こんなの、読んだことない! その感覚こそが名作の道標です。
吉田尚記(ひさのり)さんのマンガの読書量は、年間、最低でも500冊!!
「まだ見ぬおもしろいマンガに出合うなら、書店のマンガコーナーに足を運ぶのがおすすめ。やっぱり書店のマンガ担当さんは読んでいる量が尋常ではないので、店頭で、力の入った手書きのポップがついている作品は狙い目です」
そんな吉田さん的ブレイク作品の共通点は、“読んだことがないマンガ”。さらに“そういう設定&キャラ、あったか!”と思わせてくれるものはいい、とのこと。
「星野さんは本人の経験がぶっとんでいて、鶴谷さんは女子高生&おばあちゃんという設定に脱帽。いずれも超オススメです」
アフリカ生まれ、日本育ち。とにかく視点がおもしろい。
星野ルネ
ここ数年で読んだエッセイマンガの中で、極北と言えるのがこの作品。カメルーンのジャングルのすぐ隣の村で生まれ、4歳で日本に移住、以降日本で育った人の経験をマンガで読めるなんて、まさに“読んだことがないマンガ”。アフリカ人である彼が感じる、日本に対するカルチャーギャップなどがテーマで、描かれる彼の体験が圧倒的におもしろく、マンガとしても本当によくできている。実は先日、星野さんにお会いしたんですが、「ジャングル行くとすぐに動物を見られると思うでしょ? でも動物も臆病だから、半日いたって見られないよ」とか言ってて、めちゃくちゃおもしろかった。次は黒人少年が主人公の、ヒーロー物を描きたいそう。
『まんが アフリカ少年が日本で育った結果』 ジャングル生まれ、日本育ち。その経験から育まれたユニークな視点で、不思議の国ニッポンを描くエッセイマンガ。¥1,000(毎日新聞出版)©星野ルネ/毎日新聞出版
星野ルネ 1984 年生まれ、カメルーン出身。母が日本人の父と再婚したのを機に4歳で来日。以降、主に兵庫で育つ。Twitterでエッセイマンガを描き始め、書籍化。現在はタレントとしても活動中。
75歳BL好きおばあちゃん、このキャラだけで最高です。
鶴谷香央理
主人公の狭い日常を描く、1ルーム的なマンガなんですが、登場人物が、75歳のBL好きのおばあちゃんと、同じくBL好きの女子高生。こんなコンビ、今までなかったし、特におばあちゃんは、とても思いつかない。でもこのご時世、いてもおかしくないキャラですよね。今の75歳、BL読んでても変じゃないですから。こういうキャラが登場したときに、マンガの革命が起こるんだって僕は思っています。今の日本は高齢化が進んでいることもあり、主人公がおばあちゃんっていうマンガも増えていて、その中の本当に秀作です。これから“おばあちゃんマンガ”はどんどん増えていくと思いますが、いずれもどう物語が終わるのかがかなり気になります。
『メタモルフォーゼの縁側』 本屋で偶然出会った、75 歳でBLに目覚めたおばあちゃんと、BLが好きなことを隠している女子高生の物語。1~ 3 巻 各¥780(KADOKAWA)©鶴谷香央理/KADOKAWA
鶴谷香央理 1982年生まれ、富山県出身。‘07年に『おおきな台所』でデビュー。本作が初連載・初コミックスで「このマンガがすごい!2019」オンナ編1位をはじめ、各マンガ賞を獲得。
識者・吉田尚記さん ニッポン放送アナウンサー。マンガ好きとして知られ、‘08年に「マンガ大賞」を発足し運営に関わる。今春よりバーチャルMC・一翔剣として、同局のラジオ番組『ミューコミプラス』に出演、同時に動画も配信中。
※『anan』2019年7月3日号より。
(by anan編集部)
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