フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『nerisa』(ネリザ)のパプリカのリゾットです。
Food

学芸大学の人気イタリアン『リ・カーリカ』のシェフが独立して店を開くと、開店前から注目されていた西小山『nerisa』。早速出掛けて心を奪われたのは、燃えるようなオレンジに輝くリゾットだ。口に含めば焼きパプリカの濃密な甘みと香ばしさがぐわーっと襲ってくる。う、うまい……。「僕がピエモンテのレストランにいた時代に習得したレシピなんです」と、オーナーシェフの田中隆照さん。イタリア・ピエモンテではローストしたパプリカにアンチョビとパセリを合わせる前菜が定番で、それをアレンジしたものだ。シンプルながら、パプリカの鮮やかな風味といい、アンチョビやパセリのソースが混じり合うバランスといい、完璧の二文字が脳内に浮かび上がる。

前菜にオーダーした牡蠣と春菊のスフォルマートにしても、田中さんの料理には総じて、ストレートな味わいの中にそっと秘めた一手間と、それゆえの気品が感じられる。じゃあ店もかしこまった雰囲気かといえばそうではなく、カウンターがメインのオープンキッチンには、リラックスした空気が流れる。二軒目に軽くパスタとワインなんてわがままも歓迎。店名の由来を聞けば「田中をイタリア語にするとnerisaです(笑)」との答え。肩の力の抜けた、しなやかさ。あーおいしいものが食べたい、と思う夜に浮かんでくるのはこんな店だ。

パプリカのリゾット バーニャカウダソース(¥1,500)、牡蠣のクリーム煮と春菊のスフォルマート(¥1,600)、グラスワイン(¥800)。セラーにはイタリアの自然派ワインが揃い、カウンターには蒸留酒がずらり。メニューはコースもアラカルトも対応。

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nerisa 東京都品川区小山6‐7‐6 タクシティハイツ西小山103 TEL:03・6770・6348 17:00~23:00 不定休

ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。

※『anan』2022年2月23日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子

(by anan編集部)

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⼒ずくで物事を通そうとすると、かえって強い抵抗にあってしまいます。そんな時は⼀度こだわりを⼿放して、基本に⽴ち返ってみること。失ったものや結果を無理に追いかける必要など元々なかったのでしょう。⼼穏やかに今やれることをしていれば、本当に⼤事なものは⾃然と戻ってきます。静かに時が満ちるのを待ちましょう。

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