温め食材たっぷりの朝粥&夕鍋で温活体質に。
体を冷やすと免疫力が落ちるばかりか、消化器系が弱まり食欲がなくなって、ストレスを抱えがちに。食事、適度な運動、睡眠のサイクルを整えるライフスタイルを心がけたい。
「温かいものを食べると胃の裏側にある大動脈が活性化され、全身に血が巡るように。五臓を温めて元気にすることで心身が潤うだけでなく、女性ホルモンバランスも整います」(料理家・井澤由美子さん)
そのためにも、薬膳や栄養学、中医学を取り入れた“温め食材”を使った朝粥&夕鍋を積極的に摂るようにしよう。
「消化が良く、胃腸にやさしいお粥は、寝起きの冷えた体にぴったり。巡りが良くなることで交感神経が優位になって目覚めのスイッチが入り、スムーズに一日をスタートできます。そして夕食には、栄養をまるごと吸収できるサプリメントのような鍋料理を。旬の食材の“効能”と汁気たっぷりの鍋は、体内を潤しリセットします。快眠のため就寝3時間前には食べ終えたいですが、難しい場合は入眠作用のあるセロトニンを含む卵や大豆製品を摂るのがおすすめ」
朝と夜、それぞれのバイオリズムに合わせたメニューで、効率的な温活を心がけたい。
【血の巡りを良くして体を温める食材】
鶏肉、羊肉、卵、えび、鮭、鯖、マグロ、ニラ、生姜、ニンニク、玉ねぎ、山芋、パクチー、シナモン、ナツメグ、クローブ、胡椒、山椒、唐辛子、豆板醤、ターメリック、辛子、黒糖、酢、みそ、ナッツ類、納豆、梅干し、酒粕、焼酎など
ここでは、朝粥レシピをご紹介します!
朝粥のチカラ
1、胃の中から体を温め目覚めのスイッチがオンになる。
2、消化が良いので体のすみずみまで栄養が行き渡る。
3、朝の温かいものと塩分は代謝を良くし、デトックスにもつながる。
体を起こして温める、朝粥レシピ。
古くから滋養に欠かせない存在だったお粥は、朝に食べることで、体内のデトックスを促しながら目覚めへと導いてくれる。シンプルな白粥から一手間かけたごちそう粥まで、朝にぴったりな3品です。
【体を目覚めさせる】基本の白粥 梅あんを添えて
米から炊くのに手軽に作れて失敗知らずの白粥は、米のやさしい甘さが胃に染み渡る。加熱することで血流が良くなる梅干しと葛を使った梅あんを添えれば、さらなる温活効果が。
【白粥】
材料(2人分)
米…1/2合、水…3~4カップ、塩…ひとつまみ
作り方
(1)米は洗って水(分量外)に30分浸し、ザルにあげる。
(2)鍋に水を入れて沸騰させ、(1)を入れて軽く混ぜる。フタをずらして中弱火で15~20分ほど炊き、塩をふり混ぜ、火を止める。
【梅あん】
材料(2人分)
A[梅干し(塩分15%)…中3個、赤しそ…適量、昆布出汁……1カップ、みりん…大さじ2]、葛粉…小さじ1~2、水…大さじ1
作り方
(1)梅干しは種ごと軽くちぎる。葛粉は水で溶いておく。
(2)小鍋にAを入れ、火にかける。
(3)煮立ったら水溶き葛を加え、透明感が出るまで中火で2分ほど煮る。
【食欲がない時に】山薬みそとろろ粥
もち米を叩いてから炊くお粥は、とろみが強く保温効果が。山薬の異名を持つ山芋は、すりおろして熱を加えることで滋養アップ。温泉卵や生姜、みそなど温め食材が豊富な一品。
材料(2人分)
もち米…1/2合、水…3~4カップ、塩…ひとつまみ、山芋…200g、みそ…小さじ1、出汁(濃いめ)…大さじ2、温泉卵…2個、おろし生姜…適量
作り方
(1)洗って浸水させたもち米を袋に入れて軽く叩き、「基本の白粥」の作り方に沿って炊く。
(2)山芋は皮をむいておろし、みそと出汁を混ぜる。
(3)(1)に(2)を入れ、さっくりと混ぜて(2)を温めてから器によそい、温泉卵、おろし生姜を添える。
【疲れが残っていると感じたら】秘伝のピータン粥
鉄分やビタミンを含み、血を作るのを助けて体を元気にするピータンは、ごま油を絡めて炊くことで臭みが消えなめらかに。トッピングのパクチーやかぼちゃの種も温活食材。
材料(2人分)
米…1/2合、水…3~4カップ、ピータン…2個、A[塩…ふたつまみ、ごま油…小さじ1]、パクチー、かぼちゃの種…各適量
作り方
(1)米は洗って、30分浸水させてからザルにあげる。
(2)鍋に(1)、ピータン、Aを入れ、手で潰しながら全体をよく混ぜる。水を注ぎ、フタをずらして中弱火で15~20分ほど炊く。
(3)器によそい、刻んだパクチーとかぼちゃの種を添えてごま油(分量外)をたらす。
井澤由美子さん 料理家。中医学や薬膳に造詣が深く、発酵食レシピの開発がライフワーク。NHK『きょうの料理』『あさイチ』をはじめメディアでも活躍する。レシピ本も多数出版。
※『anan』2022年12月14日号より。写真・津留崎徹花 スタイリスト・荻野玲子 料理作製・井澤由美子 取材、文・宮尾仁美 撮影協力・UTUWA
(by anan編集部)