ぐんぴぃ「顔の見えない相手には感情500%増し」 春とヒコーキが考える“バキバキ”に伝わるコミュニケーション

エンタメ
2025.02.08

左から、土岡哲朗さん、ぐんぴぃさん。

YouTubeに舞台にと大活躍中のお笑いコンビ・春とヒコーキ。anan 2428号に初登場したところ、あまりのカッコよさに大反響を呼び、待望の再登場! そんな二人が考える、“バキバキ”に伝わるコミュニケーションとは?

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コンビ仲が悪いほどいい?

――写真がカッコよすぎて再びご登場いただくということは、これまでにほとんどない事態です。

ぐんぴぃ:嬉しい。土岡がカッコいいおかげ。土岡ありがとう!

土岡:いやいや、コンビでそう思ってくださったんだから。ありがたいですね。嬉しいです。

――今まさにぐんぴぃさんが土岡さんに「ありがとう」とおっしゃっていましたが、特集のテーマが“想いの伝え方”です。芸人さんが相方といい関係を築くためのコミュニケーションについて、お二人はどのように考えていますか?

ぐんぴぃ:昔はコンビ仲が悪いほどいいみたいな文化があったかもしれないけど、今はちょっと違う。

――仲が悪いほどいいとは?

ぐんぴぃ:たぶんカッコつけみたいな感じもありつつ、打ち合わせなんてしなくても面白いことができるぜ、っていうある意味カリスマ性にもつながるというか。でも才能もないのにそこだけを真似すると、コンビは崩壊すると思う。

――では、やはり、相方とは意思疎通をするべきだと?

土岡:僕はあまり人に想いを伝えるようなことはしてこなかったです。高校3年間誰とも喋らずに過ごしてきたし、ニート生活をしていたので、自分の中で気持ちを完結させないと生きていけないと思っていたのもあるのかもしれないけど。例えば喜ぶとか怒るとか、自分の心の中では感情が動いていても、外に出したり誰かに伝える必要はないだろうと思っちゃう。

ぐんぴぃ:芸術家とかならそれでいいかもしれないけど、社会では、そういうやつは煙たがられがち。この人は嬉しいのか、悲しいのかと気をつかって考えてあげなきゃいけないし、そんな相手とは喋るのが面倒くさくなってきちゃう。

土岡:なるほど。まあ今は、苦手なりにも人と向き合わなきゃいけないなとは思っているんですけど。

ぐんぴぃ:相手と連携を保つためにも、ある程度感情を表さなければ、孤独になってしまう。苦手なのはわかるけど出したほうがいい。じゃないと、将来、無表情のジジイになっちゃう(笑)。

土岡:そうだね(笑)。

ストレス解消は「パソコン破壊ゲーム」?

――ラジオやYouTubeなど、顔の見えない相手に想いを発信する時に意識していることは?

土岡:僕は映画が好きで、観た映画の感想を「Filmarks」に書いているんですけど、自分が書き上げるまで他人の感想を見ないようにしていて。要は自分の中で意見がまとまっていないうちに誰かの言葉が入ってしまうと、そっちに引っ張られてしまうから。

ぐんぴぃ:僕は、顔の見えない相手にはあえて感情を500%増しぐらいにしてます。間近に見てる土岡は面倒くさいだろうけど、感情って動画なんかを通すと半分以下ぐらいしか伝わらないから。尾田栄一郎さんが『ONE PIECE』を描く時に「1伝えるために10描く」と言ってて、それと同じ(笑)。サービス精神です。

――ネタ作りの時の意思疎通は、どうされているのでしょうか?

ぐんぴぃ:二人で話しながら台本を書くのではなく、土岡がネタを書いてるんですけど、書き上げてから「これを覚えて」ってタイプ。で、セリフは僕がどう発して演じても何も言わないんです。ある時、かもめんたるさんとご一緒した時に、ネタを作ってる(岩崎)う大さんが、(槙尾)ユウスケさんに「ここはもっと情熱的に言ってくれ」とか細かく指示していたのを見て、こういうこと土岡から言われたことないなって不思議でした。自由にやらせてくれるのはありがたいしウケるならいいですけど、もっと言ってほしいとも思います。

土岡:僕が書いたネタでも、演じる人の肉体を通した一番やりやすい形が正解だと思っちゃうんだよね。まあ、こういうスタイルに自然となっていった感じです。

――先輩芸人に対してのコミュニケーションは、どのように考えていますか?

ぐんぴぃ:礼儀はもちろん必要ですが、僕らが所属するタイタンは上下関係がほとんどない。もちろん番組でご一緒するいろんな事務所の先輩に挨拶はちゃんとしますけど、うちのトップの爆笑問題さんは「そんなのいいじゃん」って言ってくれる人たちで。

土岡:もちろん舐めちゃだめだけど、目上の人でも同じ舞台に立ったら同じ芸人。部活の先輩ぐらいの感覚で接するのがいいと思っています。

――ちなみに、どんな方法だと感情を伝えやすいですか?

ぐんぴぃ:例えば誰かに不義理をされてちゃんと怒りたい時は、電話が一番。落研で落語をやっていたからか、声色と言葉の内容で伝えるのは得意かもしれない。相手も顔が見えないぶん、こちらの想いを酌もうとしてくれるだろうし。文章だと逆に、強く伝わりすぎることもあるから。

土岡:僕はあとから電話や文章でとかはないから、その場で出ちゃうかも。もしくは、言わずに自分の中に溜めていくだけ。

ぐんぴぃ:怖いだろそれ。ジョーカーみたいになるぞ!

土岡:ストレス解消は「パソコン破壊ゲーム」(笑)。めっちゃ気持ちいいのでやってみてください。

ぐんぴぃ:anan読者にそれ勧めるの、やばいって(笑)。

PROFILE プロフィール

春とヒコーキ

はるとヒコーキ ぐんぴぃ(左)と土岡哲朗(右)によるお笑いコンビ。2017年結成。公式YouTube「バキ童チャンネル」は登録者数180万人超えと大人気。ぐんぴぃさん主演で土岡さんも出演する映画『怪獣ヤロウ!』が全国公開中。

写真・荒木勇人 スタイリスト・井田正明 ヘア&メイク・鈴木かれん 取材、文・若山あや

anan 2433号(2025年2月5日発売)より

MAGAZINE マガジン

No.2433掲載2025年02月05日発売

想いの伝え方。

仕事、家族、友人、恋愛…さまざまなシチュエーションで自分の気持ちや考えをきちんと相手に届けるための、コミュニケーションのヒントを集めた特集です。伝わる会話の基本のキ、TPOに応じた「ありがとう」の伝え方、三宅香帆さんに教わる“推し”の魅力を言葉にする方法、大人気の春とヒコーキに聞くコンビ間でのコミュニケーションなど、いま必要な伝える力を磨くためのトピックスをご紹介。

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