脂質をたっぷり摂って太りにくい体にする、食べ方の新ルール“脂質起動”。その脂質重視の生活に欠かせないのが良質な油。植物由来の食用オイルの中にも様々な種類があり、それぞれ異なった特徴がある。そこで体にいい代表的なオイルと正しい摂り方を紹介。
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様々な種類のオイルをバランスよく摂取して
様々な植物を原料に、丹念に搾油・精製されるオイル。その主成分である「脂肪酸」によって、オイルの種類は分かれる。そこで脂肪酸について、『金田油店』アドバイザーの青木絵麻さんが解説。
「脂肪酸は、体内で重要な働きをする栄養素です。脂肪酸にはたくさんの種類があり、それぞれ体内で異なる働きをします。まず脂肪酸は、一般的に、固形で乳製品や肉などの動物性脂肪に多く含まれる『飽和脂肪酸』と、液状で植物油に多く含まれる『不飽和脂肪酸』の2種類に大別されます。さらに不飽和脂肪酸は構造で分類されており、食生活の中で積極的に摂りたいのがオメガ9系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸です」
また最近、ボディメイクやエイジングケアに最適なオイルと話題になっているのが中鎖脂肪酸。
「脂肪酸は、炭素がいくつも連なった構造をしていて、その炭素鎖の長さによって、長鎖・中鎖・短鎖に分類されます。オメガ9系やオメガ3系は長鎖脂肪酸に分類され、それに比べて、ココナッツなどに多く含まれる中鎖脂肪酸は、素早く消化・吸収され、すぐにエネルギーになることから、アスリートの方やダイエット中の方に重宝されています。ただ、どの脂肪酸も体に大切な働きをしているので、特定のものに偏らずに、食生活に上手に様々なオイルを取り入れて、バランスよく摂取することが理想の体作りをサポートしてくれるといわれています」
そこで特に体に良い働きをする脂肪酸をピックアップし、ジャンルごとに代表的なオイルの種類とその特徴を総まとめ。オイルの個性や正しい摂り方を知り、食生活に上手に活かしてみよう。
長鎖脂肪酸
オメガ9系脂肪酸
体内でも生成できる脂肪酸だが、血管の健康や体内の炎症を抑制する効果が期待でき生活習慣病の予防にもなる「オレイン酸」を含む。腸のぜん動運動を促し、腸活にも適している。酸化しにくく、日常的に取り入れやすい。
使い方のPoint
- 酸化しにくいから加熱OK。
- 調味料やサラダ油代わりに。
① 米油|クセがなくマイルドな味わいで、軽い使い心地が魅力

圧力のみで搾られた「圧搾一番搾り 国産こめ油 紙パック600g TSUNO」¥1,296。米ぬかの栄養成分「γ-オリザノール」の含有量が高く、大さじ1で1日に必要なビタミンEの半分以上が摂れる。
玄米を精米する際に出る米ぬかや胚芽を原料とした植物油。旨味はありつつも油っぽさがなく、サラッと軽い口当たり。揚げ物に使うとカラッと仕上がる。ドレッシング、炒め物、お菓子作りなどにも幅広く使える。
② オリーブオイル|コクも香りも上品で、料理のアクセントにピッタリ

手摘みしたオリーブを鮮度が良い状態で搾油。フルーティな香りがたまらない「【南アフリカ産 デザイン3種】リオラルゴEXVオリーブ油 250ml瓶」¥2,484。3種類のボトルデザインから選べる。
多くの植物油が種子から搾油するのに対して、オリーブオイルはオリーブの“果実”を搾っているのが特徴。そのため素材本来の風味が楽しめるだけでなく、ポリフェノールやビタミンEなどの抗酸化物質を多く含む。
オメガ3系脂肪酸
体内で合成できないため、食事から摂取する必要がある「必須脂肪酸」。炎症を抑える物質の原料となり免疫力の調節にも役立つ。また血液中の中性脂肪を減らしてくれるともいわれているが、日本人は欠乏気味。
使い方のPoint
- 料理の仕上げにかけて使用する。
- ドリンクに混ぜるのもおすすめ。
① エゴマ油|あっさりとした味わいで、無臭のため使いやすい

もともとアトピー患者向けの養生食用に開発された「純えごま油(187g瓶)」¥1,814。そのまま飲めるほど、さらっと軽く油っぽくないのが特徴。
シソ科のエゴマの種子を搾った油。必須脂肪酸「α-リノレン酸」を含んでおり、体内に入るとEPA などに変換されるため「畑の青魚」とも呼ばれている。
② アマニ油|少し苦みがあり、味わいもナッツのよう

北海道の生産者が種から栽培。低温圧搾法で製造した「BONANZA OIL 北海道産アマニ油110g」¥1,980。優しい苦みで、アマニ油初心者向け。
亜麻の種子から抽出される油。エゴマ油と同じ必須脂肪酸「α-リノレン酸」を多く含んでいるが、エゴマ油よりクセがあり、香りや苦みもやや強め。
③ インカインチ油|熱に強いのが特徴! 青く清々しい香りが漂う

低温圧搾後、フィルターでろ過して不純物を取り除いた「【オメガ3+抗酸化ビタミンE】インカグリーンナッツオイル(インカインチ)」使い切りタイプ4g×30包パック¥1,836。個包装で酸化しにくい。
南米ペルーのアマゾン熱帯雨林が原産地のインカグリーンナッツの種子を搾った油。強い抗酸化力があり、細胞の酸化を防ぐためアンチエイジング効果が抜群。熱に弱いオメガ3系の油としては珍しく加熱調理OK。
中鎖脂肪酸
ココナッツやパームの種子など、主にヤシ科の植物に含まれる天然成分のこと。長鎖脂肪酸と比べてエネルギーになるまでの速度が約4倍! 肝臓で「ケトン体」に変化しやすく、ケトン体は脳に運ばれて神経細胞に優しいエネルギーになるが、最初はお腹が緩くなる可能性も。
使い方のPoint
- 初めは少量から使用する。
- 体が慣れたら1日大さじ1杯摂取。
① ココナッツオイル|ココナッツの甘い香りが特徴。料理やお菓子に便利に使える

ココナッツの果肉を乾燥させたコプラを原料にした「ココウェル 香りのない有機ココナッツオイル460g」¥1,188。通常より甘い香りがなく、固まっても袋ごと湯せんできるので使いやすくて便利。
ココナッツの果肉から抽出されるオイル。一般的に甘い香りが特徴で、お菓子作りに使われることが多い。酸化しにくく、加熱にも強いので、料理にも便利に使える。ただ、気温の変化に応じて固まることが。
② MCTオイル|中鎖脂肪酸の含有量が、ココナッツオイルの約1.5倍

中鎖脂肪酸を約92%含有した「ココウェル 有機ココナッツMCTオイル 280g瓶」¥1,944。固まりやすい脂肪酸を自然製法で取り除いた液状タイプ。自然製法のため、一般的なものより香りが甘め。
MCTとは中鎖脂肪酸の略。ココナッツやパームに含まれている中鎖脂肪酸だけを取り出して製油したもの。中鎖脂肪酸の含有率が高いため、満腹感を向上させる効果が。無味無臭のものが多いが、加熱調理は不向き。
教えてくれた方
Profile
青木絵麻
あおき・えま 『金田油店』アドバイザー。油セミナー講師のほか、Webコンテンツ制作やレシピ開発に従事。著書に『からだを活性化させる魔法の油! 「オメガ3」レシピ』(講談社)など。
information

金田油店
東京・浅草橋で150年続く油専門店。30種類100アイテムほどの良質な油を取り扱う。東京都台東区浅草橋2-6-2 TEL. 03-3861-1315 12:00~18:00 水・土・日・祝日休 https://www.abura-ya.jp
anan 2482号(2026年2月4日発売)より

























