いま「自分の付加価値」に、関心が高まっているのを知っていますか? 付加価値=隠れた能力を見直すことで、自分自身の新たな“強み”に出合えることも! まずは“付加価値”を磨くことの大切さをマンガで解説。
改めて考える自分の付加価値って何?
個の力が必要とされる時代のなかで、自分の付加価値を考える人が増加中。“人の付加価値づくり”にまつわるヒット本の著者に、その高め方を教えていただきました。


視点を変えれば誰しも付加価値が見つかる!
“付加価値”とは、商品などにつけ加えられた、プラスαの価値を意味する言葉。近年、自分自身に付加価値をつけることにも関心が高まっている。書籍『このオムライスに、付加価値をつけてください』の著者で編集者の柿内尚文さんによると、「人の付加価値づくりは、自分の強みを見つけることにつながる」という。
「そもそも価値には3種類あると考えられます。それは想定内の価値である『既存価値』と、想定外の価値の『付加価値』、付加価値になっていない『不要価値』です。洋食のパセリに例えると、パセリがなくても洋食は成立するので、パセリは既存価値ではありません。食べる人が、パセリの殺菌効果などついている意味を理解していれば、付加価値となります。しかし、ついている理由を知らなかったり、知っていても嬉しくなかったりすれば、不要価値となるのです」
つまり、何かが付加されていたとしても、それが必ずしも付加価値になるとは限らないということ。
「大切なのは、付加価値のアウトプットの仕方。また、付加価値は新しい何かを身につけるだけでなく、もともと自分の持っているものから育てることも考えるといいです。視点を変えれば、誰しもそのタネが見つけられるでしょう」
では、具体的にどのように見つけたらいいのだろう。
「まずは自分を深掘りし、付加価値となり得るタネを探しましょう。ポイントは、自分に対する問いの立て方です。『自分は何がダメなのか』とネガティブな問いを立てると、悪いほうへと考えてしまうのでNG。一方、『自分はどうしたら良くなるんだろう』『自分の良さは何だろう』という問いを立てれば、良いところを見つけようとしますよね。そうするうちに、例えば『真面目な性格』など付加価値のタネが見つかるはずです」
タネが見つかったら、次にやるべきは、それを磨くこと。
「おそらく最初は『真面目』など簡単な言葉が出てくると思うので、特色を出すためにその言い方を変えてみたり、どの分野でとくに真面目なのか考えたりしながら、的を絞っていくのです。あと、少し技術は必要ですが、『○○界の××』など自分のキャッチフレーズを作ってみるのもいいですよ」
そして、それを考えるだけでなく、積極的に人に伝えよう。
「パセリの話でもそうでしたが、自分が利点だと思っていても、相手がそれを知らなければ付加価値にはなりません。人は忘れっぽい生き物なので、事あるごとに言葉でアピールを。その際、付加価値となり得る事柄を、より具体的に伝えることが大切です。また、付加価値になるかどうかは受け手次第なので、需要も意識しましょう」
なかなか自分の付加価値のタネが見つけられないという人は、人に聞いてみるのも手。
「自分にとって普通のことが、他者にとっては特別であることも。最初は難しかったり、気恥ずかしかったりするかもしれませんが、コツさえ掴めば誰もが付加価値を見つけ、高めることができますよ」
お話を伺った方
Profile
柿内尚文
編集者。アスコム常務取締役。これまで企画した本やムックの累計発行部数は1400万部以上、10万部を超えるベストセラーは60冊以上。今年発売の著書『このオムライスに、付加価値をつけてください』(ポプラ社)がヒットを記録。
anan 2466号(2025年10月8日発売)より