「今回この本を描いて気づいたのですが、どうやら私は、“こんな男の人”と言葉で言われると、それを頭の中で映像化して考えるクセがあるみたいなんです。例えば“男気があるタイプで…”と聞いた場合は、太眉の男の人の顔が浮かぶ、とか。また逆に、町で男性を見かけると、“この人、なんか牛乳っぽい”とか、“炒めものっぽいな、強火で炒められた感じがする”とか思うことも多くて。その2つの私の性質みたいなものが、この本を描くのにはとても役立った気がします」
“周りにどんな男の人がいる?”というトークからスタートしたというこの本。菜々子さんの周囲の“分析好き”女子とのおしゃべりも活かしながら、恋愛傾向や生態、また属性を分析していく作業は、とても楽しかったと語ります。
「分類って“レッテル貼り”と同様に見られがちですが、決してそうではなくて、興味があるから観察しちゃうし、観察するからこそ個性が見えてくる。相手をもっと理解するために、自分の中の枠に落とし込んでいく…みたいな作業だと思うんです。たぶん女の子って、分類して、それを“あるある~”ってしゃべるのがみんな好きですよね。飲み会の後に女子だけで二次会をやり、“あの人ってこうだよね、ああだよね”って語り合う、あの楽しさ。ぜひその空気感を味わっていただけると」
登場するのは29タイプの男子。それぞれイラストで特性が解説されていて、さらに「◯◯系男子劇場」というマンガ、そしてトリセツ的な文章が掲載されている。そのすべてが読みどころですが、特に菜々子さんらしさが活きているのがマンガ。“あるある~”というストーリーはもちろん、描かれているモブキャラや背景にまで個性が溢れていて、1コマたりとも見逃せません。
「マンガって、意外なアングルから描けたり、白目をむくというような大げさな描写ができるので、表現がとても自由。イラストとは別の楽しみがありますよね。ただ自由度が高い分やりたいことが浮かびすぎて、まとまらないことがよくあり…。今回も決められないことが多くて、最後かなり追い詰められてからお話を決めた部分が多々あります(笑)」
これまで数冊本を出版したことはあるが、単独の著書は初めて。
「マンガってやっぱり紙というか、本という形状と相性がいいなと、完成した本を見て改めて思いました。“こんな男いないよ~”って思ってくれても全然いいので(笑)、笑って読んでくれると嬉しいです」
ななこ イラストレーター、マンガ家。2006年にコスメのパッケージイラストでデビューし、女性誌や、テレビ番組の企画などでも執筆中。弊誌でもイラストやマンガを多数手がけている。
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※『anan』2019年6月5日号より。写真・土佐麻理子
(by anan編集部)
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