理学療法士の石崎翔大さんに、普段使えていない筋肉の活性化につながる正しい歩き方、“コンディションウォーク”について教えてもらいました。
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筋肉を効率的に働かせる歩行エクササイズ
日々、無意識に歩く中で使いすぎな筋肉と使えていない筋肉がある。その筋肉バランスを整えてくれるのが、骨盤を意識して歩く“コンディションウォーク”。
「普段、腹筋や大臀筋、背骨についている多裂筋などは使われにくく、衰えがち。逆に、太ももの前側やふくらはぎ、首から肩にかけての筋肉は過剰に使われ、硬くなっている。でも、正しい歩き方をマスターすれば筋肉はバランスよく活性化され、体のラインが整えられます。一番のポイントは骨盤を後傾させること。骨盤を後傾させると下腹部に自然と力が入りやすくなる。するとインナーマッスルが働き、これまで過剰に使われていた背中や体前面の筋肉の緊張が抑えられます。その結果、体幹が安定し、姿勢や動きのバランスが整うことで、ボディラインがすっきりして、体を引き締めることにつながるのです」
と、理学療法士の石崎翔大さん。ただ、ウォーキングの時間を確保するのは難しい、という声も。
「出勤時やランチに出るときの短い時間でもOK。毎日、少し意識して歩くことで、徐々に効果が出て、習慣化されていくので、まずは隙間時間で始めてみて」
WARM UP
まずは、“コンディションウォーク”の肝となる、骨盤後傾を正しく行うために必要な準備運動をご紹介。
準備運動

1. 骨盤の後傾が上手くできない人はこの運動からスタート。まず、仰向けに寝たら、両脚を揃えてひざを曲げ、フロアから浮かせる。

2. 両ひざを胸に近づけ、脚を前後にゆらゆらさせる。このとき、前ももの力を抜き、下腹部の筋肉を使って引き上げるのがポイント。※まずは1分
これもやってみよう!鎖骨ほぐし

T字ラインの部分を人差し指の第2関節でぐりぐりほぐす。痛みを感じる程度の強さで、痛みが半分程度になるまで刺激するのがポイント。空気が入りやすくなり、胸骨の可動域が広がる。結果、胸骨が上がるようになり、リフトアップ効果も。※まずは3分
WALKING
基本の歩き方

歩行の際は深い呼吸も大事。鼻からたっぷり息を吸い、口をすぼめて、10秒ぐらいかけてゆっくり吐き切る。

1. 肩甲骨を下げると胸骨が上がる。骨盤は後ろに倒して、つま先はまっすぐ。これが歩行時の基本姿勢。

2. 骨盤を後傾させたまま、片脚を1歩前に踏み出す。足を地面に着ける瞬間、ひざをグッと伸ばす。

3. 内もも裏を意識しながら、かかとの内側から着地する。

4. 支持脚のひざを伸ばし、体重はなるべくかかとに残すように。そのまま反対側の脚も同様の動きを行う。
酷使している筋肉を休ませ、使っていない筋肉を動かすスイッチとなる姿勢が骨盤後傾。意識して正しい歩き方をマスターしよう。
POINT
コンディションウォークの大事なポイントとなる「骨盤」と「肩甲骨&胸骨」。3つのパーツについてしっかり確認!
骨盤|反らした腰を元に戻すと骨盤後傾に

腰を反らす→元に戻して骨盤後傾に
通常は骨盤がまっすぐに立った状態だが、コンディションウォークでは、恥骨を引き上げ、坐骨(お尻の下にある骨)を引き下げて、骨盤を後傾にする。「骨盤を後ろに倒す感覚が掴めない人は、一度お腹を伸ばしてお尻をやや突き出しながら下げるつもりで、腰を反らしてみるのがおすすめ。反ったところから上半身だけ元に戻せば、骨盤後傾の姿勢に」

このとき、下半身の力が抜けて、ひざを曲げないように注意しよう。
肩甲骨&胸骨|肩甲骨を下げると連動して胸骨が上がる

肩甲骨 力が入りすぎて肩甲骨を寄せるのはNG。肩も上がらないよう注意しよう。

【胸骨】姿勢を良くしようとして、胸を張ったり、反り腰になるのはNG。
コンディションウォークでは肩甲骨を下げることを意識して。肩甲骨を下げると、連動して胸骨は引き上がる。「胸骨とは、胸の真ん中を縦に走る骨のことで、その上部が斜め上に引き上がる感覚を覚えましょう。また、肩が上がるとインナーマッスルを使った呼吸にならないので、お腹まわりのスリム効果は半減。呼吸するときは胸骨の内側に空気を入れることを意識して」
教えてくれた方
Profile
石崎翔大
いしざき・しょうた 理学療法士。船橋整形外科病院入職後、関西や東京のクリニックを経て「GDS Clinical Lab」を開業。これまでの総施術数は8万件以上。著書に『あらゆる悩みを歩きながら根本解決! 100年歩き』(集英社)がある。
写真・中島慶子 スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・浜田あゆみ モデル・横川莉那(スペースクラフト) イラスト・阿部伸二 取材、文・関川直子
anan 2482号(2026年2月4日発売)より

























