ヒット曲から隠れた名曲まで! 歌姫・中森明菜のベスト・アルバム『BEST III』復刻

エンタメ
2024.02.27
中森明菜の『BEST III』が、デビュー40周年記念 ワーナーイヤーズ・全アルバム復刻シリーズとして、2024ラッカーマスターサウンド(アナログレコードの原盤「ラッカー盤」にカッティングし、レコード針で再生した音をデジタル化)&全曲オリジナル・カラオケ(2024 Remaster)の2CDでリリースされる。本作は4枚目のベスト・アルバムで、オリジナル盤がリリースされたのは1992年。アイドルからアーティストへと完全に脱皮を果たした時期の中森明菜の、ヒット曲から隠れた名曲まで、全12曲が収録されている。

ポップな友情ソングも! 歌姫の七変化が聞こえるベスト・アルバム。

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妖艶さが極まった「二人静‐「天河伝説殺人事件」より」。竹内まりやが作詞・作曲を手掛け、のちに彼女自身がセルフカバーをしたバージョンも広まった「駅」。その後の中森明菜の実力と個性を知らしめる、エスニックな路線を切り拓いた「ミ・アモーレ〔Meu amore…〕」の別歌詞&ラテン・ロング・バージョン「赤い鳥逃げた」。他にも、様々な角度から大人の女性が描かれた楽曲が揃っているが、特に24thシングルの「Dear Friend」は、彼女らしさを作り上げてきたしっとりとしたバラードでも、情熱的なラブソングでもない。〈Come on〉〈hey〉など明るいフックを交えながら、カラリと女性の友情を歌っているのだ。当時、中森明菜が、初めて“等身大のお姉さん”に見えた。さらに、そのカップリング「CARIBBEAN」も、穏やかに幸せを噛みしめるカリプソ調のナンバーで、その軽さは新鮮だった。

歌い方も、ジャンルも、感情も、楽曲によって七変化できる中森明菜の実力が発揮された本作。「Blue On Pink」などの、囁くような、それでいて存在感のある歌い方からも、“すぐれたシンガーは、大きな声を張って歌うもの”という単純なイメージを、メジャーシーンで覆した革新性を改めて感じる。

何度かの活動休止を経ながらも、2021年にデビュー40周年イヤーに突入してからは、テレビやラジオでの特別番組の放送や、Xでの自身のメッセージの発信など、現在進行形の姿を見せている中森明菜。今こそ真の“歌姫”に触れてみてほしい。

ラッカーマスターサウンドで進化した、ワーナーイヤーズ・全アルバム復刻シリーズ第9弾、アルバム『BEST III』。【通常盤(2CD)】¥2,750 【完全生産限定盤(2LP)】¥5,940 【COMPLETE BOX 5枚組完全生産限定盤(2CD+2LP+CT)】¥11,550(WARNER MUSIC JAPAN)

なかもり・あきな 1982年デビュー。「飾りじゃないのよ涙は」「DESIRE ‐情熱‐」「難破船」など、多数のチャート1位ヒット曲を誇る。2023年にはセルフカバー「北ウイング‐CLASSIC‐」が発表された。

※『anan』2024年2月28日号より。文・高橋美穂

(by anan編集部)

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