撮影が始まった途端、それまで曇天だった空から光が差し込む。まるで、幸せに満ち、輝く優香さんを照らすように。幸せの源は、昨年6月に結婚を発表した俳優の青木崇高さんとの穏やかな日々。きっかけはドラマ『ちかえもん』での共演だった。
「撮影中は、その後お付き合いをすることになるなんて、思いもしませんでした。優しい人だとは思っていたけど、彼は誰にでも同じように接していたから。でも、恋愛がどうこうの以前に、信頼できる同世代の友人・仕事仲間として、一生付き合えそうな予感はありました。いい人のふりは誰でもできるけど、仕事場で本当に疲れている極限状態でも、人に対する振る舞いが変わらなかったのを見ていたので。彼が同僚やお友達、家族とどう接するかは、相性を考える時にすごく大事ですよね」
大切な仕事仲間として、彼への尊敬と信頼を深めつつあった優香さん。ふたりの関係性が変わったのは、撮影終了後間もなくのこと。
「お付き合いをする時に『結婚を前提にお付き合いしたい』と言ってくれて。もちろん、その瞬間はいろいろ考えたけれど、彼の人柄や人との接し方も見てきて、そんな人が自分を好きになってくれたことが、嬉しかったです。好きになったきっかけですか? 実は今日も家で『アンアンさんに聞かれるかもしれないんだけど、何か特別なことあった?』って聞いてみたんですけど、いつどんな場面で何があったから好きになったという明確なことはお互いに何も思い出せなくて…」
そのくらい自然に惹かれ合った理由をどうしても知りたいとお願いすると、どんどんふたりの相性のよさが見えてきた。
「ちょっとした反応が心地よかったというのはありますね。たとえばですけど、こちらが肘でトンとつついてちょっかいを出した時、相手からしっくりくる反応があると嬉しくなりませんか? 人によっては無視したり、ギョッとしたり、ものすごく強くつつき返してきたり。いろんなパターンがある中で、そこから心地いいコミュニケーションを始められたとしたら、それは相性かなって。それと、以前、関根勤さんに『好きなものより嫌いなものがいっしょの方が夫婦としてはいいよ』と言われたことがあるんですが、それもその通りだなって思います。テレビでニュースを見ていて、悲しいとか、腹が立つとか、そういう気持ち。その感覚が同じことって大切な気がします。そこにズレがあると、日々を共にするのは難しいんじゃないかなあ。もちろん、自分の意見が絶対に正しいというわけじゃないし、違う意見を聞いて考えが深まることもありますけれど。好きな人より苦手だと思う人のタイプも彼と同じなのはよかったなって思います。それと、皮膚の相性ってあると思う。すごく素敵なんだけど、手を繋ごうとしてピンとこない人は、やはり相性という点で、合っていないのかも。『くっつきたい!』と本能で感じられる人がいいですよね」