クリームましましの甘いものに溺れたい。そんな願いに応えてくれたのは料理家の田中美奈子さん。レシピの軸はタイプ違いのクリーム2種。
「しっかりめのバタークリームと、軽くて扱いやすいマスカルポーネクリーム。どちらもアレンジの幅が広く、水分が少ないので冷蔵庫で3日くらい持ちます」
えいっと多めに作れば、いろんなメニューに応用できる。
「ビスケットやパンなど市販品にはさむだけ、のせるだけ。アレンジの鍵は、香りのアクセントを足すこと。例えばレーズンサンドにはラムの香るレーズンを、フルーツサンドにはサワー生地のパンの香ばしさで味にメリハリを」
残ったら冷凍保存もアリ。
「バタークリームは水分が少ないから冷凍向き。1回分の量をラップにくるんで、冷凍庫にポン。マスカルポーネもアイスケーキ風のカッサータにしておけば長持ちします」
たっぷり作って、甘々タイムを心ゆくまで楽しもう。
バタークリーム
こってり、のち、とろ~り。レトロな甘さに心が和む。
口の中でとろける濃厚なバタークリームは和洋を問わずアレンジ自在の一品。粒子の細かい粉糖を使えばなめらかでやさしい甘さに。
基本のバタークリーム
【材料/作りやすい分量】
無塩バター…200g、粉糖…300g
【作り方】
(1)バターを室温にもどしておく。
(2)(1)のバターと粉糖をボウルに入れて、スパチュラで混ぜ合わせる。
バターレーズンサンド
【材料/作りやすい分量】
A[レーズン(油・砂糖不使用のもの)…20g、ラム酒…50g]、お好きなクッキーやビスケット…適量、基本のバタークリーム…適量
【作り方】
(1)Aを合わせ、一晩漬けてラムレーズンを作る。
(2)基本のバタークリームとキッチンペーパーで水分をよく切った(1)を混ぜ合わせ、レーズンクリームを作る。
(3)クッキーやビスケットに(2)を適量はさむ。
バタークリームどら焼き
【材料/作りやすい分量】
市販のどら焼き…2個、基本のバタークリーム…適量
【作り方】
市販のどら焼きに、基本のバタークリームを好みの量はさむ。
シュガーバタークリームトースト
【材料/作りやすい分量】
食パン…1枚、グラニュー糖…10g、基本のバタークリーム…20g
【作り方】
(1)食パンに基本のバタークリームを塗り、グラニュー糖をふりかける。
(2)オーブントースターで(1)の表面に焼き色がつくまで焼く。
マスカルポーネクリーム
ふわふわ、軽やかな食感とミルキーなコクがくせになる。
イタリアのクリームチーズ、マスカルポーネを使った軽めのクリーム。グラニュー糖の代わりに練乳を使うことでミルキー度UP。
基本のマスカルポーネクリーム
【材料/作りやすい分量】
A[生クリーム…200ml 練乳…60g]、マスカルポーネ…250g
【作り方】
(1)Aをボウルに入れ、七分たてくらいまで泡立て器で泡立てる。
(2)(1)にマスカルポーネを入れてスパチュラでなめらかになるまで混ぜ合わせる。
カッサータ
【材料/作りやすい分量】
A[基本のマスカルポーネクリーム…500g、ミックスドライフルーツ&ナッツ…130g、ラムレーズン(ラム酒を含ませたままで。レシピは「ラムレーズンサンド」を参照)…20g]、ミックスドライフルーツ&ナッツ…50g
【作り方】
(1)ボウルにAを入れてさっと混ぜる。
(2)オーブンシートを敷いたパウンド型(写真は18cmの型を使用)に(1)を入れて平らにならし、仕上げにミックスドライフルーツ&ナッツをのせ、冷凍庫で5~6時間ほど冷やし固める。
オープンフルーツサンド
【材料/作りやすい分量】
パン(サワー種を使ったハード系がおすすめ)…1切れ、基本のマスカルポーネクリーム…適量、好みのフルーツ…適量
【作り方】
パンに基本のマスカルポーネクリームをたっぷりと塗り、その上に好みのフルーツをのせる。
ティラミス
【材料/作りやすい分量】
基本のマスカルポーネクリーム…400g、A[インスタントコーヒー…6g、湯…90ml]、フィンガービスケット…20本、ココアパウダー(無糖)…適量
【作り方】
(1)Aを合わせて溶かし、冷ましておく。
(2)フィンガービスケットを片面2秒ずつを目安に両面を(1)に漬け、器やバットに10本並べる。
(3)(2)の上に基本のマスカルポーネクリームを半量入れ、平らにならす。同じ作業をもう一層繰り返して重ね、仕上げにココアパウダーをふる。
田中美奈子さん 料理家、カフェディレクター。数々の撮影現場のケータリングを担当。著書に『ケータリング気分のBox Food』(文化出版局)ほか。シンプルな素材にさりげないツイストを加えた味が評判を呼んでいる。
※『anan』2022年10月12日号より。写真・市原慶子 料理作製、スタイリング・田中美奈子 取材、文・大澤千穂 食器提供・カサラゴ(コスタ・ノバ)
(by anan編集部)