりたいという将来像を教えてください。

    古市 僕はバナナマンさんとか。相方は千鳥さん好きですし。

    箕輪 好きですね。

    古市 ネタはやっときたいっすね、テレビはもちろんですけど、ロケとかも。

    ── MCとかをガンガンやっていきたいタイプでしょうか? 

    古市 いや、特にないですね。

    箕輪 僕もないですね。

    古市 お仕事をいただいたらやる、という感じです。

    ── こんな番組に出たいなどありますか?

    古市 僕はずっと言ってるんですけどアイドル番組のMCです。

    箕輪 MC?

    古市 あ、MCか(笑)なんか結構売れてないと無理なんで、芸人としてのゴール感があるなと思います。とか、密着番組とか出たいですね。

    箕輪 僕はロケ出たいですね。

    古市 僕もロケ出たいです。昼の情報番組とかも。なんかロケって楽しいじゃないですか。

    箕輪 相席食堂とか。

    古市 ネタはしときたいですけど。

    箕輪 それはもう、それはもう(頷く)。

    古市 いいっすよね、吉本は売れてもルミネとかあるじゃないですか。

    箕輪 ライブは大好きなんで。

    古市 単独ライブも、ペースはわかんないですけどこれからもやってはいきたいです。

    ── 単独ライブ、来年はさらに規模が大きくなっていそうですよね。では、おふたりが今、一番ライバル視している若手芸人さんは誰でしょうか? 

    箕輪 まあでもゼロカランじゃないですかね。ずっと一緒にネタ書いたりとかしてきて、徐々にやっぱりゼロカランも結果出してきてるんで。爆発したらやばいコンビなんで。

    ── 仲良しですしね。

    箕輪 だからこそ、2組で上がっていけたらめっちゃいいっすけど、負けたくない感情はめっちゃあります。

    古市 僕は同期だったらイチゴですかね。結構イクトがお笑いの話好きなんで、よくしますし、お互い賞レースの結果とかを言い合ってます。イクトがめちゃくちゃ負けず嫌いで、去年のM-1もあいつらの方が準々決勝ウケてたってずっと言い続けてきます。だいぶ仲良いんで、負けたくはないです。

    「今年のM-1は決勝に行きたい。3回戦以降から、通ったらネタが上がらない。これはでかいです」

    ── ここからネタについてお伺いしていこうと思います。そもそもネタはどのように箕輪さんから古市さんにお渡しされるのでしょうか?

    箕輪 口頭です。

    古市 電話かカフェですね。

    ── メモを見せながら?

    箕輪 いや、メモは見せないです。僕はノートに書いてますけど。

    古市 基本音読です。箕輪が直接、ボケを大量に言ってくるって感じです。

    箕輪 それを古市がメモって並び替えたりしてます。全部出来てて渡す、っていうことはあんまないかもしれないです。

    ── では、ネタづくりの何割かは古市さんが担当ということに?

    古市 いや、書記みたいな感じですよ(笑)僕、スマホの打ち込みがめっちゃ早いんですよ。高速でメモって、最終的にこういう順番にしようかってふたりで話します。ツッコミのフレーズも大体決まっていて、言い方とか強さとかは特に決まってないです。

    ── どれくらいの時間がかかるんでしょうか?

    古市 もらってからはめっちゃ早いです。最悪僕は10分とかで覚えます。

    箕輪 練習もあんまりしない方だと思います。

    ── 「漫才鬼」(編注:新作漫才5本ずつの、ゼロカランとのツーマンライブ。毎月開催中)の時はいかがですか?

    箕輪 あれはほぼしないです、やばいです。

    古市 通しで1回もやってないけど、行きますかっていうときもあります。箕輪は喋りだしなんで大変ですけど、僕はメモってる時点でかなり覚えていて。

    箕輪 記憶力がいいんですよね、古市は。

    古市 正直僕は単独とかも多分5分前でもいけると思います。

    箕輪 それは無理でしょ、5分前はさすがに。

    古市 いやそれぇ、いけるよ。

    箕輪 それは無理だよ、5分前は。意味わかんないことになるって。

    古市 (笑)まあ、正直練習はあんまりしないです。

    ── すごいですね!

    古市 いやすごいっていうか、荒いんですよ。

    箕輪 ふふふふ。しないだけですよ?

    古市 賞レース前とかは、もちろんやりますけど。箕輪もですけど、方式をあんまり決めてないんで。

    箕輪 確かに。

    古市 細かい言い回しは変なところがあると思います、多分。

    ── (ネタを作ってくれて)ありがとう、みたいなやり取りはあるんですか?

    古市 いや思ってますよ、心では思ってます。

    箕輪 ないっすないっす。

    古市 ありがとうございます。

    箕輪 (カフェで座っている様子を再現しながら)角度も変わんないです。一度も変わんないです、まっすぐ。何ならこう(のけぞる)。

    古市 ふっはっはっは。いやあそりゃ恥ずかしいっすよ(笑)! それわざわざ言ってる人すごいっすよ。ありがとう、とはもちろん思ってます。助かりますって。

    ── 箕輪さんの完成度の高いマイムは、おひとりで練習されているんでしょうか?

    箕輪 そんなにしてなかったんですけど、唯一ロボコンのネタ(ABCお笑いグランプリの決勝ステージで披露)は、ブラゴーリの塚田さんに教えてもらいました。それ以外はそこまで練習してないですね。やり続けた結果なんですけど、審査員もされていたう大さんのABCの講評を見たら、「マイムがうますぎて、もう面白くない」って書いてありました(笑)。

    古市 ふはははははははは。

    ── 古市さんは横で見ていてびっくりされませんか?

    古市 ほんとに見てないです(笑)

    箕輪 確かにこいつ見てないですね。

    ── どこを見てらっしゃるんですか?(笑)

    箕輪 お客さんの方を見てますね。

    古市 でも目が合うのもあれなんで、一点を見つめてます。

    箕輪 だから、僕がひとりだけでコントインとかする時は、動きボケを見てないから全然突っ込んでこなくて、永遠と僕がおんなじことをやってる時もあります。見てないです。

    古市 箕輪が僕の右にいて、後ろを通って左でボケたりしてるんですけど、右に突っ込んじゃってます、いない方に。

    箕輪 見ないのが癖すぎて。

    古市 自分達の動画を見ていて、箕輪の方ばっかりみるのもあんまりよくないなと思って。そしたら極端にやりすぎちゃって(笑)

    ── 自分達の動画を見て改善していく感じでしょうか?

    古市 僕は見ます、ネタを叩くときは。

    箕輪 僕はあんまり見てないかもしれないです。

    古市 基本的に動画を見て自分のことを直すんですけど、箕輪にはほんとにたまに言うぐらいです。

    箕輪 ロボコンのネタの時は、「進むときに手はグーじゃなくてパーの方が良くない?」ってずっと言われました。そんなに変わるかな?と思いながら。ネタ終わり何回か言われました。「グーになってたよ」って。

    古市 (笑)すごい気になっちゃって。こっちの方が良くないですか? ちょっとだから!っていう感じです。大幅に変えて欲しいとかだったら、話しあうんですけど。

    箕輪 深刻な感じで言ってくるんですよ、「グーだったよ」って(笑)

    ── (笑)  ABCお笑いグランプリもお疲れ様でした。

    古市 やられましたね、ABCは。あの瞬間はハイになっていて落ち込む暇ないですけど、帰ってからめっちゃ落ち込むんですよ。

    ── 今年も去年も関係性のある先輩が優勝と。

    箕輪 そうですね。一緒にやっていた方々が。

    古市 今年でラストイヤーだった先輩方がたくさんいて、来年はまたメンバーが変わると思うので、決勝に出られたら、来年は優勝したいですね。

    ── 今年、M-1グランプリに向けての感触はいかがでしょうか?

    古市 いや今年っすよね、流れ的に。「ChatGPT」に、今年のファイナリストは誰ですかって聞いている画像が流れてきて。そこに入ってたんですよ、僕らが。

    箕輪 ChatGPTから見ても?

    古市 そう。で、結構ちゃんとしたメンバーだったんで。エバースさんとか真空(ジェシカ)さんとか。流れ的には、まず決勝に行くとしたら今年ですよね。だからちょっとプレッシャーはあります。

    ── 今年は「ネタ変えようよ」を発動させずに済みそうでしょうか?(編注:去年のM-1グランプリ敗者復活戦直前に、M-1公式YouTubeに上がっている動画によってネタがバレていることを心配し、調整を重ねていたネタを変えようとした

    箕輪 ふっ(笑)

    古市 それはほんと、気をつけます。

    箕輪 ほんっとに怖いです、ほんとに。

    古市 いやもう言わないです。今年は3回戦から、通ったら動画が上がらなくなったので。これはでかいです。

    箕輪 これは、ネタがバレない?

    古市 これバレないっす。今年は言わないです。

    箕輪 (笑)

    古市 今年落ちたら結構悔しいっすね。落ちる可能性も全然あると思いますけど。

    箕輪 まあまあまあ。

    ── 話が少し戻りますが、箕輪さんの漫才後の小走りでの帰り方も独特ですよね。

    古市 ヤバいですよね、あれ。

    箕輪 あれは、俺だけ次の仕事があるって思わせたくて。

    古市 違うよ。そんなん意味わかんないよ。ほんっとに落ち着きないんで、常に動いてるんですよ。ネタ中も急に動きが速くなって、後半何やってるかわかんなくなったりして。

    ── 「ここまでが漫才師だ」みたいな意味があるのかと思っていました。

    箕輪 それもあります、それにしよう。

    古市 ないです、ないです。落ち着きがないだけですよ。丁寧に長くお辞儀ができないんです。耐えれなくて、待てないんです。

    箕輪 いやいや。僕はハケた後、袖で手招きしてます、古市を。

    古市 他にも、漫才の前に、僕らのことを知ってる人を聞くくだりをする時に、知ってる人に手を挙げてもらって「全員ですね」っていうボケがあるんですけど、これとかも最初に手を挙げる前に言っちゃうんですよ。まだわかんないよっていう時に。とにかく全部がちょっと早いんです。

    単独ライブ『ぐちゃぐちゃ』は必見!

    ── 最後に、単独ライブ『ぐちゃぐちゃ』への意気込みをいただこうと思います。すでに終了している名古屋公演、ネタ数も内容も、幕間Vも、大充実でした(編注:取材は大阪公演前)。どのように準備されていきましたか?

    古市 タイトルは箕輪が言ったんですよね。『ぐちゃぐちゃ』とかは?って。

    箕輪 まあ適当だったんですけど。

    古市 めっちゃ案出して、結構すんなり決まりました。前回は漢字で作ったから漢字以外にしようってなって、適当に言葉を言いまくって。ぐちゃぐちゃっていう言葉は、オープニング映像とかグッズ、フライヤーの想像をしやすかったです。

    箕輪 ネタに関しては、元々やりたいことがいっぱいありますし、『ぐちゃぐちゃ』というタイトルでもあるんで、色々とシチュエーションにバリエーションがあった方がいいかなとは思っていました。

    古市 名古屋公演、最高でした! ネタも動画も盛りだくさんで。

    箕輪 お客さんもあったかくて。最高でした。

    ── 単独ライブ用に古市さんが作られた、M−1のオープニングを模した映像はかなりの力作でしたね。

    古市 ありがとうございます。本当に早くYouTubeに上げたいです、流石に上げないと。ほんとにきつかったんで。

    ── どれくらい時間がかかりましたか?

    古市 撮影自体にまず2日間ぐらいかけました。後輩を呼んで、神保町と渋谷の劇場で撮って。曲も、1週間くらい考えました。ぶつぶつ歌いながら作って、歌詞を当てて。

    ── 映像さんなどに教えてもらいながら作ったのですか?

    古市 編集はほぼ自力でやりました。4年前くらいに自分のYouTubeでちょっと編集したりもしてたんで。アプリを買って、編集しました。自腹で全部やりました。歌を作るのがほんとにしんどかったです。

    ── 「箕輪の歌」(編注:古市さんが作詞・作曲した箕輪さんのための他己紹介ソング)も中毒性があっていいですよね

    古市 ありがとうございます。「箕輪の歌」も、ほんと大変でした。

    ── 単独ライブ用に、各々がセレクトした出囃子で登場する演出も。名古屋公演の時は、箕輪さんセレクトの出囃子が喋り口調の歌い始めだったということもありましたが、出囃子は変更されますか?

    箕輪 あれは改善しましょう(笑)ネタも何かいいものがあれば変えようかな、とは思ってます。

    ── 初見の方だけではなく、名古屋公演に来た方も、また新たに配信で楽しめると。

    箕輪 あと、直接観に来られない方も、幕間Vは配信だとより綺麗に楽しめるんで、それは配信でみるメリットかなと。

    古市 配信だと何回も観られますし。ぜひ、楽しんでいただきたいです!!

    取材中、時に助け舟を出してくださる優しさに感動。金魚番長のおふたり、ありがとうございました!

    Information

    金魚番長のデメキング

    TBS Podcastで配信中の、冠ラジオ。毎週金曜21時ごろに本編を、毎週月曜21時ごろにアフタートークを配信中。箕輪さんに内緒で、R-1グランプリでボケを盗作?したエピソードは#42「やりやがったな、R-1グランプリ!」で。M-1前に急にネタを変えたくなった古市さんと、ネタ作り担当、箕輪さんの葛藤は#38「M-1敗者復活戦アナザーストーリー」で。

    ネタ7本、幕間VTRも大充実! “全部盛り”の、ぐちゃぐちゃな世界観を楽しんで!

    Information

    名古屋公演は、オープニングVTRとバリエーション豊かな漫才が7本、そして日光に出向いたYouTube企画のVTRと、大充実の内容に。7月6日によしもと漫才劇場にて大阪公演を終え、残るはルミネTHEよしもとにて7月19日(土)19:30〜の東京公演。配信チケットは1500円。会場では公式グッズも販売予定。

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    写真・KAZUYUKI EBISAWA(makiura office)

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    白紙に戻したい、もしくは別の生き方をしたいという心境になりやすい日です。イメージチェンジへの憧れ。結果として実際にそういう行動に出る人もいるでしょう。それでも、今やっていることを途中で投げ出すと後で問題になりがちなので、リセットに走る前に、とにかくやっておくべきことだけは終えておくほうが無難です。

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