立ち上げだけでなく持続できる仕組みを。見守る社会が肝要。
いま、日本の子どもの7人に1人が相対的貧困に陥っています。そこで民間から支援のひとつとして広がったのが「子ども食堂」です。週に1回もしくは月に1回程度開催され、子どもが一人で参加し、無料または低料金で食事を摂れるというもの。全国に2286か所まで拡がってきました。
数が増えたのは喜ばしいことですが、実は問題を抱え閉じてしまった食堂も少なくありません。自治体やNPOが支援しているケースもありますが、個人が集い、手弁当で始めているところがほとんど。食材を持ち寄り、地元の飲食店や企業に提供を依頼するなどしてやりくりしているため、継続するのは大変なんです。主催者が途中で仲たがいをしてしまったり、食中毒が出て閉鎖に追い込まれることも。最大の問題は、「子ども食堂=貧困」というイメージがつき、子どもが通いづらくなってしまったということです。
子ども食堂には、子どもの孤食問題を解決するという目的もあります。親に500円玉1枚を渡され、コンビニでカップ麺やおにぎりを買って一人で食事を済ます子どもたち。栄養面の偏りだけでなく、困ったことがあっても相談する人が誰もいないという孤立が深刻な問題です。子ども食堂へ行けば友達もできますし、ボランティアのお兄さんお姉さんに宿題をみてもらったり、ゲームをして遊んだり。子どもの居場所づくりが可能になります。
子ども食堂はまだ不足しています。問題を解決するため、事故に対応できるよう保険参加を支援するクラウドファンディングが立ち上がったり、地元の人が誰でも集える場所として、名称を「じもと食堂」にしてみたり。文京区では非営利団体と共同で、貧困家庭に食事を届ける「こども宅食」を始めました。食事を届けるだけでなく、親や子を孤立させないつながりを作ることを重視。この取り組みの支援には、ふるさと納税も使えるようにしました。
子どもを地域で見守るということが大事なスタンス。「こども食堂ネットワーク」のHPでは近くの子ども食堂が調べられます。行政、企業、NPO、個人が協力し合って、社会問題を解決することが必須になってきています。
堀 潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。新刊『堀潤の伝える人になろう講座』(朝日新聞出版)が好評発売中。
※『anan』2018年7月4日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子
(by anan編集部)
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