Q.洗濯したらニットが縮んでしまいました! 元どおりにするには?
A.仕上げにスチームアイロンで伸ばしながら形を整えて。
自宅でニットを洗濯するなら、おしゃれ着用の中性洗剤でつけ置き洗いを。洗濯機を使うなら洗濯ネットに入れて手洗いコースで。水の中ではできるだけニットを動かさないことが鉄則。
「それでも縮んでしまった場合は、干す際に少し引っ張りながら形を整えて。そして乾いたら、スチームアイロンを当てると繊維が蒸らされて柔らかくなるので、さらに引っ張りながら形を整えていくとある程度は戻ってきます」
ちなみに、自宅でニットを洗いたいなら、ポリエステルやアクリルなど縮みにくい合成繊維混の素材を選ぶと手間がかからないとか。
Q.よれっとしたニットやカットソーの衿元、袖口、裾を元どおりにするには?
A.伸びた部分を水で濡らして乾燥機にかけてみよう。
ニットやカットソーは手洗いをするか、必ず洗濯ネットに入れて手洗いコースで洗濯を。そして、形を整えて平干しすること。こうして再度洗濯すれば、かなり復活するはず。
「それでも戻らない場合は、衿元や袖口、裾などヨレや伸びが気になる部分のみ霧吹きなどでしっかりと濡らして、乾燥機にかけて。これは、濡れているものを乾燥機で一気に乾かすと、生地が縮みやすいという特性を利用したもの。乾いている部分は縮まないのでご安心を」
Q.ニットやカットソーの毛玉をできるだけ作らなくするには?
A.アイロンを使って生地の毛羽立ちを押さえて。
毛玉はそもそも毛羽立った繊維が絡まり、丸まってできるもの。そして、その原因となるのは摩擦なので、洗濯は優しく手洗いが基本。
「洗濯した衣類は繊維の表面が毛羽立った状態なので、アイロンでプレスをして毛羽立ちを押さえてあげると効果的。これで毛玉ができるリスクが減らせるはず。しかし、なかには生地の特性上、絡まりやすいものも。その場合は、着用後に衣類用ブラシでブラッシングして、絡まりをほぐしてあげるのがおすすめ。また、手で生地を押さえるように軽く撫でてあげるだけでも、毛玉ができるスピードが違ってきますよ」
Q.濃い色、天然染料の色落ちを防ぐにはどうしたらいいの?
A.塩+中性洗剤で手洗いし、天日干しはしないこと。
黒い生地がうっすら赤みを帯びてきたり、天然染料の服がみるみる色褪せしてきたり。そういった状況は洗濯方法を少し変えると、ある程度抑えることが可能。
「衣類を水の中で動かすと染料は落ちていきます。それを食い止めるには、中性洗剤と染料を繊維に定着させる塩を溶かした水(水5Lに対して洗剤と塩は各大さじ1)でつけ置き洗いを。汚れは溶け出てくるので、優しく押し洗いすればOK」
脱水をかけすぎると染料も一緒に抜けるので要注意。そして、紫外線を避けて必ず室内干しを。
なかむら・ゆういち 長野県伊那市のクリーニング会社「芳洗舎」3代目。洗濯から考えるよりよい暮らしの提案を行い、「衣・食・住」における「衣文化」の革新に取り組む。「洗濯王子」の愛称で各種メディアに多数出演。
※『anan』2021年3月17日号より。写真・北尾 渉 イラスト・サヲリブラウン 構成、文・野尻和代
(by anan編集部)