夏バテの原因は栄養不足? 女性が気をつけたいのは鉄分!

フード
2019.05.29
夏の5大栄養不足を解消せよ。外食が多い、疲れやすい、末端が冷えるという人は要注意です。「夏の体内美容」について、松倉クリニック代官山院長・貴子先生と、まいこ ホリスティック スキン クリニック院長・山崎まいこ先生にお話を伺いました。

あなたは足りてる? 夏の栄養不足に注意。

夏になると、なんとなく体がだるい、疲れやすい、肌の調子が悪い…など、いわゆる“夏バテ”の症状に悩まされる人は多いはず。繰り返す不調の原因は、ズバリ“栄養不足”にあるという。

「女性に特に必要不可欠な栄養素とは、鉄、ビタミンB群、ミネラル、タンパク質、ビタミンCの5つです。特に暑い夏場は流れる汗とともにこうした栄養分がどんどん失われてしまうので、たとえ普段と変わらない食生活を送っていても、慢性的な栄養不足状態に陥るケースが多々あります」(松倉クリニック代官山院長・貴子先生)

つらい夏バテに打ち勝つには、基本的な栄養面を見直すことが大前提。一つでも不足しないように、バランスよく効率的に取り入れて。

「食材に食べ合わせがあるように、栄養素にも相性のいい組み合わせというものがあります。より吸収率の高まる摂取の仕方やタイミング、食材の調理法を知ることで、それぞれの成分の持つパワーを最大限に引き出しましょう」(まいこ ホリスティック スキン クリニック院長・山崎まいこ先生)

鉄:夏の鉄不足が深刻! あらゆる不調の原因。

血液中のヘモグロビンを構成する鉄は、女性にもっとも必要不可欠な栄養。「鉄不足というと、貧血を思い浮かべる人が多いと思いますが、実はほとんどの女性の体調不良の原因といっても過言ではありません。カラダの中で鉄が不足すると、疲れやすい、だるさを感じる、カラダが冷えるといった症状のほかにも、むくみや皮膚のたるみなど、外見にも影響を及ぼします」(貴子先生)

もともと女性には生理があるので、男性に比べて鉄不足になりやすいのだそう。「さらに夏場は汗とともに鉄分が排出されてしまうので、積極的に摂取する必要が。貧血の自覚症状がない人でも、鉄を取り入れるだけで夏バテ予防になります」(山崎先生)

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タンパク質と一緒に摂るべし

鉄分は体内で働く時にタンパク質と結合するため、鉄をたくさん摂取すると血液中の総タンパクの値も減少してしまう。つまり、鉄を体内でスムーズに巡らせるためにも、卵や大豆製品といったタンパク質が豊富な食材と一緒に摂るといい。

ビタミンB群:エネルギーの代謝には不可欠!

ビタミンB群とは水溶性ビタミンで、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類を指す。「別名“代謝ビタミン”とも呼ばれ、体内の代謝酵素の働きを助ける補酵素の働きをします。人間のエネルギー代謝にはビタミンB群が欠かせません」(山崎先生)

逆を言えば、エネルギー源となる炭水化物や脂質、タンパク質をいくら摂取しても、ビタミンB群が不足していると代謝はスムーズに行われないということ。「ビタミンCやミネラルと同じく、ビタミンB群も汗とともに体外へ排出されてしまいます。暑さや睡眠不足で代謝が落ちがちな夏こそ、積極的に摂取してください」(貴子先生)

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水溶性ビタミンなので煮汁ごと

ビタミンB群は水に溶けやすい水溶性ビタミンのため、熱には強いが、洗ったり煮たりするとせっかくの栄養分が流出してしまう。食材の洗いすぎに注意しつつ、スープや味噌汁など、煮汁ごと飲める調理法にすると効率よく摂取できる。

ミネラル:夏の暑さ対策には水分補給とセットで。

ミネラルは、ビタミンと同様にカラダの機能の維持に欠かすことのできない必須栄養素。ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがその代表で、歯や骨を作ったり、細胞の状態を正常に保つといった働きを持つ。「例えば、カリウムが不足すると疲労感が増えたり、カラダがむくみやすくなるなどの症状が出ます。ミネラルは体内で合成できないため、必ず食物として摂る必要があるのがポイント。特に夏場は水分をたくさん摂取すると思いますが、単に水を飲むだけでは、カラダに水がたまる一方で冷えやむくみの原因にもなってしまいます。食材や飲料で摂ることを常に意識して、カラダに必要なミネラル成分を補うことが大切です」(山崎先生)

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海水で作った塩でミネラル補強

海水から作られる、いわゆる「天然塩」には、ミネラルを中心とした栄養素がたっぷり含まれている。自宅で使う塩を「食塩(精製塩)」から「天然塩」に変えるだけで、自然とミネラルを補強することができる。ただし塩分の摂りすぎには注意。

タンパク質:カラダの主成分は、美容面にも直結。

筋肉や臓器、皮膚、毛髪、血液などを作り出す主成分。カラダから水分と脂質を取り除くと、ほとんどがタンパク質でできていて、筋肉にいたっては全体の80%を構成する。「タンパク質というと日頃から筋トレをしている人やアスリートにとって重要なイメージですが、肌の潤いや髪のツヤにも大きく関わる成分なので、美しくなりたい女性にもぜひ積極的に摂取してもらいたいです。タンパク質を含む食材はさまざまありますが、できれば植物性よりも動物性のものがベター。例えば、食欲が減退するとそうめんなどで済ましがちですが、そこに鶏肉やツナをプラスするだけで栄養の偏りを少しは防げます。いろいろと工夫してみてください」(山崎先生)

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ビタミンB6と一緒に摂るべし

食事から摂るタンパク質は、体内でアミノ酸に分解されるが、この時に補酵素として必要になるのがビタミンB6。タンパク質を多く摂る時は、バナナやアボカド、キャベツといったビタミンB6食材を意識して合わせてみよう。

ビタミンC:目標は1日1000mg。こまめな摂取がカギ。

美白や肌荒れ防止、ストレス改善、強い抗酸化作用など、健康や美容に効果があることで知られる、水溶性のビタミンC。「ほかにも、細胞のダメージを防いだり、コラーゲンを合成してシワやたるみを予防したり、腸での鉄の吸収を促進するなど、ビタミンCの働きは多岐にわたります。食材やサプリメントで日頃から積極的に摂取している人も多いと思いますが、ビタミンB群やミネラルと同じく、汗をかくと喪失してしまうため、アンチエイジング効果を望むのであれば、1日1000mg以上は摂るのが理想です。また、ストレスや喫煙でも多く消費されるので、日頃からストレスを強く感じている人や喫煙者は特に積極的に摂取しましょう」(貴子先生)

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寝る前と朝に摂るのがおすすめ

体内のビタミンCは、汗をかく日中はもちろん、寝ている間にも細胞を修復するためにどんどん失われていく。朝にすっきりと目覚めて日中のパフォーマンスを維持するためにも、最低でも寝る前と朝の2回は摂取するように心がけて。

貴子先生 松倉クリニック代官山院長。形成外科医、美容皮膚科医。栄養療法を取り入れ、患者に合った美容法を提案。最新のコスメや美容情報にも精通している。

山崎まいこ先生 まいこ ホリスティック スキン クリニック院長。インナーケアを重視し、心にもつながるホリスティックな視点と、最新医療を取り入れたメニューが人気。

※『anan』2019年6月5日号より。イラスト・朝野ペコ 文・瀬尾麻美

(by anan編集部)

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