伊藤:クランクインしたばかりの頃は、何を話しても「はい…」くらいで、めちゃくちゃ静かだったよね。
千葉:最初はさぐりさぐりでしたね…。きっかけは覚えてないけど、ある時、急にこの人の前ではふざけても大丈夫だって思ったら、シャンパンのコルクが抜けて…。
伊藤:そのコルクが飛んだ瞬間は見た気がする。でも、そのあたりから、現場の空気が一気に変わったんだよね。千葉さんが盛り上げてくれるから、どんどん楽しい雰囲気になって。
千葉:みなさん「ウザい」って時もあったとは思うんですが…。
伊藤:ないない(笑)。
千葉:でもそれくらい現場が楽しかった。これまで、笑っちゃってNGを出すみたいなことってあんまりなかったのに、周りが引くくらい笑いが止まらなくなったりして。
伊藤:千葉さんがはじけすぎて、その場の全員が笑っちゃったこともあったよね。あと、待ち時間に急に千葉さんが踊りだす時があって。突然。
千葉:俺、ヤバい奴みたいじゃん。でも、平安の装束を身につけていると体の動きが制限されるんで、たまに解放されたくなる瞬間があって、その時にミュージカル調に…。
伊藤:即興の歌詞で歌いだす(笑)。
千葉:沙莉ちゃんも踊れる人だから、こっちのノリに合わせて、めちゃくちゃ即興で返してくる(笑)。でもそうやって一緒にふざけながらも、真面目な話も一緒にしてくれて、そこに本当に助けられた日々でした。おかげで作品に対して、できる限り嘘がなくできたなって思ってて。
伊藤:千葉さんのすごいのは、私が「ここのシーンがちょっとやりづらいな」って悩んでたりすると、それを雰囲気で察知して声をかけてくださるんですよね。すごい周りを見ているし気遣いのできる方だなって。
千葉:僕が意外だなと思ったのは、沙莉ちゃん、クランクアップの時に涙を流したんですよ。僕はそこに感動しちゃったんだけど、そういう繊細な部分もあったんだなって。
伊藤:あるわッ! 全然、人のこと見えてないじゃんっ! でもシンプルに毎日現場に行くのが楽しみで、ああ走りきったんだって思ったら…。
千葉:普段は明るくて、そういう部分を見せないから…。そういう表に出さない優しさは、“沙織どの”と似ているのかもしれない。
伊藤:(噴き出して)…嘘?
千葉:嘘じゃないよ。あと沙莉ちゃんが演じる沙織どのは、見てるとすごく応援したくなるんだよね。
伊藤:私は、知らないものに遭遇するたびにいちいち驚く光くんの表情がかわいいなって思ってた。
[gunosy]
→千葉雄大 父に「ベッドシーン」を見られるもチェック!![/gunosy]
千葉:純粋に楽しめる作品だよね。
『いいね!光源氏くん』 地味なOLの沙織(伊藤)が自宅で寛いでいると、目の前に平安貴族の扮装をした光源氏(千葉)が現れる。最初は驚く沙織だが、なりゆきから彼を部屋に住まわすことになる。毎週土曜23時30分~NHK総合にて放送中。©NHK
ちば・ゆうだい 1989年3月9日生まれ。宮城県出身。モデルを経て2010年に俳優デビュー。出演映画『子供はわかってあげない』は6月公開予定。オフィシャルファンクラブ http://fan.pia.jp/chibayudai/
いとう・さいり 1994年5月4日生まれ。千葉県出身。子役時代からドラマ『女王の教室』などで活躍。ドラマ『ひよっこ』や『獣になれない私たち』などの演技で注目される。出演映画『劇場』など公開待機作も多数。ワンピース¥84,000(THE KEIJI TEL:03・3499・7355) 中にはいたパンツ¥25,000(Room211 TEL:03・6416・9525) イヤリング¥16,000(Jouete TEL:0120・10・6616)
この情報は変更される可能性があります。
※『anan』2020年4月29日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・寒河江 健(Emina/千葉さん) 吉田あかね(伊藤さん) ヘア&メイク・平山直樹(wani/千葉さん) 岡澤愛子(伊藤さん) 取材、文・望月リサ
(by anan編集部)