美羽の繊細な恋心に、共感してもらえるように演じました。
「韓国版を見ていた人は周りにたくさんいたし、もちろん私も。だから声をかけていただいた時は嬉しくもあり、同時に人気作を演じるプレッシャーもあったと思います」
舞台は鎌倉にある美術大学。主人公で特別臨時講師の香坂漣(れん)を演じるのは横浜流星さん。南沙良さんは同じ美術大学で彫刻学科の助手として働く、浜崎美羽(みう)を演じる。ミステリアスな雰囲気を持つ漣と、翻弄されながらも次第に彼に惹かれていく美羽を描いた大人のラブストーリーだ。
「ダメだとわかっていても、漣への恋心が止まらない。そういう繊細な気持ちに、見てくださる方が共感していただけるように表現できたらいいなと思って演じていました。大事にしたのは時間軸。順撮り(台本通りに順番に撮影を進める方法)で撮影をしているわけではないので、編集した時にシーンが繋がるように、同じ気持ちを保ち続けることに気を配りました。かといって何かテクニックがあるわけではないのですが、本番前に前のシーンを思い出して、気持ちの繋がりをしっかり確認してから演じるようにしていました」
こだわったのは作品づくりの動き。美羽のモデルとなった彫刻家や監修の先生に教わりながら、制作工程や手元の動きなどを体に馴染ませ、自然に見せるよう心がけたという。
「彫刻をやるのは初めてでしたが、面白かったです。絵を描くのが好きだし、今も刺繍が趣味で空き時間に黙々とやっているのですが、きっと自分の手で何かつくり出す作業みたいなものが得意なんですよね。ただ、作品をハンマーで壊すシーンがあって、それはそれで楽しくて(笑)。壊す彫刻は予備を含めて2体しか用意がないと言われていたので、失敗できないなと思いながらも実際はすごくうまくいきました。心が解放されていく美羽の感情があらわになり、その後の物語に続くターニングポイントになる、大事なシーンです」
美羽の恋心を理解できるかを問うと「実はちょっと共感できなくて…」と本音を漏らした南さん。
「最初からダメだとわかっていたら、時間の無駄だと思っちゃう。それにそもそも、視聴者目線でいったら私は琉希(るき/佐野玲於)くん派。昔から、少女漫画を読んでいても当て馬好きでした(笑)。だから漣のように気持ちを振り回してくるような人は、魅力的だけどちょっと苦手かも。ちなみに流星さんは、かなり人見知りな私に対して、『もしやりづらかったら言ってね』という言葉をかけてくださったり、空気を和ませるために笑わせようと変顔をしてくださったり。その優しさに救われました」
最後に、南さんの“わかっていてもやめられないこと”とは?
「猫アレルギーがあるのに猫好きで、“猫カフェ”や猫を飼ってる友達の家に遊びに行っちゃうこと。痒い目をこすりながら遊んでいます(笑)」
PROFILE プロフィール
南 沙良さん
みなみ・さら 2002年6月11日生まれ。映画『この子は邪悪』やドラマ『君に届け』など主演作多数。大河ドラマ『光る君へ』では主人公・紫式部の娘を演じて話題に。DMMオリジナルドラマ『外道の歌』も配信中。
INFORMATION インフォメーション
『わかっていても the shapes of love』
美羽が働く美術大学に、特別臨時講師として赴任してきた漣。稀有な才能を持つ漣に、憧れと嫉妬心をぶつける美羽だが、やがて二人は不器用ながらも惹かれ合っていく…。ABEMAにて全話配信中。1~3話は無料視聴可能。ⒸAbemaTV,Inc.