2020年、水色の時代
2020年は水色の時代。水色は「人と距離を取る」という色です。「自分の部屋の中で、ひとりでゲームを攻略するかのように、好きな世界を追求していく」。そういう密室性を持った色なのです。強烈なメッセージを発して目立っていくタイプではなくて、自分が思うことを、静かだけど鋭い言葉で伝え、徐々にファンや話を聞いてくれる人を増やしていく色です。
同時に、水色は「一番力が抜けてしまった状態」の時に出る色でもあるので、やはりそこには「諦め」であったり、いつもは粘って頑張るようなところでも「もういいよ」みたいな、いったんゼロになってしまうようなところも出てくる。2020年は、世界的にもほぼ強制的に「今まで当たり前のように吹いていた風がいったんすべてストップする」という、後々まで語り継がれるような歴史的な出来事が起きました。これまで安易に「希望」を出せる状況ではなかったし、不安や怒り、苛立ち、そして悲しみなど、表情には出さないけど、多くの人が心の中で多くのストレスと格闘し、そして、対応してきた日々がありました。では、そんな2020年を終えて、2021年にかけて出ていくカラーは何なのでしょうか。
2021年への移行期の色。「潔癖の壁」のエメラルドの旋風
2020年は水色。そして、2020年から2021年への移行期に出てくるのはエメラルド。そして、2021年のメインカラーは緑になっていきます。エメラルドと緑は系統としては似ている色なのですが、実は性質的にはかなり違う部分があります。
まず、2020年から2021年への移行期に出てくるエメラルドなのですが、この色はかなり奥深い色です。エメラルドは17歳とか18歳ぐらいの時に多く出てくる色で、機能としては自分の中の「綺麗」と「汚い」を分けていく役割があります。ちょっと言い方がストレートで冷酷に感じられたらごめんなさい。この年代は、一番傷つきやすい年頃だったりします。というのは、自分が思っていることを経験の上でも、言葉のレベルでも、「伝えたいのに伝えきれない」というもどかしさを常に抱えているから。「自分が思っていることをわかってもらえない。まだまだ表現方法が未熟で、自分の思うような表現ができない」という、人と自分との間にすごく大きな壁を感じる時でもあるのです。だから、自分の中で「綺麗」とか「信じられるもの」とか「推し」とか「尊いもの」を持って、それを自分の人生を切り開くための糧としていく。逆に、「汚い」と感じたものに対してはすごく距離を取るようになります。これは「良い」とか「悪い」ではなくて、この時期に「余裕を持って生きている人」なんてほとんどいないから、潔癖になってしまうのはしょうがないところがあります。
2020年にいったん力が0になる水色が出て、2021年への移行期に「距離ができ、潔癖の壁を作る」というエメラルドが出ます。この流れのクライマックスは2020年の11月ぐらいまでで、多くの人が「距離を取る」「壁を作る」という行為に強い疲れを感じていきます。そもそも、誰しも決して悪意を持って人と距離を取り、壁を作ってきたわけではありません。ただ、それをしなければしょうがない流れがあった。もちろん、その間もただ時間をつぶしていたわけではなくて、「ひとりでできることは何か」とか「距離を取ってもできることは何か」とか、新しいやり方を考え、できる範囲で実行を続けてきました。ただやはり、限界もあるし、人と人とが一緒にならないとできないことや、湧いてこない気持ちもあると、改めてそこに気付いていった。その流れが11月まで強くあって、12月から2021年に、世の中の流れはガラッと大きく変わっていきます。2021年はどういうカラーが出て、どういう時代の流れになっていくのでしょうか。
しいたけ.さん 占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究する傍ら占いを学問として研究する。著書に『しいたけ占い 12星座でわかるどんな人ともうまくいく方法』(小社刊)、『しいたけ.の12星座占い 過去から読むあなたの運勢』(KADOKAWA)など。しいたけ.公式サイトhttps://shiitakeoffi cial.com/
※『anan』2020年12月2日号より。イラスト・100%ORANGE
(by anan編集部)