第7世代は共に進む仲間の意識が強いけど、ネタでは負けたくないです。(岡部)
結成4年目で迎えた『キングオブコント2018』。ダークホースと評されながら優勝して以来、順調に活躍の場を広げ、バラエティ界を席巻する第7世代を代表する一組として、押しも押されもせぬ売れっ子に!
――ブームを巻き起こしている第7世代の人気者が、取材前にコンビニのおにぎりを頬張っていて、微笑ましい光景でした。
菊田:素朴でしょう(笑)。俺ら、結構頑張ってるのになあ。
秋山:お前が言うなよ! 人だかりも特にできず普通にロケできるんで、スタッフさんも「あれ? 騒ぎにならないっすね」みたいな。
菊田:騒ぎになるのはEXITくらいでしょう。
岡部:洗剤のCM撮影で菅田将暉さんと控室で談笑した時も、全然実感がなかったですね。
秋山:そのCMのポップをお店で見ても、「なんで一緒に写ってるんだ?」という違和感があって。
――第7世代の中心から、このブームはどう見えていますか?
秋山:不思議ですね。第7世代がとび抜けて面白いとされてるんですか? 僕自身がお笑いのファンなので、「第6世代もそれ以外にも、あちこちに面白い人がいますよ」って思うんですよね。
岡部:ボキャブラ世代や『めちゃイケ』『はねトび』『レッドカーペット』と、先輩のみなさんも最初は固まって出ていったように、“世代”として推進力が増して、一緒にグッといけるのはありがたいですね。ハナコだけだったら、もうスタミナ切れてます(笑)。
――他の第7世代に対するライバル意識はありますか?
岡部:仲間意識の方が強いですね。ただ、ネタでは負けたくないです。
秋山:ライバル心より先に、すごいなって思うんですよね。霜降り明星にしても宮下草薙も、四千頭身も3時のヒロインも、そんなにキャリアは変わらないのに「ネタすごいな。ロケ上手いな」って。
菊田:特に霜降りはレベルが違うよね。すごすぎてどこまで上がっていくのか見るのが楽しみ。やつらは必ず天下人になる。
――ネタ数が多いのがハナコの特徴のひとつですが、ストイックに作り続ける理由は?
秋山:千本ノックじゃないですけど、数をやった方が面白くなれるというシンプルな思いですね。
岡部:「ネタが面白いのはハナコ」と言ってもらいたくてコントを作り続けているところもあります。
――おすすめを1本挙げると?
菊田:3人が刑事の「俺だ」。僕と秋山が銃を構えてるとこに岡部が入ってきて、僕らが銃を向けるんですよ。で、岡部が「俺だ」って言って…この説明で合ってる?
秋山:大丈夫。そのやり取りを執拗に繰り返すだけのネタです(笑)。
菊田:このネタは、岡部の顔が何度やっても面白くて、毎回、笑っちゃいそうになります。
秋山:去年は毎週2本、YouTubeにあげてたんですけど、岡部が店員役でバイトのリモート面接してたら、岡部そっくりの人が応募してきちゃう「バイト面接にドッペルゲンガー」が思い出に残ってますね。リモートという制約の中でも「できるじゃん」と思えて、希望の光になった一本です。
岡部:僕は「天空龍」ですね。『遊☆戯☆王』の世界そのまま、カードゲームを全力でやってる僕と菊田に秋山がただツッコむ。誇張なしにそれだけのコントなんですけど、毎回やってて楽しいです。
秋山:ananの読者におすすめするネタではないけど(笑)。
――ネタを作らない菊田さんは、ある意味客観的な立場だと思うんですが、秋山さんと岡部さんのネタにそれぞれ特徴を感じますか?
菊田:シュールなのは秋山作、わかりやすいのが岡部作ですね。ただ、僕はどっちが作ったのか聞かないようにしてるんです。「これはたぶん秋山、これは岡部っぽい」って想像するのが楽しいから。でも、当てる自信はありますよ。「俺だ」は秋山で「天空龍」は岡部。リモートのは秋山でしょう。
秋山・岡部:当たってる~!
今年1月から、霜降り明星やチョコレートプラネットと共演するコント番組『新しいカギ』がスタート。秋山さんは、北山宏光さんと佐藤勝利さんW主演のシチュエーションコメディ『でっけぇ風呂場で待ってます』(日本テレビ系)で、ドラマの脚本に初挑戦。YouTube公式チャンネル「ハナチャン」で、新作を含む極上コントを配信中。
ハナコ 2014年結成。メンバーは、ワタナベコメディスクール同期の菊田竜大、秋山寛貴、岡部大(写真左より)。‘18年、「ワタナベお笑いNo.1決定戦」で優勝。同年9月、『キングオブコント2018』で優勝し、一躍脚光を浴びる。『ハナコのBuzzリサーチ』(OHK)など、多数のレギュラー番組に出演。
※『anan』2021年1月27日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE) インタビュー、文・小泉咲子
(by anan編集部)