
9枚目のアルバム『CRAZY ROMANTIC!』を引っ提げ、全国ツアー「A.B.C-Z Concert Tour 2025 CRAZY ROMANTIC!」を現在開催中のA.B.C-Z。東京・Kanadevia Hallで行われた11月23日昼公演の模様をお届けします。
4人の新体制になってからのライブは2回目になるA.B.C-Z。今回のライブは、セットに頼らず、板の上で自分たちのダンスと歌でCRAZY(熱狂)とROMANTIC!(トキメキ)を届けるというコンセプトだ。コンサートの前に行われた記者会見では、「生身のパフォーマンスで勢いと一体感を魅せたい」(五関晃一さん)、「原点回帰のライブ」(塚田僚一さん)と語っていた彼ら。前回のツアーは、新体制となったA.B.C-Zを届けるコンサートで、今回はデビューして13年、自分たちが受け継いできたパフォーマンスで魅了するステージに!
輝きを放つメタリックシルバーの衣裳に身を包んだ4人が登場するとスパークラーの特効が噴きあがり、華々しく幕開け。1曲目は「Go CraZy」。平成感のあるギラギラしたEDMでどこか懐かしさを感じさせる楽曲。サウンド面では、様々なリバイバル要素があるのが今回のセットリストの特徴だ。2曲目は、事務所のイズムを受け継ぐ王道J-POPソング「NO MORE YOU」。疾走感あるナンバーで塚田さんがアクロバティックなパフォーマンスを盛り込むと大きな声で沸く会場。振付はロックダンスがベースで、数々の先輩グループから受け継いできた要素が詰め込まれたものだという。時を超えて、A.B.C-Zがリバイバルさせた一曲だ。
勢いたっぷりなダンスから伝わってくるのは、圧倒的な熱量。3曲目もリバイバルサウンドの雰囲気たっぷりな90年代アシッドジャズ曲「Grooove O’Clock」。まばゆいレーザー光線が飛び交う中、スタイリッシュなダンスで会場を盛り上げる。ここで五関さんが「皆、元気? 声出せるの? 歌えるの?」とファンをあおり、コール&レスポンス。そして、約10年ぶりで新体制初となる自己紹介曲「A.B.Cra-Zy」へ。クールな五関さんは華麗なダンスがセールスポイントと紹介され、 “ゴッチ”コール。ギターをロック魂でかきならす戸塚祥太さんは”とっつー”コールで会場をひとつに。武器は歌声の最年少・はっしーこと橋本良亮さん、筋肉とアクロバットキャラの塚田さんは、金髪、筋肉、塚ちゃんコールもあり、最新版でもキャラはブレない。彼らにとってCRAZYは誉め言葉。個性的でCRAZYな4人に熱狂する会場。

話題の本ツアー用ガラケー型ペンライト「クロレマフォンライト」。ライブではファンの皆さんと一緒に振る場面も!
MCの直前に披露した「終電を超えて~Christmas Night」では紙吹雪の白い雪がキラキラと降ってくる場面が。MCでは、「今日、雪多くなかった?」とメンバーに確認する五関さん。戸塚さんは「スタッフさんもね、だいぶクレイジーになってくれてます」と嬉しそう。すると五関さんが紙吹雪の雪が顔に張り付いたのを再現してみせてから、「みんなの声が大きいからかな」と満足げ。「だから、降り物もたくさんです。みんなの声に比例して、雪も増えてきますから。『滝沢歌舞伎』並みに、ぶわっと。千穐楽が多分そうだと(笑)」と橋本さんが言えば、ファンの方の声がライブを作っているということで「皆さんも出演者の一人ですからね」と戸塚さんが会場に呼びかける。
ここで五関さんが「アルバムは聴いてきてくださいましたか? たくさん歌ってね。まだまだやってない曲もあるので。何歌いたい?」と会場に尋ねる。まるで皆でカラオケボックスに来た時の「何歌いたい?」みたいなノリだっため、「皆でマイクリレーする?」と冗談めかすメンバーたち。塚田さんが「今回のアルバムの曲は結構、歌いやすいよね、多分カラオケでも。多分、(ファンの方は)同世代とかじゃないですか。リバイバル曲だから」と言い出すと、「例えば?」と橋本さん。「『NO MORE YOU』は、結構王道の曲。僕たちは、こうやって踊りたいもんね」と踊り出す塚田さん。
するとここからリバイバルにかけて、思い出の曲の話に。五関さんは「オーディションで踊ったのは、俺、『Can do! Can go!』(V6)だった。いきなり踊らされんの(笑)」と振り返る。橋本さんが「俺は『夢物語』(タッキー&翼)だったなぁ」と言うと、戸塚さんも「オーディション曲は、タッキー&翼さん」。塚田さんは「世代であるんだよね。オーディション曲はタッキー&翼さんだったっていう。KinKi Kidsさん(現・DOMOTO)の『情熱』だった世代もいる?」。「KinKi Kidsさんの曲は、オーディション曲にしては、大人びてる。子供がシャカリキに踊るっていうよりかは、大人っぽい!」と戸塚さんがしみじみ。懐かしの曲について盛り上がる場面もあった。
そして、五関さんが「今日はちょっとね、特別公演みたいなこと言いましたけども。じつは本当に特別なことがありまして……」とサプライズを匂わす。「本当ですね。信じていいやつですね?」と戸塚さん。「今日はですね、この場で皆さんに解禁の情報を発表します」という五関さんに「この情報社会の中で、まだ出てない情報がある? こんなに情報が氾濫する世界で、新しい情報が…」(戸塚さん)と真顔でふざける。「じゃあ、ここで映像を見ていただきましょう」とスクリーンで発表が…!!
嬉しいお知らせにどよめく会場。「デビュー発表ぐらい声援があったね」と喜ぶ橋本さん。塚田さんも「嬉しいね~、喜んでもらえて」とニッコリ。五関さんが「ちょっと本当に一瞬だったんで映像を振り返りますか。12月10日に『BEST OF A.B.C-Z-COUPLING BEST-』リリース決定です。アルバムは全曲サブスクで配信してますけども、今回シングルCDのカップリングの配信ということで、ありがとうございます」と改めて説明。
A.B.C-Zのカップリングは、隠れた名曲の宝庫。これまでサブスク解禁が望まれてきた中、満を持してのシングルカップリング曲をすべてコンパイルした配信アルバムだ。全部で55曲収録ということで、「こんなにたくさん…。いっぱい曲いただきましたね。ありがとうございます。ほんとにアーティストの皆様」と感謝の想いを伝えていたのは戸塚さんだ。「すごいね。55曲? なんの曲が好きですか」と五関さんがメンバーに尋ねると、「『恋に落ちたんだ』。先ほどやりましたもんね」と戸塚さん。橋本さんは「もうね、個人的な話なんですけども『VIVA You達!!』。あ、『ONE MORE KISS』も入ってるの? めちゃくちゃいいじゃん」と大喜び。塚田さんは「『サポーターズ!』も人気曲。最高だね。みんな覚えやすいよね。発売日は12月10日ね。このツアーの最終日が12月9日の愛知。で、それ終わったら多分、(リリースは)何時間後とかなんですよ」とライブロスがなく、皆に楽しんでもらえるものを提供できるとメンバーたち。
「さあ、続いてこちら。1月31日TBSチャンネルさんで今回の『A.B.C-Z Concert Tour 2025 CRAZY ROMANTIC!』放送決定です。そして、TBSさんで1月に特番!」と五関さんが2つめと3つめも改めて報告すると、「これ、何やるんですかね。内容の方はお楽しみにということでいいですか」と戸塚さん。塚田さんは「ツアーの裏側なのか、インタビューなのか。これを見るとここに来てる人たちは楽しめると思う」と語っていた。
話題は変わり、五関さんが「今回、会場を回っていて、改めて思ったんですけど。客席に降りた時に、男性の方とか、お子さんがすごく増えましてね」と言うと、「とっつーは客席の前で男性と触れ合ってたよね?」と塚田さんが言い出す。「男性の方とちょっとゼロ距離になってしまってすいませんでした」と戸塚さんはユーモアたっぷりに謝罪してから、「また絡む時はお願いします。すごいっすよね。時の流れ。一緒に皆さんと歩んでいっているんだなって感じますよね」と、しみじみ。
五関さんは目の前の男性客を見て、「お父さんありがとうございます。お父さん、誰推しなんですか? えっ、私?」と会話のやりとりをしてビックリ。ご夫婦で遊びに来ていたファンの方ということで、「奥様はどなた推しなんですか? あ、箱推し? ありがとうございます」とお礼を言ってから旦那さんに「僕のこと、何をきっかけに知っていただけたんですか?」と質問。「ダンス」という声に橋本さんは「やっぱ強いですね、ダンス」と納得、五関さんは「ショート動画もふざけているものより真面目に踊ってるほうが回転数いいです!」と嬉しそう。そして、ちびっこは会場にいたかという話題になると、「今日、いましたよ。日曜日だし、バブちゃん」と橋本さん。すると、会場のスタンドの上のほうから「五関さま~!」と叫ぶ小さな子供の声が。これには、「可愛い」と悶絶する五関さん。戸塚さんや橋本さんらは目を細め、「遊園地行く?」と優しい顔に。「今いくつ?」という五関さんの質問には「5歳~!」と返答が。そして、「五関の“ご”ね。楽しい?」と会話を続け、「楽しい!」と叫ぶお子さんに「やばい…。ずっと会話してたい(笑)。楽しんでいってね~! 頑張るね、五関さま」(五関さん)とご満悦だった。会場とのアットホームで相思相愛なやりとりは、まさにROMANTIC! (トキメキ)に溢れた場面に。

後半は、全員がサングラスをしてパフォーマンスした「Cocktail」や白幕がはためく中でマイクスタンドを前に「鈍学塁功・DONGAKU-RUIKO」も披露。塚田さんが山台からアクロバットを華麗に決める場面もあり、会場の視線を独占した。今回はファンと共に歌う曲が多数あり、ラスト曲の「Perfect Sky」ではサビの「Wow…」を大合唱。ファンと一緒に歌い、心を通わせることで完成するナンバーに。アンコールの「頑張れ、友よ!」も会場の皆と歌う演出があり、一体感は抜群。長年連れ添ってきたファンとの絆を感じさせる場面がたくさんあった。

アンコールの「僕には空がある」では客席の目の前に登場するなど、セットリストの随所にファンとの距離が縮まる瞬間が。2階のスタンドや3階のスタンドでも歌う演出があり、ファンに手を振ったり、ハイタッチを交わしたり、トキメキを与える場面がいっぱい。リバイバル感のある楽曲で、時代を超えながらROMANTIC!な気分に浸れるステージは、最初から最後まで多幸感に包まれていた。

























