意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「北海道・三陸沖後発地震注意情報」です。
後に起きる地震にも注意必須。南海との違いも
昨年12月8日に青森県東方沖にてマグニチュード7を超える地震が発生。それを受けて、政府は翌9日未明に7道県182市町村に「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を出しました。
これまでは大きな地震の後に起きる揺れを「余震」と呼んでいましたが、「余震」は本震よりも弱いものという印象を受けます。ところが、近年の調べで東日本大震災も熊本地震も、本震の起きる数日前に大きな地震が起きていたことがわかりました。つまり、その後こそ注意が必要。そのため、日本海溝・千島海溝沿いにおいてマグニチュード7以上の地震が発生した時に、その後地震が発生するリスクが大きくなっていることを伝える「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表することにしました。2022年12月に運用が開始され、実際に出されたのは昨年が初めてです。
2024年夏には、「南海トラフ地震臨時情報」が出されました。この時は、特別な避難や備えを呼びかけていましたが、北海道・三陸沖後発地震注意情報は、最初の地震の発生から1週間は、日頃の備えの再確認や、発災したらすぐに避難できる準備を促します。けれども、事前避難を呼びかけるものではありません。
南海トラフと対応が違う理由は、過去のデータがないため、予測できないという背景があります。もともと北海道はアイヌ民族の居住域ですが、アイヌの文化は文字ではなく口づてによる伝承のため、事象の詳細な記録はほぼありません。そのため、本州のように地震研究が進んでいないのです。
南海トラフ地震臨時情報では、お盆の帰省を控えたり、人々が米の買い占めに走り米騒動が起きるなどの経済的な影響もありました。地震情報によりパニックにならず、「冷静に怖がる」ということも大事です。最近はインバウンドにより、地震を経験したことがない外国の方が日本滞在中に被災することもあります。そういう方々にどう伝えるかも課題ですね。
YouTubeの「内閣府防災」には、防災に関する最新情報が掲載されていますから、ぜひチェックしていただけたらと思います。
五月女ケイ子解読員から一言

余震ではなく本震の可能性を考える。ここで教わった正常性バイアスがかかりすぎないよう、避難袋の場所や地震が起きた時の動作確認などをしてみることがあります。気にしすぎも嫌ですが、実際起きなくても、たまに気にするのはいいことだと思います。
解説員
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堀 潤
ほり・じゅん ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『堀潤 Live Junction』(TOKYO MX月~金曜20:00~21:00)が放送中。著書『災害とデマ』(集英社)が発売中。
解読員
Profile
五月女ケイ子
そおとめ・けいこ イラストレーター。楽しいグッズが買える、五月女百貨店が好評。細川徹との共著、ゆるくておバカな昔ばなし『桃太郎、エステへ行く』(東京ニュース通信社)が発売中。
anan 2482号(2026年2月4日発売)より




















