
伊藤健太郎さん
パートナーにほかの恋人がいても、嫉妬心を抱かない。そんな女性を好きになってしまったら…? ドラマ『彼女がそれも愛と呼ぶなら』で、高校生の娘、そして2人の彼氏と暮らす伊麻(いま/栗山千明)に恋する大学院生・氷雨(ひさめ)を演じる伊藤健太郎さん。
複数恋愛というのは、自分の中にはまったくない引き出しだった。
「複数恋愛というのは、自分の中にはまったくない引き出しだったから、とても興味深いです。まだ理解が追いついていないですけど、氷雨自身も理解しないまま彼女の元に飛び込んでしまうので、僕も演じながら一緒に考えていこうと思っています」
伊麻は複数の恋人全員にしっかり愛情を傾けるエネルギッシュな女性。伊藤さんが考える彼女の魅力とは。
「すごく素直で純粋ですよね。自分の感覚に忠実に、まっすぐ生きていて。結果、それが複数恋愛という形になっているだけであって、何も嘘がない。そこが魅力的で、氷雨もどんどん虜になるんだと思います」
伊麻に惹かれ、彼女やその恋人たちと生活を共にすることを選択する氷雨だが、伊藤さん自身は「僕だったら誰が一番好きかはっきりさせたくなっちゃうから、一緒に住むのは難しいんじゃないかな(笑)」とのこと。では、伊藤さんが恋愛において相手に望むこととは?
「それが…あまりないんですよね。ごはんも掃除も洗濯も、全部自分でやれるし。ずっと笑っていてくれたらそれでいいです。束縛とかもしないです。僕と一緒にいないときは、自分の時間を大事にしてほしいなと思うから。だから、相手に求めるものを強いて言うなら“自分の時間をちゃんと楽しむ”ということかも」
俳優デビューから10年以上が経ち、代表作も多数。俳優としても、一人の男性としても、成熟の最中だ。
「活動を始めた頃に比べて、自分の立ち位置や周りにいてくださる人の数がすごく変わって。一つの作品を作るのに、見えないところでもたくさんの人が関わってくださっているし、そう考えると自分はなんてありがたいお仕事をさせていただいているのだろう、と。昔は自分のことで精一杯だったんですが、今は視野が広がり、周りの方々への感謝の気持ちもより大きくなっています」
責任を負う立場ながらも、プレッシャーを感じすぎず、楽しんで仕事をしたいという伊藤さん。そんな伊藤さんに目下の癒しを尋ねると「飼っているメダカを見ること」と笑う。
「水槽の前に座って、じっくり見ています(笑)。ヨシオと名付けたメダカが最近元気なくてちょっと心配です。魚が泳いでいるのを見るのって面白いんですよ。こっちが思ってもいない動きをしたりして。ずっと見ていられるし、本当に癒されます」
Profile
伊藤健太郎さん
いとう・けんたろう 1997年6月30日生まれ、東京都出身。近年の主な出演作に、大河ドラマ『光る君へ』、主演ドラマ『未恋~かくれぼっちたち~』など。現在は、出演映画『#真相をお話しします』が公開中。
Information

『彼女がそれも愛と呼ぶなら』
同名小説を原作に“複数恋愛”を描くラブストーリー。大学院生の氷雨(伊藤)は、高校生の娘を持つシングルマザー・伊麻(栗山)と恋に落ちる。しかし、彼女は2人の恋人と一緒に暮らしていて…。毎週木曜23:59~、読売テレビ・日本テレビ系にて放送中。
写真・Marco Perboni スタイリスト・佐々木悠介 ヘア&メイク・ゆきや(SUNVALLEY) インタビュー、文・野村 文
anan2446号(2025年5月14日発売)より