チョコレートとホットドリンク
ドリンクのぬくもりがチョコの風味を鮮やかに。
「チョコレートの魅力は、口の中でゆっくり溶けていく過程で、幾重もの味や香りの変化を楽しめることだと思います。今回は、そんなおいしさをさらに引き出すようなマリアージュを考えました」と、料理家・カフェディレクターの田中美奈子さん。
ホットドリンクは温度が高いため、チョコレートの香りを増幅させる役割も果たし、その変化をさらに複雑に楽しむことができる。定番のコーヒーだけでなくハーブティーやほうじ茶など変化球も登場。「どれも主役のチョコレートを引き立てつつ、相乗効果で飲み物もよりおいしくなるようなペアリングです」
〈ドゥバイヨル〉「ジュリエット」とエスプレッソ
香ばしいキャラメルはエスプレッソと好相性。
キャラメルとミルクチョコが織りなす濃密なボンボンの味わいと、エスプレッソのコクが混ざり合う、甘くてほろ苦いペアリング。「エスプレッソに砂糖を入れ、最後に溶けきっていない砂糖をなめるとカラメルのような風味を感じます。それをヒントに、キャラメルフレーバーのチョコレートと組み合わせました」。甘さのなかに香ばしさや深みを感じる、まさに大人のためのマリアージュ。
口溶けのよいキャラメルをミルクチョコでコーティング。「とろけるような濃厚さで冬にぴったり。華やかなピンクのカラーに温まります」(市川さん)。各¥300 丸の内オアゾ店/東京都千代田区丸の内1-6-4-1F TEL:03・5224・3565 9:00~21:00(曜日に応じて変動あり)www.debailleul.jp
〈パスカル・ル・ガック〉「ライム」とハーブティー
フレッシュハーブがライムの酸味を引き立てる。
ライムピールとピューレによる爽やかな印象と、生ハーブを使った香り高いハーブティーの風味が絶妙なマリアージュを醸成。味と香り、それぞれが混ざり合うのを楽しむことができる。「ハーブは2~3種類をミックスするのがおすすめ。チョコレートとのマリアージュにふさわしい、複雑で奥深いおいしさになります。今回はライム風味に合うレモングラスやローズマリー、ミントを加えました」
「ミルクチョコにライムという珍しい組み合わせ。フレッシュ感は残しつつ、やさしい味わいに仕上げたショコラティエの真骨頂」(市川さん)。¥370 東京都港区赤坂2-12-13 TEL:03・6230・9413 10:00~20:00(土・祝日~18:00、~3/14は~20:00) 日曜休(~3/14は無休)
[gunosy]
→“地方チョコ”がキテる! 日本各地のビーントゥバーをチェック♪もチェック!![/gunosy]
〈ゴディバ〉「クール」とホットミルク
異なる個性を組み合わせて新たなるおいしさに。
「ナッツ系のミルクがあるように、ナッツとミルクはとても相性がいい組み合わせ」と田中さん。こちらもヘーゼルナッツの香ばしい香りとクリーミーな舌触りがホットミルクに滑らかに溶け込む。「低温殺菌牛乳がおすすめです」。敢えて苦味のある深煎りコーヒーを合わせ、甘さを中和させてもおいしい、とも。「花のような芳しさがあるグアテマラコーヒーなら、香りのマリアージュも楽しめます」
ヘーゼルナッツプラリネをミルクチョコレートでコーティング。「一度は味わってほしい、『ゴディバ』の中でも世界的に売れている人気のボンボン。ナッツの風味はさまざまなドリンクと相性もよさそう」(市川さん)。各¥280 ゴディバ ジャパン TEL:0120・116811 www.godiva.co.jp
市川歩美さん ショコラコーディネーター 最新のチョコレート事情に精通し、メディアを通じて旬な情報を発信。チョコレート関連イベントの出演や商品企画、コンサルティングなど幅広く活動。www.chocolatlovers.net
田中美奈子さん 料理家・カフェディレクター 『DEAN&DELUCA』のドリンク開発担当を経て独立。カフェの商品開発やコンサルティングを手がけ、ケータリングではドリンクとのペアリングも。http://life-kitasando.com
※『anan』2020年1月22日号より。写真・津留崎徹花 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・宮尾仁美 撮影協力・AWABEES UTUWA
(by anan編集部)