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大人気ファンタジー『羅小黒戦記(ロシャオヘイせんき)』。寒木春華(ハンムーチュンファ)スタジオ・制作者の語り下ろしインタビューが到着しました。


原作者でありTVアニメと劇場版双方の監督を務める木頭(ムー・トウ)監督と、映画『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』では副監督、『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』では監督を務める顧傑(グー・ジエ)監督が語る、『羅小黒戦記』を理解するためのヒント。

左から、ルーイエ(鹿野)、シャオヘイ(小黒)、ムゲン(無限)

── 妖精と人間が同じ世界に住む『羅小黒戦記』という物語はどのように生まれたのでしょうか?

木頭 はじめは、とにかくひとつのアニメーション作品を作りたいという気持ちでした。それで自然と、毎日一緒に暮らしていた猫を題材に選びました。日常を描く作品にはしたくなかったので、結果的にファンタジー作品になり、こうして『羅小黒戦記』は生まれました。

── その当時のことを振り返ってみて、この作品を作るにあたって抱えていた思いはなんですか? 当時一番苦労したことや楽しかったことは?

木頭 当時は創作意欲にあふれていて、体力も無尽蔵にあるような感覚でした。とにかくずっと描いていたかった。大変だったのは、物質的な部分かもしれませんね。でも友人たちと一緒に生活していたので、そこまで辛いと感じることはありませんでした。基本的に毎日が楽しかったです。あの頃はある種、とても純粋な喜びがあって、描くこと自体が楽しかった。若かったからこそ、余計な重荷や欲がなかったんだと思います。

── 日本では2019年に字幕版が公開され、さらに上映途中からは吹替版『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』も作られ、日本での人気に拍車をかけたといわれています。吹替版をご覧になったことはありますか?

顧傑 吹替版はとても素晴らしくて、日本語がわからなくても感情がしっかり伝わってきたと思います。海外の観客が作品を真剣に受け止めてくれているのを感じて、とても喜ばしく思います。自分たちの努力が認められたように思いました。

木頭 吹替版は間違いなく大きな後押しになりました。声優さんや制作スタッフのみなさんに感謝しています。ぜひ中国の風土や文化も感じてもらえたら嬉しいです。

── 黒猫の妖精・シャオヘイと、人間でありながら最強の執行人・ムゲン、そして映画『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』で初登場するルーイエには監督のどんな思いが込められていますか?

木頭 ムゲンは最初にデザインしたキャラクターです。理想化されていながらも、ちゃんとリアルで面白いキャラクターを作りたいと考えたのを覚えています。ただ『羅小黒戦記』の中のムゲンはすでに数百年を生きてきた存在なので、性格はかなり淡々としています。シャオヘイに関しては、まぁ、当然可愛い小猫ですよね。

顧傑 ルーイエは映画で描かれているとおり、クールで人と距離を取りがち。戦争によるトラウマを抱えつつ、仕事には真面目で有能な人物です。平淡な日常の中で人と関わりながら、少しずつ自分自身を探している存在。物質的な生活を楽しむタイプで、映画をよく観に行くと思います。

── 『羅小黒戦記』は特に言葉での説明がなくても直感的に理解できるシーンが多いと感じますが、監督が作品を届けるうえで大切にしていることはなんですか?

顧傑 シンプルかつ素朴であることですね。もともと感情がまっすぐな、温かい作品ですから。

木頭 理解できるだろうと思うものは、あえて説明しすぎないようにしています。説明しすぎるとくどくなることもありますから。あくまで観たときの感覚、映像体験を大切にしています。まだ至らない点もあるので、次の作品に活かしたいですね。

── 妖精たちがさまざまな能力を活かして戦うバトルシーンもこの作品の見どころのひとつだと思いますが、日本のアニメを彷彿させるようでいて、まったく新しい感覚を覚えました。先行作品から影響を受けた部分はありますか?

顧傑 日本のアニメから影響を受けていないとは言い難いですね。ただ、制作時に他作品と同じ映像体験にならないように、というのは意識しています。私たちは映画好きでもあるので、今まで観てきた作品のほんものの臨場感や、しっかりした論理性を重視しています。編集のリズムも比較的、実写映画寄りですね。

木頭 日本のアニメのバトル表現は本当に成熟しているので、似てしまう部分はどうしてもあると思います。ただ、参考資料を探すことはあまりせず、一つひとつ自分たちで考え、試行錯誤した結果が作品に反映されていると思います。独自のアクションロジックを作れたら、ということは考えています。

── 『羅小黒戦記』の世界には人間たちが住む現実にもっとも近い世界、妖精たちが住むファンタジックな世界などさまざまな場所が登場します。作品の中に、実際に参考にした場所はありますか?

顧傑 製鉄所のシーンはかなり実際の場所に近いですね。ここでのシーンは実際に廃業した製鉄所を取材して、多くの資料を得て制作しています。元の製鉄所を映画内のアクションの構成に合わせて再構築し、あの場所が誕生しています。建物、道路、鉄骨、配管、炉、錆びた質感、道端の雑草や枯れ木に至るまで、細部を拾い上げて映像に反映しました。

木頭 他の場所も、多くの場合は複合的ですが、基本的には自分たちにとって懐かしく、馴染みがあると感じる環境を描いています。

── 廃製鉄所での戦闘は動体視力が試されていると感じるほどスピード感のあるシーンでした。あの緻密な構成を生み出すためのこだわりや、難しかったことは?

顧傑 目が追いつかないと感じるのは、編集のテンポを速くして、観客にも、登場人物と同じように突発的な戦闘状況に対応する感覚を持ってもらうためです。設計は本当に難しかったのですが、特別な方法はなく、ひたすら時間をかけて磨き上げました。

木頭 彼が作りました。

── これから先、『羅小黒戦記』がどのようになっていくのか期待していますが、次作の構想はありますか?

顧傑 あります。シャオヘイは成長します。でも、まだまだ先ですね。10数年かけて、やっとひと夏が過ぎたくらいですから。

木頭 ははははは。ゆっくりと作りますよ。

── もし監督が妖精になったら、どんな能力を持ちたいですか?

顧傑 バットマンになりたいですね。お金の力で世界を救います。

木頭 それ妖精じゃないでしょ! お金持ちになりたいって言えばいいだけだよ! 私は普通の妖精でいいかな。長生きできれば、どんな能力でも文句は言いません。さぁ、来い!(笑)

── 『羅小黒戦記』に登場する妖精・人間の中で監督が一番仲よくなれそう、もしくは仲よくなれなそうだなと思うのは?

顧傑 シャオヘイとは友達になれそうですね。チーネン(池年)とルーイエは…友達少なそう(笑)。あの2人は頑固な“おじさん”ですよね。

木頭 私はムゲンとなら友達になれます。そうすると、顧傑監督は私より1世代下ということになりますね。

── 日本のファンにメッセージをお願いします。

顧傑 ぜひ映画、TVアニメともに作品を観ていただければと思います。みなさんの支持が、私たちが前進する最大の原動力です。次もとても面白い映画になります。ご期待ください。

木頭 みなさんに楽しさと幸せを受け取ってもらえたら嬉しいです。私も次作が楽しみです。

Profile

寒木春華スタジオ

2011年に木頭監督がWebアニメとして発表しはじめた『羅小黒戦記』の制作スタジオ。4文字の頭文字をとってHMCHと略されることもあり、作中にもよく登場する。

Ⓒ2026 Beijing HMCH Anime Co.,Ltd インタビュー、文・尹 秀姫

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