血管力が温活の効果を左右する
温活と切っても切れない関係にある毛細血管について専門家が解説。血管力を上げるヒントも要チェック!
毛細血管は年々ゴースト化する!?
医師、医学博士・根来秀行さんによると、温活成功のカギを握るのは毛細血管の力、すなわち“血管力”だという。
「血管というと動脈など太い血管を思い浮かべがちですが、カラダの血管の実に99%は、毛細血管。直径約100分の1mmと極細ですが、全身にくまなく張り巡らされていて、細胞と酸素や二酸化炭素、水分や栄養素、ホルモンなどをやりとりして、細胞呼吸を促します。つまり、命の要といえます」
毛細血管には、熱を運ぶトンネルの役割も。脳や肝臓、筋肉で作られた熱は血液に乗り、毛細血管を通して全身に運ばれる。
「そんな毛細血管ですが、実は消えてなくなる“ゴースト化現象”を起こすことが分かっています。加齢や生活習慣病は毛細血管を劣化させ、ゴースト化を起こす代表格。さらには冷えや運動不足で血流自体が低下すると、毛細血管は形を保てずゴースト化します」
血管力を取り戻すには、血流を促す入浴やマッサージをはじめ、各種ホルモンのサポートも重要。
「成長ホルモンをはじめ、睡眠ホルモンであるメラトニン、ハッピーホルモンのセロトニンなどは血管力を高めるアンチエイジング・ホルモン。分泌を促すには体内時計を整え、自律神経のバランスを整えた上で睡眠の質をよくすること。具体的には、朝日を浴びる、ウォーキングする、腹式呼吸をするなどですが、これらは温活だけでなくあらゆる健康法の要になるので、ぜひ実践してください」
熱を運ぶ“血管力”をCheck!
血管力診断リスト
下のリストは、血管力が衰えていると起こりやすい症状の例。当てはまるものを全部チェックしてみて、チェックの数が多ければ多いほど血管力が衰えている証拠。特に3個以上なら要注意。さらに、ゴースト血管が増えているかもしれない!?
□肌がくすみがちでザラザラする。
□よく寝ているのに目の下に青グマが。
□気がつくと青あざができている。
□喉や口が渇きやすい。
□下まぶたの裏が白っぽい。
□すぐ鼻血が出てしまう。
□イライラしたり落ち込んだり、気分の上がり下がりが激しい。
□頭痛、肩こり、腰痛などがある。
□寝つきが悪い、眠りが浅い。
□めまい、動悸がすることがある。
□だるい、風邪をひきやすい。
□いつも手足が冷たい。
□爪が白っぽい、欠けやすい。
□抜け毛、白髪が急に増えた。
末梢の血流テスト
指先の毛細血管の血流をチェックするテストで、救急医療や災害医療の現場でも行う検査法。爪を指で圧迫して血流を止め、一時的に白くする。指を離して2秒以内に赤みが戻ればOK。2秒以上かかると末梢の血流が悪くなっていると判断される。
人さし指の爪の部分を、逆の手の指で上下から挟み、5秒くらい圧迫する。
挟んでいた指を離し、爪の色を観察する。2秒以内に赤みが戻れば正常。
根来秀行さん 医師、医学博士。ハーバード大学&ソルボンヌ大学医学部客員教授。近著に『負けないからだをつくる 新しい免疫力の教科書』(朝日新聞出版)。
湯たんぽカバー¥13,200 ソックス¥3,850(共にLABOUR AND WAIT TOKYO TEL:03・6804・6448) ストール¥62,700(Joshua Ellis/グリニッジ ショールーム TEL:03・5774・1662)
※『anan』2021年12月22日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・白男川清美 イラスト・中根ゆたか 取材、文・風間裕美子 撮影協力・AWABEES UTUWA
(by anan編集部)