
肩がガチガチ&首がゴリゴリ。さらに鏡に映った自分を見ると背中が丸まって、なんだかカッコ悪い…!!(号泣) その一因は、首から胸までの背骨が丸まって、胸が下がり気味な状態である、“猫背”にあるかも? 整形外科医の中村格子先生とパーソナルトレーナーのユウトレ先生にお話をうかがいました。
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猫背とは…

胸の前の筋肉が縮む一方、背中の筋肉が弱くなることで前傾してしまう。胸から首にかけてが前かがみになることで、背中が丸く。見た目も良くない。
本来は緩く後弯しているべき胸椎が、前方に向かって丸まっている状態のこと。それにより、頭と肩が本来よりも前に出てしまう。主に長時間の前かがみ姿勢が原因。
自分でできる、猫背チェックリスト
・壁に背を向けて立ち、かかと、お尻、肩甲骨を壁につけたとき、後頭部だけ壁につかない。
・普段の姿勢を横から見たとき、背中が丸まっている。
・仰向けに寝ると、枕が欲しくなる。
・普段の姿勢のとき、胸(乳頭)が下を向いている。
・歯を食いしばりがち。
猫背で起こる問題
パソコン作業が長い人、要注意ですよ
うつむく姿勢が長時間続くことで胸の筋肉が引っ張られ、徐々に背中が丸まっていき、気がついたらすっかり猫背! なんてことも。
「猫背は、座っているときの姿勢との因果関係が深い。パソコンやスマホを覗き込もうと前かがみ姿勢になったり、また骨盤が後傾した状態で長時間座るのも猫背を誘引します。猫背は胸郭や肋骨、人によっては横隔膜も圧迫するので、呼吸がしにくくなり、内臓、特に心肺機能の低下に繋がることも。呼吸が浅くなることで自律神経の働きが悪くなり、逆流性食道炎や、便秘の症状が出ることもあります」(整形外科医の中村格子先生)
猫背改善エクササイズ
猫背=背中が丸まり、悪化すると巻き肩が加わり、お腹がぽこっと出ることも…。それを防止するには、胸を開く動きが欠かせません。さらに背中をひねる運動で、丸い背中を改善していきましょう!
猫背改善エクササイズ1:ブックオープニング
横向きに寝て腕を開き、上半身をひねることで、猫背の改善に一役買ってくれるエクササイズ。痛くもない、難しい動きもない、しかも気持ちがいい! この簡単さ、運動に慣れていない人でも毎日できそう~。
HOW TO
1、横向きに寝て、膝を直角に曲げ、足の先、膝、手のひらをぴったり合わせる。顔は横向き。
2、足と膝はつけたまま、ゆっくり呼吸をしながら片腕を開き、できる限り床に近づける(無理はしないでOK)。顔は動かす手を見る。左右5回ずつ行う。

1、足、膝、両手をぴったり合わせる。膝は直角に曲げる。

2、下半身は重ねたまま動かさず、上半身をひねるのがコツ。
猫背改善エクササイズ2:プレッツェル
鉄板が入っている?! と思うほど硬い背中も、この運動を繰り返せばマシュマロ化! ひねる動きを行うことで、肋骨や胸椎、肩甲骨まわりの筋肉がほぐれ、背中の厚みを減らすことに繋がるそう。どんどんひねりたい!
HOW TO
1、膝を立てて座り、手はお尻の後ろにつく。
2、両膝を左に倒しながら下半身をひねる。
3、右腕を左に回して上半身をひねり、左腕を遠くに伸ばし、右手を左手の手首の上に置く。
4、右肩を床につけるようさらに上半身をひねり、骨盤から首までを一直線にして30秒キープ。左右5回ずつ行う。
猫背改善エクササイズ3:ニーリングトルソー
背中をしっかり反らすことで、クセになりがちな前かがみ姿勢を改善しよう。実は猫背は、腹筋の弱まりも一因。背中を反らすことで腹筋を刺激、お腹で体を支えられるようになり、猫背防止に繋がります。
HOW TO
1、膝立ちの姿勢になる。足は肩幅くらいにに開き、足の指は立てる。
2、左手で左のかかと、右手で右のかかとを掴む。
3、両手でかかとをグッと押して胸を開き、ゆっくり深呼吸を5回行う。
Profile
中村格子
なかむら・かくこ 整形外科医。「Dr.KAKUKOスポーツクリニック」院長。著書に『硬い体をほぐす かんたんストレッチ』(成美堂出版)など。アスリートからの信頼も厚い。
ユウトレ
パーソナルトレーナー。ピラティス&パーソナルジム「NewAns西新宿」代表。毎日SNSでエクササイズ情報などを発信。ベストセラー本『立ち腹筋』(ワニブックス)など。
anan 2465号(2025年10月1日発売)より