大学生活を淡々と綴った動画でブレイク。
昨年6月にYouTubeにチャンネルを開設すると、1年弱でチャンネル登録者数が40万人を超えるという破竹の勢いを見せているパーカーさん。6月に発売された著書『ひとりの時間が僕を救う』は、発売前に重版が決定するほどの注目ぶりだ。実験動画やドッキリなどのチャンネルとは違い、自らを“ぼっち系”や“陰キャ”と称して大学生の日常を淡々と配信するスタイルは、決して華やかとは言い難い。失礼ながら、大学生活を楽しんでいるようにも見えない…。とはいえ、その日常をつい覗いてみたくなる衝動にかられるのはなぜか。きっと彼の中に、魅力的な才能のかけらが散らばっているはずだ…。話を聞くと、大きく4つのキーワードが見えてきた。
才能分析1:ひとりだからこその“強さ”。
――ひとりでいることがいいと思った理由、そしてひとりになって手に入れたものは何?
「大学に入ってひとりになったときに、誰にも気を使わず、そして誰かに気を使われずに素でいられることが楽だと気づいた。毎日自然と自分に向き合うようになって、人と比べることもなくなったら、自分のことが好きになれた」
才能分析2:開かれた“ぼっち”
――ぼっちなのにYouTuberってどこか違和感。一見すると相反する手段を選んだ理由は?
「誰かと喋るのは緊張するし、気を使う。どうするのが正解かわからないからつい黙ってしまうけれど、カメラ相手になら頭の中にある考えを独り言のように口にできる。人に僕の動画は送れないけど、ネットにならあげても恥ずかしくない」
才能分析3:人と違う個性を武器に。
――ネガティブに捉えていた個性をポジティブに変換し、武器にしたステップとは?
「それまで隠しがちだった人と違うと感じるところを認めて自分を好きになり、肯定することができるようになると、ありのままの自分を出せるようになった。そして『人からどう思われてもいい』と楽観的に考えられるようにもなった」
才能分析4:地に足がついたスタンス。
――流行を汲んで目立ちたいYouTuberが多い中、自分ワールドを貫く姿勢に惹かれます。
「周りで流行っていることには興味がない代わりに、自分が本当に好きなものを見つける方に意識を向けているほうが楽しい。そして小さいことに幸せを感じていたいから、たとえば大好きなラーメンを食べに行くのは月1回だけ」
パーカー 京都生まれの大学2年生。2019年にYouTubeチャンネルを開設。自称「人見知りで、コミュ障」だが、動画にたまに登場する母と姉は真逆の“陽キャ”。著書『ひとりの時間が僕を救う』(KADOKAWA)が発売中。
※『anan』2020年8月5日号より。写真・伊藤香織(The VOICE) ヘア&メイク・MIZUHO(Vitamins) 取材、文・若山あや 撮影協力・TITLES
(by anan編集部)