
二階堂ふみさん
25年ぶりに三谷幸喜さんが民放GP帯連続ドラマで脚本を執筆した『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』に出演中の二階堂ふみさん。映像の世界に憧れを持つようになったきっかけの一つは、三谷さんの作品を見たことだそう。
役を通して私自身もすごくパワーをいただいています
「『THE 有頂天ホテル』や『ラヂオの時間』などの映像作品から三谷さんが作られる群像劇に夢中になりました。三谷さんの描く喜劇は、いろんな人を救うと思っています。どの現場にも、私を必要としてくださるのなら喜んで! という気持ちで行かせていただいていますが、三谷さんの作品に呼んでいただいたことは、過去の自分に伝えたいです」
演じるのは、ミステリアスなダンサーから次第に舞台俳優へと転身していく倖田リカ。第1話ではリズミカルに足を高く上げる“フレンチカンカン”など圧巻のダンスを見せた。
「昔少しバレエをやっていた経験が役に立ったかもしれないけれど、カラダが鈍っていて大変で、クランクイン前からたくさん練習をしました。『リカはミステリアスだけど、登場人物の中では一番頭のいい人なんです。相手の欲しい言葉を全部わかって言えちゃうような人』など、三谷さんが本読みの段階で役柄の細かいところまでご指導くださって。印象的だったのは、自分のキャラクターがわからなくなった時は自分が出ていないシーンを読むといい、というアドバイス。『そこにいなくても必ずリカはそのシーンに存在していて、どこかで生きているから。それを想像しながら演じていくと、きっと答えが見えてくると思います』と。それを受けて、“ミステリアスなダンサー”という肩書にこだわるよりも、まずは三谷さんの作品に参加させていただくことを精一杯楽しみたいと思ったし、その上で作品の中でリカはどういう存在であるのかを大事にしながら臨みました」
舞台は1984年の渋谷。
「私はまだ生まれていませんでしたが、当時を知る共演者の井上順さんや、小林薫さんのお話を撮影の合間に聞くのがすごく面白かったし、渋谷だけではなく日本全体が元気でタフな時代だったと知りました。生きることに前向きな人たちが多く、その活気や熱量を想像するだけでも圧倒されて。役を通してその時代を追体験することで、私自身もすごくパワーをいただいています。大先輩たちが現場に向き合う姿を見ていると、みなさんすごく軽やか。“こだわりを持たないこだわり”みたいな部分が素敵で、勉強にもなりました」
主演の菅田将暉さんについては「長い付き合いですが、久しぶりに現場で会ったら本当に頼もしい座長でした」と太鼓判。
「のびのびとお芝居できる環境や雰囲気を作ったり、大事なシーンでは誰よりも熱いエネルギーを持って挑むことで、みんなのモチベーションを上げてくれました。それを温かく見守る順さん、薫さん、野間口徹さんに加えて、アン ミカさんや秋元才加さんなど個性豊かな面々も揃い、とてもバランスがいい現場でした。みんな仲がよかったです」
ハードな撮影期間を乗り越えるためにも、日頃からカラダのために大事にしていることは「睡眠と食事」。
「しっかり寝れば心もカラダも回復します。自分に見合った睡眠時間と、さらに食事量を知ることで、ちゃんとニュートラルに戻せるんです」
Profile
二階堂ふみ
にかいどう・ふみ 1994年9月21日生まれ、沖縄県出身。主な主演作は映画『翔んで埼玉』シリーズ、ドラマ『プロミス・シンデレラ』『Eye Love You』ほか多数。出演映画『遠い山なみの光』が公開中。
Information

『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』
渋谷の八分坂にあるWS劇場を舞台に、若者たちが未来に希望を抱き、葛藤を続けながら夢を追いかける青春群像劇。出演/菅田将暉、二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波ほか 毎週水曜22:00~フジテレビ系にて放送中。Ⓒフジテレビ
写真・小笠原真紀 スタイリスト・髙山エリ ヘア&メイク・足立真利子 インタビュー、文・若山あや
anan 2469号(2025年10月29日発売)より




























