
左から、成田凌さん、清原果耶さん、ナ・イヌさん
爽やかなひと夏の恋模様を描いた、放送中のドラマ『初恋DOGs』で共演中の清原果耶さん×成田凌さん×ナ・イヌさんのインタビューをお届けします。
動物目線により心動かされるドラマ。今後の展開はいかに?
――清原果耶さんと成田凌さんは、約4年ぶりの共演になるそうですが、久しぶりにお会いして、どんな印象でしたか?
成田:お互いに、なんら変わりないよね。清原さんは当時10代だったけど、大人びていたし。いや、今思うととんでもなくすごい10代だったのかも…。
清原:そうですか? でも本当に大して変わってないんです。それに久しぶりの再会でもそんなに緊張もせず、あ、成田さんだ! って気楽に始められたのは、心地よかったです。
成田:昨日一緒に将棋をしたけど、変わったのはそこぐらいかな。当時は撮影の合間に「将棋」の選択肢はなかったよね。
清原:本当ですね(笑)。
――今回、初共演のナ・イヌさんの印象はいかがですか?
清原:イヌさんと初めてお会いしたのは、このドラマのポスター撮りの時。最初はすごく穏やかな方だな、という印象で…。
イヌ:何言おうとしてるの?(笑)
清原:あはは(笑)。いざ現場に入ってみると、毎日のように指で銃を作って、私に向かって「パンッ」てするんです。私は大阪出身なんですが、大阪の人はそれをやったら倒れるフリするでしょ、って。
イヌ:あははは(笑)。
清原:そんな姿を見て、太陽みたいに明るくて、コミュニケーションを前向きにとってくださる方だと思いました。
成田:僕もポスター撮りで初めてイヌに会った時は、大人な人だと思ったんです。でも中身はすごく天真爛漫な子供みたいだと、昨日思いました(笑)。
――何があったのでしょう?
成田:「一人で着替えたー!」って言いながら衣装部屋から出てきて、「さっきも一人で着替えたー!」って、言ってたんです。だからみんなで、「おぉ~すごいね」と拍手したんですけど(笑)。
イヌ:いつもならスタッフさんが衣装を用意してくれたり着替えを手伝ってくれるけど、現場が忙しくなるとそうもいかなくなって、だから一人で着替えるようになったんです(笑)。
――愉快なエピソードですね。イヌさんは、お二人の印象は?
イヌ:兄貴(成田)は、初めはドライな印象でしたが、僕のことを温かい目で見守ってくれて、いつも面倒を見てくれるんです。そして面白い人。兄貴の中には、面白さが培養されているんじゃない?
清原:“培養”ってワードめっちゃいい。
イヌ:果耶さんは…(しばらく沈黙)。
清原:…あれ?
イヌ:考えていました(笑)。初めはちょっと人見知りかな? とも思ったけど、今はもうお互いに壁もなく、妹みたい。でも年下なのに僕を気遣ってくれて、現場ではいつも堂々としていてとてもカッコいいです。
清原:コマウォ(韓国語のありがとう)。
――原案は韓国のウェブトゥーンで、監督の一人にノ・ヨンソプさん。ドラマ制作チームにはほかにも韓国のスタッフがいらっしゃいますが、国を超えての物づくりはどんな雰囲気ですか?
清原:撮影の進め方については、多少違う部分もありますが、改めて別の視点から進めていくことで、新しい世界を共有していただいているような気がしています。監督の演出も毎回楽しみだし、日本と韓国のいいとこ取りができたらいいなと思いながらやっています。
成田:監督はめちゃくちゃ優しい方。みんなでたくさん話し合って、苦労しながらも、それを楽しんでやっているよね。
イヌ:僕は幼い頃から、国や文化の違いに、違和感みたいなものを感じることはありませんでした。細かいシステムや、やり方に違いがあるのは当然かもしれないけど、それは人と人との関係性を築く上で問題にはなりません。だから、大変だと思うことは全然ないです。
――3人のコミュニケーションもばっちりですね。このドラマは愛犬を通じて出会った、清原さん演じる花村愛子と、成田さん演じる白崎快、イヌさん演じるウ・ソハの関係性がどんどん変化していく物語です。「恋は錯覚、一時的な気の迷い」だと言う愛子に対し、快は「惹かれ合うのは、動物的には本能」だという持論があって…。3人は、恋愛においてどちら派ですか?
イヌ:常に同じではないかな。理性的な関係になる人と、本能的に惹かれてしまう人。両方のパターンがあると思います。
成田:僕は、恋愛においての“理性”ってなんだろうと思って。
清原:わかる。私もさっき調べてみたけど、よくわからなかったですね。
成田:恋に盲目になりすぎない、ってことなのかな。でも、理性的な恋愛がどういうものかわからない時点で、本能ってことなんじゃない?
清原:まあでも、最も大事なのは結局、お互いの思いやりな気がします。
――なるほど。ではみなさんが男女問わず、つい惹かれてしまうタイプの人は?
清原:3時間ぐらい悩みそう…。
イヌ:じゃあお兄ちゃんが先に言ってあげるよ。…質問なんだっけ?
3人:あははは(笑)。
成田:天才!(笑)
イヌ:(もう一度質問を聞いて)会った瞬間に自分にないものを持っていると感じたら、その相手に惹かれると思います。僕の場合はその人に興味を持つし知りたくて、たくさん質問しちゃうかも。
成田:感情表現も表情も豊かなイヌみたいに、いつもよく笑ってくれる人はいいですね。逆に疲れている時もわかりやすくていいし(笑)。
清原:私は、優しくて、でも実は内心では闘志や野心を燃やしている人かな。
――それぞれ全くタイプが違うのも面白いですね。ドラマの中では、快とソハの共同生活も描かれますが、成田さんとイヌさんが実際にルームシェアするとしたら、どんな生活になると思いますか?
成田:やっぱり自分で着替えてほしい。
清原:あははは(笑)。
イヌ:兄貴ー!(笑) 僕はインドア派だから、料理はしないけど掃除とかの家事は全部やります。だから兄貴は外で稼いできて。あとごはん買ってきてください。
成田:イヌが掃除とかしている姿を想像できないけどね(笑)。
イヌ:兄貴は、内向的な自分と外交的な自分をうまく自己管理していて、例えば疲れていても外に出て運動をするんです。僕は一人でいる時間にパワーチャージをするので、お互いに家の中と外に分かれたらいいんじゃないかな。OK?
成田:そうしましょう!
清原:お互いにお互いを大好きな二人なので、きっと助け合って、いい暮らしになるんじゃないでしょうか(笑)。
――ドラマの3人の関係性もすごく気になります。現在5話の放送が終わったところですが、改めてこのドラマの良さと、今後の展開で注目すべきところは?
成田:獣医の快は、人よりも動物の目線で考えたり動物たちの気持ちを代弁するようなところがあるんですけど、「犬はいつも正直で嘘をつかない」などというセリフを通して、登場人物や視聴者のみなさんの気持ちを動かしていく。それがこのドラマならではだと思います。
清原:愛子、快、ソハはじめ登場人物たちそれぞれが、自分が思っているよりも物事は多面的であることや、自分自身の矛盾に気づき、心を開いていくのが5話以降。恋と友情の関係性も美しく描かれていくので、楽しみにしていてください。
イヌ:最初にこのドラマの題材を聞いた時、温かい作品だと思ったし、動物を通じて人はどう感情を動かしていくのだろうというところに興味を持ちました。動物は大好きなんですが、実際に育てたことはなかったので、このドラマに参加することでそれを知りたいな、と。だから見てくださるみなさんともその気持ちを共有していきたいです。そしてこれまでそれぞれが抱えてきた悩みや葛藤が、今後は少しずつほどけていくと思います。一方で新たな試練も生まれたりして、見応えがあるはず。お楽しみに!
Profile
清原果耶
きよはら・かや 2002年1月30日生まれ、大阪府出身。2015年に出演した連続テレビ小説『あさが来た』で俳優デビュー。今年、『碁盤斬り』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。主演作に連続テレビ小説『おかえりモネ』、ドラマ『マイダイアリー』、映画『片思い世界』ほか多数。
ナ・イヌ
1994年9月17日生まれ、韓国出身。2013年にミュージカル『僕らのイケメン青果店』で俳優デビュー。主な出演作にドラマ『彼女のバケットリスト』『ジンクスの恋人』『私の夫と結婚して』、映画『同感~時が交差する初恋~』などがある。
成田凌
なりた・りょう 1993年11月22日生まれ、埼玉県出身。主演作にドラマ『転職の魔王様』『降り積もれ孤独な死よ』、映画『まともじゃないのは君も一緒』『スマホを落としただけなのに ~最終章~ ファイナル ハッキング ゲーム』『雨の中の慾情』ほか多数。出演舞台『リア王』は10月9日より上演予定。
Information
『初恋DOGs』
犬の散歩中に出会った弁護士の花村愛子(清原果耶)と獣医の白崎快(成田凌)。愛子の愛犬“サクラ”と、快の愛犬“将軍”は、その場で恋に落ちてしまう。ある時二人の前に、韓国の新興財閥の御曹司ウ・ソハ(ナ・イヌ)が現れる。実は将軍は、彼の祖母の愛犬“ロッキー”で、取り戻しに来たという。愛をこじらせた3人の、国を超えたラブストーリーが始まる。毎週火曜22時~、TBS系にて放送中。
ナ・イヌさん・シャツ、スカーフ 共に参考商品(共にエンポリオ アルマーニ/ジョルジオアルマーニジャパン TEL. 03-6274-7070) リング、ピンクゴールド×ダイヤモンド¥346,500 ホワイトゴールド×ダイヤモンド¥364,100(共にショーメ TEL.03-5635-7057) ブローチ¥44,000(Mayuranoir/Mayuranoir銀座店) その他はスタイリスト私物
成田さん・シャツ¥159,500 ネクタイ¥35,200(共にサンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ/サンローラン クライアントサービス TEL. 0120-95-2746) その他はスタイリスト私物
写真・長山一樹(S-14) スタイリスト・金 順華(清原さん、イヌさん) 伊藤省吾(sitor/成田さん) ヘア&メイク・RYO(TRON/清原さん) 宮本 愛(yosine./成田さん) 阿部麻美子(イヌさん) 取材、文・若山あや
anan2457号(2025年7月30日発売)より