「お茶は昔、中国で薬として飲用されていたように、それぞれに特長や作用があります。たとえば、緑茶など発酵度の低いお茶は、体を冷やす作用があるといわれ、春から夏にかけての暑い季節や熱っぽいときにおすすめ。逆に、紅茶など発酵度の高いお茶は体を温めるとされ、秋から冬にかけての寒い時期や冷えが気になるときにぴったりです。また、緑茶に含まれるカテキンの抗酸化作用は老化防止に、ウーロン茶に含まれるポリフェノールは脂肪の吸収を抑えるといわれています。健康のために食事に気を使うように、お茶も日々の体調に合わせて選んでほしいですね」と言うのは美容薬膳アドバイザーの吉原典子さん。
特に、少し動けば汗をかくこれからの季節は、こまめな水分補給が重要。茶葉の特性を生かしながら、ライフスタイルや体質、体調に合わせてお茶を取り入れれば、体が整い、すこやかな美しさが育まれていくはず。
すっきりと目が覚める一杯で気持ちよく一日をスタート。
窓から射し込む、初夏の日差しを浴びて起きる朝。ぼんやりと寝ぼけた頭をシャキンと目覚めさせてくれるのは、温かいミントのハーブティー。
「寝起きの体の負担にならないよう、目覚めの一杯はノンカフェインのお茶で。なかでも清涼感のあるミントティーは、蒸し暑い朝にぴったり。頭をすっきりとさせてくれ、一日のはじまりにおすすめです」
ミントティー
爽やかな香りと味わいが魅力。多くの品種があるミントだが、主なものは強い清涼感と香りを持つペパーミントと、香りが少しおだやかで甘みがあるスペアミント。気分をリフレッシュさせたいときはもちろん、脂っこい食事の後にもおすすめ。
集中力を上げたい仕事中は香りのいいお茶をお供に。
最近はテレワークの人も増えているけれど、オフィスにしろ、自宅にしろ、仕事中はぐっと集中力を上げたいもの。それを手助けしてくれるのはジャスミンティー。
「香りを楽しむお茶としておなじみですが、ベースは緑茶。カフェインとジャスミンの華やかな芳香作用で、頭がすっきりします。また、イライラ、鬱々とした気持ちを落ちつかせてくれる効果も」
ジャスミンティー
緑茶にジャスミンの花の香りをつけた花茶の一種。ジャスミンには気分を高揚させ、落ち込んだ気持ちを回復させてくれる働きがあるほか、心の緊張を解きほぐすリラックス効果も。また、緑茶がベースなので、眠気が襲ってきたときにもいい。
「飲むサラダ」を加えて栄養バランスのいい食事を。
美容と健康のためには、栄養バランスのいい食事を摂ることは大切。とはいえ、現実はなかなかむずかしく、つい野菜不足になりがちに。そこで、食事と一緒に楽しみたいのが、南米生まれのマテ茶。
「“飲むサラダ”といわれ、ビタミン、鉄分、カルシウムが豊富。代謝を促し、脂肪燃焼効果も期待できます。ほのかに苦みのある味わいも食事の邪魔をしません」
マテ茶
主に南米大陸南東部で生産され、モチノキ科の灌木の葉や枝を乾燥し、粉砕したお茶。消化促進、疲労回復、ビタミン補給など飲用効果は多岐にわたる。グリーン・マテ茶とロースト・マテ茶の2種類があるが、ビタミン量はグリーンのほうが多い。
エクササイズで汗をかいたらしっかりミネラル補給
ジョギングしたり、トレーニングしたり。体を動かしてたっぷり汗をかいたら、失った水分はしっかりチャージを。特に夏は、水よりもミネラル豊富なお茶が一番!
「おすすめは玄米麦茶。麦茶はミネラルがたっぷりなうえ、アルキルピラジンという成分は血液をサラサラにする効果も。玄米入りにすることで、運動や汗で消費したエネルギーを補うこともできます」
玄米麦茶
麦茶によく炒った玄米をブレンドした香ばしいお茶。ミネラルやアルキルピラジンのほか、カテコールなどのポリフェノールも含まれ、抗酸化作用で生活習慣病の予防にも。ノンカフェインで利尿作用は控えめなので、夏場の水分補給には最適。
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おやすみ前のひとときは心落ちつけるハーブティーで。
心も体もほっとゆるむ一日の終わり。夜のリラックスタイムのお供に欠かせないお茶は、ちょっぴり甘く、やさしい味わいのジャーマンカモミールティー。
「カモミールは穏やかな鎮静作用があるハーブ。仕事などによる心身の緊張感をほぐすのにぴったりです」
ベッドに入る前に飲む一杯のあったかいカモミールティーは、ぐっすりと心地よい眠りへと誘ってくれます。
ジャーマンカモミールティー
昔から薬草として使われているハーブで、ストレスや不安を和らげ、気分を落ちつかせてくれる。また、優れた健胃作用は食べすぎや食欲不振のときに、そして体を温める効果もあるので、風邪のひきはじめや冷えが気になるときにもおすすめ。
吉原典子さん 「白金美容薬膳」主宰。国際中医薬膳師、薬膳コンシェルジュ、花凛堂認定の薬膳茶ブレンダーなど薬膳を中心にアロマ、アーユルヴェーダ、メディカルハーブの資格を取得。
〈目覚め〉パジャマ¥29,700(スリーピー・ジョーンズ/モットハウス・トーキョー TEL:03・6325・2593) 〈仕事〉ステッチシャツ¥17,000(ジョンブル/ジョンブル 原宿 TEL:03・3797・3287) 〈食事〉フラワー刺繍トップス¥50,000(ジュープ バイ ジャッキー/ビショップ TEL:03・5775・3266) タートルネック¥9,500(ジョンブル/ジョンブル 原宿) 〈エクササイズ〉Tシャツ¥12,000(レディ ホワイト カンパニー/ビショップ) アクティブタンブラー600ml¥3,400(キントー TEL:0120・34・7830) 〈就寝前〉ニットジャケット¥19,800(モニカコルデラ/ビショップ) ワンピース¥14,000(ジョンブル/ジョンブル 原宿) その他はスタイリスト私物
※『anan』2020年4月29日号より。写真・山口 明 スタイリスト・荻野玲子 ヘア&メイク・上川タカエ(mod's hair) モデル・在原みゆ紀(Gunn's) 構成、文・野尻和代 撮影協力・UTUWA AWABEES
(by anan編集部)