体のろ過装置・腎臓に良い栄養をたっぷり摂るにはスープが一番。
疲れてるな、なんかだるいな。そんなときはもしかしたら、あなたの腎臓は疲れを感じているかもしれません。腎臓とは、老廃物を含んだ血液をキレイにしたり、不要な水分を尿として排出する機能を持つ、いわば体をデトックスするろ過装置。腎臓が元気であること=体が元気、ということなのです。
「腎臓を健やかに保ち、きちんと働いてもらうために最も効果的なのは、腎臓に必要な栄養を、食事でしっかり摂ること。健康はもちろん美容面でも効果が。腎臓がきちんと働いていると肌がとてもキレイになります」
と言うのは、東洋医学の観点で腎臓に良いスープを提案している鍼灸師の大野沙織さん。
「スープは作るのも簡単ですし、効果的に栄養が摂れます。週に1~2回、食事をスープにしてみると、きっと体がラクになるはず。1つだけ注意してほしいのは、おいしいからといって大量に食べすぎないこと。食べすぎも腎臓に負担をかけるので要注意です」
秋に食べたい腎臓に良い野菜
消化酵素豊富なかぶ、解毒や発汗が期待できるごぼう、滋養強壮成分を含む長芋、蓮根には余分な熱を冷ます効果も。にらとブロッコリーは腎臓の働きを高める手助けに。
解毒スープレシピ三箇条
【その1】旬の野菜を取り入れる。
野菜がおいしさと栄養価のピークを迎えるのが旬の時期。一年を通し旬のものを食べることで、巡りの良い体に。
【その2】天日塩を使う。
体のミネラルバランスが崩れると、腎疲れを招くことに。海水と同じミネラルを含む天日塩を使うことがおすすめ。
【その3】いい調味料を使う。
化学調味料や保存料は腎臓に負担をかける一因に。シンプルな材料で自然な形で発酵している調味料を選ぼう。
基本のスープの作り方
解毒スープの工程は、基本的に「切る」「炒める」「煮る」の3ステップ。作り方の概要をまずは基本のスープで説明。基本のスープは、野菜本来の味を楽しむために、材料は野菜と塩とオリーブオイルのみで調理して完成です。
【材料】(作りやすい分量)
ブロッコリー(小房に分け茎は小さめに切る)…1/2株、玉ねぎ(2cm角に切る)…1/2個、にんじん(いちょう切り)…1/2本、大根(いちょう切り)…長さ4cm、ミニトマト(ヘタを取る)…6個、かぼちゃ(1.5cm角に切る)…150g、なす(半月切り)…1本、きのこ(ほぐす)…80g、蒸し大豆…50g、オリーブオイル…大さじ1、塩…小さじ1、水…2カップ
1. 切る
野菜をすべて皮ごと切る。かぼちゃはとろけさせるために小さめに。
2. 炒める
1をオイルで炒める。油が全体に回る程度、さっと炒めればOK。
3. 煮る
材料に油が回ったら、水と塩を加え蓋をし、20分程度中火で加熱。
蓮根とごぼうの豚汁風スープ
食物繊維がたっぷりの一杯。腎だけでなく腸にも◎。
具材がごろっと大きめで、食べごたえたっぷりの豚汁風スープ。ごぼうには食物繊維がたっぷりなので、腸内環境が整う手助けを。蓮根は体の熱を取り除き、過剰な免疫反応を緩和。豚肉は腎臓強化の豚ばら肉がおすすめ。
【材料】(2人分)
蓮根…100g、ごぼう…100g、豚ばら肉…100g、ねぎ(青い部分も含む)…1本、※椎茸…6枚、※にんじん…1/2本、おろし生姜…10g、オリーブオイル…大さじ1、水…2カップ、木綿豆腐…150g、合わせ味噌…大さじ2
※の食材についてはお好みで入れてください。
【作り方】
(1)蓮根とごぼうは泥を落とすようにして洗う。蓮根は厚さ8mmのいちょう切り、ごぼうは厚さ5mmの斜め薄切りにする。ねぎはごぼうと同じ大きさに切る。椎茸は石づきの硬い部分のみ取り除き食べやすい大きさに切る。にんじんは厚さ5mmの半月切りに。豚肉は長ければ5cm幅に切る。
(2)鍋にオリーブオイルを入れ中火にかけて熱し、豚肉を炒め、椎茸とおろし生姜以外の野菜を加えてざっくりと炒める。油が全体に回ったら、椎茸とおろし生姜、水を入れてひと煮立ちさせ、大きめにちぎった豆腐を加え、蓋をして約15分煮込む。
(3)(2)に合わせ味噌を溶き入れて馴染ませ、熱が冷めるまで一度冷やす。食べるときに再び温め器に盛り付ける。
白菜とにらの参鶏湯風スープ
肌の乾燥や気になる冷えに。にらが腎から体を温めます。
体を芯から温めてくれるとろっとしたスープ。白菜は90%以上が水分なので、乾燥した秋冬の体にたっぷり水分を与えてくれる。腎臓の働きを高め体を温める効果が期待できるにらは、食感を残したいので最後に加えて。
【材料】(2人分)
白菜…300g、にら…1/2束、鶏手羽元…6本、ねぎ(青い部分も含む)…1本、※黒キクラゲ…80g、※蒸し大豆…50g、※もち米…大さじ2、生姜…20g、オリーブオイル…大さじ1、水…3カップ、塩…小さじ1、醤油…小さじ2、八角、くこの実…各適宜
※の食材についてはお好みで入れてください。
【作り方】
(1)白菜は2cm幅のざく切りにする。にらは5mm幅に刻む。ねぎは斜め薄切りに、黒キクラゲは石づきを取り除き食べやすい大きさに切る。生姜は千切りにする。
(2)鍋にオリーブオイルを入れて中火にかけて熱し、鶏手羽元を入れて焼き色がつくまで焼く。
(3)(2)に生姜、もち米、水、お好みで八角を入れてひと煮立ちさせ、蓋をして中弱火で10分煮込む。
(4)(3)に白菜、ねぎ、黒キクラゲ、蒸し大豆を入れてさらに10分煮込み、塩と醤油で味を調え、にらを加えてさっと混ぜる。あれば、水で戻したくこの実も散らす。
大野沙織さん 鍼灸師。心合いの風鍼灸院主宰。実体験に基づく腎臓に良いことを提案するYouTube「腎機能アップ!ちゃんねる」が人気。著書に『超!解毒スープ』(ワニブックス)がある。
※『anan』2023年11月8日号より。写真・津留崎徹花 レシピ&料理作製、スタイリング・田村つぼみ イラスト・森 優
(by anan編集部)