関 俊彦 as 土井半助/天鬼
今作のメインキャラとなる土井半助を30年以上にわたり演じている関俊彦さん。『忍たま』を代表する人気キャラクターのひとりである土井先生の魅力について改めて関さんに聞いてみた。
「土井先生は初登場から一貫して乱太郎たち一年は組の生徒や、その他の学園関係者たちに振り回される立ち位置です。その姿が情けなくもあり、親しみも感じる。半面、チョークや出席簿などの文房具を使って敵をやっつけちゃうみたいな実力もしっかりある。これら2つの面がいわゆる“ギャップ萌え”となって、人気に繋がっているんじゃないでしょうか」
そんな土井先生が、劇場版では「天鬼」と名乗り、乱太郎たちの前に敵として現れる。
「天鬼は土井先生とは全く別の人格ですが、土井先生の性格や性質と重なるところも。それがふとした瞬間に垣間見えるようにしたいと、アフレコ前に監督から説明がありました。演じる上でこのさじ加減が悩みどころでした。とある天鬼のシーンでは、台本のト書きに『優しくも冷たくもない、絶妙な芝居で』と書かれていたんです。最初に台本ができた時からここが一番のプレッシャーだったのですが、事前に説明を受けていたおかげで、一発OKとなりました」
また、土井先生ときり丸の関係も、今作の見どころ。
「土井先生ときり丸は境遇が少し似ているんです。二人とも過去に両親を亡くしていて、その苦しみや悲しみは二人にしかわからないとシンパシーを感じている。普段、他の生徒の前でわざわざ見せることはないんですが、土井先生にとって、きり丸は弟であり、息子であり、もしかしたら自分自身でもあり。本当の家族のように感じているんじゃないでしょうか。だからこそ、きり丸が土井先生に言う『先生、一緒に帰ろう』という一言が胸に刺さるんですよね。とはいえこの二人だけじゃなく、登場人物一人ひとりが全員いい場面で活躍しているのが今作のポイント。忍たまファンの方はぜひ自分の推しにロックオンして、思い切り楽しんでほしいです」
◎土井半助とは?
一年は組の教科担当教師で、火薬委員会顧問。25歳という若さにして兵法と火薬のスペシャリスト。練り物が苦手。
PROFILE プロフィール
関 俊彦
せき・としひこ 栃木県出身。主な出演作に『機動戦士ガンダムSEED』(ラウ・ル・クルーゼ)、『鬼滅の刃』(鬼舞辻無惨)、映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(鬼太郎の父)など。
INFORMATION インフォメーション
忍たま乱太郎
尼子騒兵衛のギャグ漫画『落第忍者乱太郎』を原作とし、NHK Eテレで放送中のTVアニメ『忍たま乱太郎』。舞台は戦国時代。猪名寺乱太郎は友だちの摂津のきり丸、福富しんべヱたちと共に、忍者のたまご=“忍たま”として、一流の忍者を目指し忍術学園で勉強中。しかし、試験も授業もうまくいかずドジばかりで…というストーリー。1993年の放送開始以来、幅広い世代から親しまれ、2011年と’13年には実写映画化、’10年から現在まで2.5 次元ミュージカルも上演されるなど、多方面に展開。今回の『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』は、13年ぶり3度目のアニメ映画。ファンの間で人気の小説を原作とした今までにないシリアスな物語だ。
乱太郎たちの担任・土井先生がある日消息を絶ってしまった。捜索を続ける忍術学園の生徒たちの前に、土井先生に瓜二つなドクタケ忍者隊の冷徹な軍師・天鬼(てんき)が現れる――。12月20日(金)から全国公開。