
社会現象級ヒット『都市伝説解体センター』を、6つのキーワードから徹底解剖。ドット絵の魅力、予測不能な物語、魅力的キャラ…大ヒットの理由を深掘りする必読ガイド。
Index
2025年を代表する“異例”のゲーム
今年2月13日にリリースされるやいなや、10日間で累計販売本数10万本を突破。その後3か月で30万本を超える大ヒットを記録した『都市伝説解体センター』。今秋に行われた「日本ゲーム大賞2025」で優秀賞を受賞するなど、今年を代表するゲームの一つとなっている。
今作は、巷やSNSなどのインターネット上に飛び交う怪異や呪物などの都市伝説を調査、背後にある真実や犯人を突き止めるミステリーアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは主人公の福来あざみとなって、「都市伝説解体センター」のセンター長・廻屋渉と共に、都市伝説絡みの依頼を解決していく。謎を解き明かす楽しさや考察がはかどるミステリー要素に夢中になる人が続出。また、ドット絵で描かれたインパクト抜群のビジュアルも多くのファンを生み出す要因となっている。
さらに、数多くの関連グッズの販売や、ポップアップショップの開催も話題に。少女漫画雑誌『りぼん』でコミカライズ版『都市伝説解体センター Parallel File』の連載がスタートしたり、スピンオフ小説やオーディオドラマが作られるといった、メディアミックス的広がりも見せている。
さらに魅力を深掘り!
キーワード ① ミステリーと相性のいいドット絵

『都市伝説解体センター』の大きな特徴の一つが低解像度のドット絵。採用の理由にミステリーやホラーとの相性の良さがある。ユーザーが脳内で細部を補完することによって、よりミステリアスに、怖くなるという。
キーワード ② 廻屋渉がカッコいい

今作でキャラクターデザインを手がけるきっきゃわーさんによる長年のイケメン研究の結果、誕生した廻屋。カッコいいと思ってもらえる顔の角度を意識して設計されているというが、術中にハマった人も多いはず!
キーワード ③ 個性的でリアルなキャラクターたち

メインキャラだけでなく、警視監の富入順蔵や心霊系配信者の谷原きのこ、Webライターの山田ガスマスクなど、ユニークなサブキャラたちも愛されている。顔だけでなく手の表情へのこだわりもリアリティの秘密だ。
キーワード ④ 予想を裏切るストーリー性

次の展開や結末が読めない、ミステリーとしての物語の面白さも話題となっている。「特に最後のオチに関して、みなさんが衝撃を受けているところを見ると、ミステリーとしての質が高かったのだろうと思います」(開発を手がけた集英社ゲームズ・林真理さん談。作り手3人による座談会記事はこちら)
キーワード ⑤ 最後までたどり着けるユーザビリティの高さ

ミステリーということもあり、プレイヤーにエンディングまで到達してもらうことを第一に考えたシステム作りを重視するという墓場文庫(集英社ゲームズとともに制作に関わった)。6話完結というコンパクトさも、そうした思いがあってのもの。
キーワード ⑥ インパクトあるビジュアルデザイン

今作を象徴するビジュアルが欲しいという集英社ゲームズの提案を受けて誕生した「特定」と「解体」の絵は、一度見ると忘れられない強烈なインパクトを残す。洗練されたドット絵とデザインが墓場文庫の魅力である。
information

『都市伝説解体センター』
インターネット上に飛び交う都市伝説をテーマにした、連続ドラマ形式のアドベンチャーゲーム。推理ミステリーのようなシナリオとピクセルアートが幅広い支持を集めている。パッケージ通常版(¥3,740、Nintendo Switch、PS5対応)とダウンロード版(¥1,980、Nintendo Switch、PS5、PC〈Steam〉対応)がある。
anan 2473号(2025年11月26日発売)より


























